前回、
網膜とその土台である脈絡膜が異常に引き延ばされるため、
黄斑の健康を維持できなくなる障害がさまざまな形で現れますが、
黄斑の健康を維持できなくなる障害がさまざまな形で現れますが、
その一つに「黄斑浮腫」があります。
黄斑部に新生血管という壊れやすくもろい血管が生えてきて、水漏 れが起こった状態です。
そのため黄斑部に「水が溜まった」状態が黄斑浮腫で、 物が歪んで見えたり、視力低下に繋がります。
近視性黄斑症と呼ばれます。
黄斑浮腫の原因として、後部ぶどう腫以外にも
加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、静脈閉塞症( 目に生じる脳梗塞のような状態)
などが挙げられます。
抗がん剤を眼球に注射!!
上記のような黄斑浮腫の治療として
「抗がん剤の一種を眼球に注射」(硝子体注射)
を行うことがあります。
このように聞くと驚かれる方が多いのではないでしょうか?
硝子体注射が始まった当初は大腸がんの方の点滴注射に用いられる
アバスチンという薬剤を海外から輸入して自費診療として使ってい ました。
現在は眼内治療専用に開発された抗VEGF薬のルセンティスやア イリーア、ベオビュといった治療薬が登場しています。
この3種類はいずれも保険診療対応となります。
当院でもアイリーアを使用しています。
眼科で視力回復治療に「抗がん剤の眼球への注射」と聞くと、
大丈夫なのかと心配になる方も多いのではないでしょうか?
次回は、 黄斑浮腫への抗がん剤注射について説明させていただきたいと思い ます。
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