1973年公開の「日本沈没」。小松左京原作のベストセラーの映画化です。
BSを録画し、ブルーレイに焼きました。
時代が時代なので、特撮技術も幼稚だし画質も悪いです。
でも、とっても面白い!
特撮が幼稚と言いましたが、一部リアルで凄かったです。
地震でビルが崩壊、落ちてきたガラス等から逃れる人々の姿。
エキストラの方の演技力の賜物だと思います。
意外な人も出演していました。
原作者の小松左京、これはホンのちょい役で、チラッと出た感じです。
東大教授で物理学者の竹内均さん。
政府の要人たちにレクチャーする場面では、なかなかの長尺をこなしていました。
本職の俳優の中では、首相役の丹波哲郎が良かった。
重大な場面で、決断力のあるリーダーを重厚に演じていました。
今の首相とは比較にもならない。
都内での大火災に焼け出された都民、皇居に押し寄せて機動隊ともみ合いになります。
丹波首相が宮内庁に電話する時のセリフです。「対策本部長命令です。宮城の門を開けて下さい!」
皇居を開放する。とても重い決断です。
また、官邸でのセリフ。
都内の消火にヘリしか使えないという状況に、「地震火災には使えないに等しいとは、国民の生命・財産を守るとは一体何なんだ!偵察機・戦闘機は何の為にあるんだ・・・・」
現在の首相に聞かせてやりたい。
2006年版「日本沈没」では、結局日本全体が沈没することはありません。
草なぎ剛扮する主人公の潜水艇操縦士が、自らの命を擲ち海底に爆薬を仕掛け爆発させたからです。
画質・特撮共にこちらの方が、レベルは高いと思います。
ただ、私としては1973に軍配を上げたい。
中心人物である田所博士、日本沈没を明言した方です。
1973では小林桂樹が演じていましたが、彼は沈みゆく日本に残りました。
その他の配役でも、1973の方の俳優が魅力的に映りました。
現在のコロナ禍の中、国のリーダーのあるべき姿、考えさせられます。
多分、いや間違いなく現リーダーたちは沈没となったら、国民はそっちのけで真っ先に逃げ出すだろうと思います。