提供を受けた苗はボックスで栽培(印南町川又地内)
印南町真妻地区で盛んだったわさびの生産を復活させ、地域振興につなげようと取り組んでいる地元の真妻わさび振興協議会(森本松太郎会長)に和歌山工業高等専門学校やNPO法人次世代エネルギー研究所(NEL)などでつくる和高専地域活力支援研究会がわさびの苗100株を無償提供した。早速苗を定植した同協議会は「わさび苗は値が高いのでとてもありがたい」と喜んでいる。
和高専地域活力支援研究会は、わかやま産業振興財団の支援を受けて定期的に「和高専・次世代テクノサロン」を開催しているが、2年前から「わさびの水耕栽培」をテーマの一つとして取り組んでいる。協議会に提供した苗は、NELのメンバーである石橋幸四郎さんが代表を務める(株)石橋の紀州きのこ園培養工場=印南町印南=で水耕栽培装置を活用して今年4月から栽培していたもの。先月14日に協議会のメンバーで町議の前田憲男さんが培養工場を訪れ、石橋さんから茎が50センチほどに成長した真妻系の苗100株を譲り受けた。
苗を提供した研究会員でNEL理事長の高木浩一さん(71)は「地域振興の一助になればありがたい。これをきっかけに地域おこしをしていきたい」。提供を受けた2日後の16日に同町川又地内のボックス栽培施設に苗を定植した前田さんは「収穫するまで2、3年かかる。順調に生育してほしい」と話している。
真妻わさび振興協議会は全国有数の生産量を誇った真妻わさびの復活をめざそうと平成20年に設立。昔ながらのわさび田や沢を整備し定植するほか、ボックス栽培も導入するなど「真妻わさび」のブランドを生かしながら産地化をめざす取り組みを進めている。公益財団法人「わかやま地元力応援基金」から「印南まちづくり基金」の助成を受けて生育がよかった沢の復活に向けてモノラック(延長500メートル)を整備する計画で協議会は今後も栽培面積をさらに広げていくことにしており「産地復活を地域活性化につなげたい」としている。
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