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ドイツ報告⑤ 社会が人間を中心と周縁のどちらかに押しやるという構造こそが、克服されるべきという視点

2023-11-04 14:48:21 | 辻野けんまより

ドイツ報告⑤


デュイスブルク=エッセン大学を訪問。科研プロジェクトの共同研究者ベティーナ・アムライン氏と研究協議を行いました。インクルーシブ教育の気鋭の研究者で、前任のビーレフェルト大学から異動し1年目という新鮮な目で大学を紹介してくれました。工業で知られるルール地方にエッセン市は位置し、人種背景の多様性や経済的な脆弱性などの地域性があるとのことです。学生は困難にも負けないスピリッツを持っているとのことで、そのような大学でインクルーシブ教育の研究ができることを喜んでおられました。

狭義のインクルージョンの対象が社会の中でいわゆるハンディを負った人たちであるとすれば、広義の対象は人にハンディを感じさせる社会構造そのものだと考えておられます。社会が人間を中心と周縁のどちらかに押しやるという構造こそが、克服されるべきという視点が、私たちの科研プロジェクトで共通関心となっています。

アムライン氏はこの3月~4月に日本に滞在されて、滞在中に元大阪市立木川南小学校の校長をされていた久保敬先生ともジョイントセミナーを開催しました。久保先生の教育観に共感されたからでした。テスト中心の教育政策や競争主義の教育政策は、正に人を周縁化させる構造を強化させるからです。

なお、写真はデュイスブルク=エッセン大学と街並みです。教師教育センターのある棟(ビル)でも資料くことができました。また、ここでも学生自治会(AStA)の事務所で学生さんがインタビューに協力してくださいました。許諾いただき写真を掲載します。

 


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