委託制度を活用した道路維持修繕作業
御坊市は、平成27年度に創設した「道路等維持修繕業務委託制度」が自治会から好評を得たことを受け、28年度予算額を今年度の100万円から200万円に倍増した。市が管理する道路を自治会(町内会、区)が修繕する際にコンクリートなど材料費や燃料費の全額または一部を市が負担する制度で、今年度は開始から3カ月で予算を使い切った。県下的にも珍しい取り組みとして注目されており、市議会も予算増額を求めていた。
地域によっては農作業等で利用する道路を年数回点検し、穴が空いているなど簡易な修繕個所が見つかれば「道づくり」「道普請」と称して自分たちで修繕しているほか、各地域で道路沿いの草刈り作業等をボランティアで行っており、以前から「市から材料費ぐらい出してほしい」との要望が出ていたが、これまで自治会を支援する制度がなかった。
市が管理する市道などの修繕は本来は市がやるべき事業で、危険性や緊急性の高い個所のうち、簡易な修繕については職員が行っていたが、手が回らないこともあり、道路を円滑に管理するために自治会による維持修繕を手助けできる方策を検討し、今年度から道路等維持修繕業務委託制度を設け、当初予算で委託費100万円を計上。実施要綱を作成し、昨年7月1日から申請を受け付けた。
対象は市が管理する道路(市道)や法定外公共物(里道・水路)、町内会等が認める公衆の用に供する道路など。自治会に委託の形を取り、かかった費用のうち、コンクリートやアスファルトなど材料費、草刈り機など燃料費を市が支援するもので、委託費は1契約につき5万円を上限に定めた。労務費や飲食費には使えない。
申請は自治会単位で原則先着順に受け付け、北野口区、上野口区、加尾区、出島区、楠井区、上野区、第一紀小竹会、丸山区、野島区、古森区、明神川区、岩内区、学園前、中財部交友会、上富安区、南塩屋区、祓井戸区、道成寺駅前町内会、湊区、千代崎会の20自治会が申請。いずれも上限5万円で委託し、開始から3カ月後の9月中に予算を使い切った。
内容は道路の除草作業が多いが、道路の舗装や側溝、水路の修繕などもあり、自治会から「支援があるのはありがたい」と好評を得ている。議会からも「非常に良い制度。予算額を増やしてもらいたい」との要望が出ており、28年度当初予算で2倍の200万円に増額した。申請の対象等は変更せず、4月から申請の受け付けを始める。市都市建設課は「市内全域で活用してもらい、自分たちの道は自分たちで守る、という意識をもっていただければありがたい」としている。
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