日程:2016年4月29日(祝)~30日(土)朝発一泊二日
行程:西黒尾根から谷川岳経由、一ノ倉岳まで(往復)
行動:単独・テント泊
行程:西黒尾根から谷川岳経由、一ノ倉岳まで(往復)
行動:単独・テント泊
さて2016年のGW。
今年は雪が少ないのと混雑を理由に北アを避け、上越へ。
谷川を起点に巻機-大水上山-平ヶ岳-尾瀬をぐるっと回るルートを行動5日、予備2日で行くつもりだった。
しかし初日から予想外の吹雪、その他いろいろ問題があって敗退となってしまった。
以下、その概要。
今年は雪が少ないのと混雑を理由に北アを避け、上越へ。
谷川を起点に巻機-大水上山-平ヶ岳-尾瀬をぐるっと回るルートを行動5日、予備2日で行くつもりだった。
しかし初日から予想外の吹雪、その他いろいろ問題があって敗退となってしまった。
以下、その概要。
一日目 天候:のち
横浜から電車に乗って出発。
昔は谷川岳というと上野から夜行の上越線に乗って土合というパターンだったが、マイカー利用によってそれも随分前に廃れ、今時電車でアプローチする人なんているのかなと思うだろう。
しかし調べてみると東海道線が沼津から高崎まで一本で繋がり、高崎-水上は在来線、水上からはバスでけっこう安く早く着けてしまうことがわかった。
混み合う「さわやか〇〇号」だとかバカ高い「〇〇アルペンルート」などを使って北アへ行くよりよっぽどイイね。
昔は谷川岳というと上野から夜行の上越線に乗って土合というパターンだったが、マイカー利用によってそれも随分前に廃れ、今時電車でアプローチする人なんているのかなと思うだろう。
しかし調べてみると東海道線が沼津から高崎まで一本で繋がり、高崎-水上は在来線、水上からはバスでけっこう安く早く着けてしまうことがわかった。
混み合う「さわやか〇〇号」だとかバカ高い「〇〇アルペンルート」などを使って北アへ行くよりよっぽどイイね。
高崎までは晴れていたが、水上に着くと小雨。
さらに谷川まで来ると、何と強風でロープウェイが運休中である。
出だしは楽して天神尾根、初日に何とか谷川岳から蓬峠までという計画は早くも厳しくなってしまった。
小雨模様の谷川ベースプラザ(左)と西黒尾根下部で見かけた食べられそう?なキノコ(右)
さらに谷川まで来ると、何と強風でロープウェイが運休中である。
出だしは楽して天神尾根、初日に何とか谷川岳から蓬峠までという計画は早くも厳しくなってしまった。
小雨模様の谷川ベースプラザ(左)と西黒尾根下部で見かけた食べられそう?なキノコ(右)
しかたなく西黒尾根から登り始める。
午前中の中途半端な時間のせいかスッキリしない天気のせいか、他に登山者の姿は無い。
今年の寡雪はここ谷川岳も同じ。しばらくは落ち葉の積もった湿った泥道を進む。
標高1,200m辺りからボチボチ雪が現れる。
その後、小雨が降り出す。風も強くなり、アラレとなってやがて横殴りの雪となる。
甘く見ていたわけではないが、直前のヤマレコの記録など見ると谷川の縦走路などすっかり地肌が現れて、水の確保の心配をしていたくらいなのに。
それでもこの日のうちに少しでも進んでおきたいので、一人登り続ける。
今回、ザックの重さは16kg。できる限り切り詰めたつもりだったが、やはり5日分+αの食料が重い。
膝の故障からここ一年、重い荷を背負っての山行は避けており、また普段のランニングなどもまったくしていないので体力的に不安があったが、それでも地図のコースタイムより若干早く歩けている。
お、意外とイケるかも。でも風の音が凄い!ちょっと怖くなるほどだ。
ラクダのコブ、懺悔岩と越して谷川山頂へ。
午前中の中途半端な時間のせいかスッキリしない天気のせいか、他に登山者の姿は無い。
今年の寡雪はここ谷川岳も同じ。しばらくは落ち葉の積もった湿った泥道を進む。
標高1,200m辺りからボチボチ雪が現れる。
その後、小雨が降り出す。風も強くなり、アラレとなってやがて横殴りの雪となる。
甘く見ていたわけではないが、直前のヤマレコの記録など見ると谷川の縦走路などすっかり地肌が現れて、水の確保の心配をしていたくらいなのに。
それでもこの日のうちに少しでも進んでおきたいので、一人登り続ける。
今回、ザックの重さは16kg。できる限り切り詰めたつもりだったが、やはり5日分+αの食料が重い。
膝の故障からここ一年、重い荷を背負っての山行は避けており、また普段のランニングなどもまったくしていないので体力的に不安があったが、それでも地図のコースタイムより若干早く歩けている。
お、意外とイケるかも。でも風の音が凄い!ちょっと怖くなるほどだ。
ラクダのコブ、懺悔岩と越して谷川山頂へ。
山頂はほぼホワイトアウト。
大きなケルン型の指導標は確認したが、肩の小屋さえはっきり見えない。
地形通りにトマの耳、オキの耳と通過するが、この辺りから吹雪で回りが見えなくなり、また疲れも出てきてペースがガクンと落ちてきた。
歩きやすい方を選んで進んでいたらいつの間にか右手の一ノ倉沢側の雪庇に近づいていてアセる。
