3月に黒帯取得に挑戦した中学生くん。
ブログには書かなかったが、
結果は3ヶ月間の保留。
残念ながら合格できなかったのだ。
3ヶ月間練習の様子を見てから判断するという、いわば執行猶予?笑
それから3ヶ月間、彼は頑張った。
練習にちゃんと来て、毎週金曜日には大人を相手に苦しい組手をこなした。
そして今日が執行猶予の最終日。
仕切り直しの10人組手だ。
師範とKen坊と後輩君、3人の強力な大人が相手だ。
5分を過ぎた頃から息が上がり始める。
打撃をバンバンもらい、投げを喰らう。
それでも3ケ月前と比べると、明らかに気迫が向上している。
腹に蹴り入れられて、苦しくて呻きながらでも向かってくる。
最後の10本目、師範との組手。辛さもピーク、やられ放題。
よほど苦しくて、痛くて、悔しかったのだろう。
「ガァー!」という怒声をあげながら、必死の形相でかかっていく。
技も何もない。 ただむちゃくちゃに向かっていく。
必死である、そして板の間に転がされる度に唸り声を上げる。
10本目を終えた後にはしばらく立ち上がる事もできなかった。
稽古が終わり、整列して黙想をした後、師範が話をする。
「この3か月間、そして今日。よく頑張りました。
少年部の黒帯として認められるよう、本部に話をしようと思います。
今日の気持ちがあれば、大抵のコトは大丈夫です。
うちの黒帯を巻くのです。 プライドと責任をもって、
これからがスタートだと思って頑張って下さい。」
中学生くん、ニキビ面をくしゃくしゃにして、真っ赤な顔で泣く。
泪を止める事ができない。
男は男に生まれるのではない、男になるのだ・・
という話を聞いたことがある。
Ken坊は今日、彼が男になる瞬間のひとコマに立ち会った。
良いものを見せて頂いた。 おめでとう!
彼の泣顔は、オヤジ3人と彼との秘密である。