平成30年度御坊市文化賞に、市観光協会長の古久保恭一氏(75)=薗=と前・市文化協会長の原多美男氏(86)=島=の2人が選ばれた。古久保氏は観光協会長として宮子姫伝説の伝承や地域文化の発展、原氏は文化協会長や戯瓢踊(けほんおどり)保存会長として地域文化向上や文化財振興に尽力した。団体は該当がなかった。表彰式は11月2日午前10時30分から市民文化会館で行い、柏木征夫市長から賞状と記念品が贈られる。今年で43回目。今回を含めて受賞者は74人、26団体。
古久保氏は蒲鉾製造会社(株)丸福で170年以上続く伝統製法を受け継ぐ傍ら、関連会社として舞台音響照明やイベント企画などを行う(有)ジーエフシーを運営。平成4年に設立した市観光協会の設立、運営に携わり、22年から会長を務め、市制施行40周年に行った宮子姫まつり時代行列、宮子姫音頭の作曲、九海士の里での髪供養祭など宮子姫にちなんだ企画を次々と行い、20年の宮子姫誕生祭で八幡山公園の特設舞台(芝居小屋)で行った劇団RAKUYUのミュージカル「道成寺」は大成功を収めた。
観光協会では宮子姫を協会シンボルとして市内外に情報発信。宮子姫みなとフェスタやSioトープ子どもまつりなど市主催のイベントでは豊富な経験とノウハウを発揮。飛行機仲間の人脈を活かし、みなとフェスタでは今や世界トップのエアーレーサーの室屋義秀さんを10年間招いたアクロバティック飛行は人気を集めた。ふるさと創生事業では実行委員長として新成人コンサートや歌謡フェス、ミュージックフェスなどを盛り上げた。みやこ姫よさこい祭り実行委員長も務め、踊りを定着させるなど地域文化の発展に尽力。
古久保氏の話 このような賞をいただき、身に余る光栄です。これもひとえに諸先輩をはじめ皆さま方のご指導のおかげと感謝しています。この賞に恥じないよう今後も精進し、地域のお役に立てるよう努めていきます。
原氏は昭和29年に和歌山大学卒業後、教師を務め、高い理想と未来への展望を持って昼夜問わず教育実践に精魂を傾けた。平成4年に大成中校長を最後に定年退職後、同年から12年まで市教育長を務め、老朽化した校舎の大規模改修や幼稚園舎の空調整備、教育用コンピューターの導入、適応指導教室メイトの開設など教育行政の充実発展に努め、17年に学校教育功績で瑞宝双光章を受章した。
文化活動では平成15年に戯瓢踊保存会に入会し、23年から今年まで会長を務めた。400年以上の歴史を持ち、県無形文化財第1号で国の選択芸能に指定されている戯瓢踊りを後世に残すべく、踊りや衣装の着付けを映像化したり、25年の全国民族芸能大会に参加して関東地方で初めて戯瓢踊りを披露するなど踊りの継承と振興に尽力。20年から今年まで市文化協会長を務め、常に新しく迎える時代を見据えた活動を模索。24年の創立50周年記念式典を盛況のもと開催したり、市民が芸術作品に接する機会を設けるため一日の空白もなく展示を続ける「まちかどミュージアム」を行うなど地域の文化向上に尽力。
原氏の話 文化賞に選んでいただき、誠にありがとうございます。戯瓢踊保存会、市文化協会と御坊の文化発展に微力ではありますが、お役に立てたことを評価していただいたことは、これから御坊の文化発展に貢献させる方々にとってもきっと励みになると思います。
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