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由良町・興国寺で灯ろう焼き 〈2015年8月18日〉

2015年08月18日 08時30分00秒 | 記事

若者が火のついた大松明を担いで勇壮に釜場を回る


 鎌倉時代から700年以上の伝統がある由良町門前の開山・興国寺(山川宗玄住職)の灯ろう焼き(火祭り)が、うら盆の15日夜に行われた。檀家が持ち寄った切り子灯ろうを燃やして先祖の霊を供養するとともに、火のついた大松明を担ぐ儀式などがあり、多くの参拝者らが真夏の火の祭典を堪能した。

 昭和35年には県無形民俗文化財にも指定されている伝統行事。午後8時過ぎから檀家の人たちが切子灯ろうを灯して続々と法堂(本堂)前に集まった。午後9時ごろから本堂で虚無僧が奏でる尺八の音色とともに、読経と法要を行い本堂を3周。カネや太鼓の音が響く中、虚無僧を先頭に灯ろうを手にした檀家らが境内から約500メートル離れた無常堂に移動した。
 松明などをくべた釜場を囲み、六斎念仏衆が「えーなアームーアア、アーミダー、アーンブ」と南無阿弥陀仏を唱える中、地元の子どもたちが両手に松明を持って踊る「松明踊り」を披露した。両端に火がついた長さ4メートル、重さ約150キロの大松明を地元の青年が担いで釜場を3周すると、観衆からも大きな拍手が送られ、大松明4本を立てる「線香立て」や「拝み合わせ」「俵返し」などの儀式もあり、見物人は伝統の火の祭典に酔っていた。
 大松明を井桁に組み、クライマックスの灯ろう焼きが始まった。寺の高灯ろうを皮切りに、新仏の白色灯ろうをはじめ、3回忌、7回忌を迎えた色物灯ろうが次々と投げ込まれると、炎は一層激しく燃え上がり、両手を合わせて先祖の霊を供養した。


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