ほとんど何も見えないトマの耳頂上(左)と雪に埋もれた一ノ倉岳避難小屋(右)
大きなケルン型の指導標は確認したが、肩の小屋さえはっきり見えない。
地形通りにトマの耳、オキの耳と通過するが、この辺りから吹雪で回りが見えなくなり、また疲れも出てきてペースがガクンと落ちてきた。
歩きやすい方を選んで進んでいたらいつの間にか右手の一ノ倉沢側の雪庇に近づいていてアセる。
ほとんど何も見えないトマの耳頂上(左)と雪に埋もれた一ノ倉岳避難小屋(右)
それでも何とか一ノ倉岳へ。
稜線上は西風がひどく、積雪は一晩で50cm以上となった。
長年使っている簡易テントの「ライズ1」は1ヶ所ファスナーの不調で雪がどんどん吹き込んでくる。
これには参った。
稜線上は西風がひどく、積雪は一晩で50cm以上となった。
長年使っている簡易テントの「ライズ1」は1ヶ所ファスナーの不調で雪がどんどん吹き込んでくる。
これには参った。
これまで山では何度もキツい目に遭ってきたが、もしかしたら今回はワースト5に入るかもしれない。
唯一の救いは気温が冬山ほどではないこと。経験上、これなら死ぬことはないと思ったが、少なくとも今回の山は中止、仕切り直しだなと思った。
テントも破損し、初日のスケジュールのズレがこの先の悪天予報とカブってしまう。何より自分の気持ちが早々と折れてしまった。
その夜、谷川岳は一晩中荒れた。
唯一の救いは気温が冬山ほどではないこと。経験上、これなら死ぬことはないと思ったが、少なくとも今回の山は中止、仕切り直しだなと思った。
テントも破損し、初日のスケジュールのズレがこの先の悪天予報とカブってしまう。何より自分の気持ちが早々と折れてしまった。
その夜、谷川岳は一晩中荒れた。
二日目 天候:のち
朝になり天気は少し治まってきたようだが、それでも依然風の勢いは強く、相変わらずのホワイトアウト。
一応、朝食を摂り荷物をまとめ、いつでもOKの態勢を整えるが、なかなか行動可能の状況にならない。
計画を大幅に縮小し、せめて巻機までとも考えるが、昨夜の積雪で膝までのラッセルとなってしまい、単独ではキツいことが判った。
一応、朝食を摂り荷物をまとめ、いつでもOKの態勢を整えるが、なかなか行動可能の状況にならない。
計画を大幅に縮小し、せめて巻機までとも考えるが、昨夜の積雪で膝までのラッセルとなってしまい、単独ではキツいことが判った。
朝8時過ぎになって、ようやく風で雪雲が吹き飛ばされ、青空がチラリと見え始めた。
プロトレックの気圧計もぐんぐん上がってきているので、意を決して行動開始。
一ノ倉岳から谷川岳への帰り道は、昨日の自分のトレースが完全に埋もれ、膝から多い所で腿ぐらいまでのラッセルとなる。
プロトレックの気圧計もぐんぐん上がってきているので、意を決して行動開始。
一ノ倉岳から谷川岳への帰り道は、昨日の自分のトレースが完全に埋もれ、膝から多い所で腿ぐらいまでのラッセルとなる。
幸い天気は次第に好転し、周りの山々も見え始める。
昨夜は肩の小屋に泊まっていたのか谷川岳のトマの耳にも何人かの人影が見えた。
それら多くの登山者と合流して、こちらもようやく一安心。
昨夜は肩の小屋に泊まっていたのか谷川岳のトマの耳にも何人かの人影が見えた。
それら多くの登山者と合流して、こちらもようやく一安心。
山頂から改めて今回行こうとした山々を眺めるが、何とも長大なルートだ。
分割でもいいから、ここは「老後の楽しみ」としてやはり一度は歩いてみたい。
下山はまたいつ強風でロープウェイが運休となるかわからないので、往きと同じ西黒尾根とする。
分割でもいいから、ここは「老後の楽しみ」としてやはり一度は歩いてみたい。
下山はまたいつ強風でロープウェイが運休となるかわからないので、往きと同じ西黒尾根とする。
気が抜けたのかけっこうヘバって、下山ではところどころグズグズの雪に足を取られコケたりする。
その結果、片方のアイゼンのジョイント部のネジが飛んだり、ザックの外ポケットに入れておいたテルモスをどこかで落としたり・・・。
踏んだり蹴ったりだが、でもなぜかこういう不運は虫の知らせじゃないが、山の神が「今回は良くないことが起きるので、適当な所でやめておけ。」と暗に言ってくれているような気がする。
テントのファスナーの件もそうだ。
そう考えると腹も立たないし、悔しい思いを引きずることもない。まぁこれは自分の勝手な思い込みだが・・・。
トマの耳に小さな点となって登山者が見える
トマの耳から見た東尾根
西黒尾根途中から谷川岳を振り返る
その結果、片方のアイゼンのジョイント部のネジが飛んだり、ザックの外ポケットに入れておいたテルモスをどこかで落としたり・・・。
踏んだり蹴ったりだが、でもなぜかこういう不運は虫の知らせじゃないが、山の神が「今回は良くないことが起きるので、適当な所でやめておけ。」と暗に言ってくれているような気がする。
テントのファスナーの件もそうだ。
そう考えると腹も立たないし、悔しい思いを引きずることもない。まぁこれは自分の勝手な思い込みだが・・・。
トマの耳に小さな点となって登山者が見える
トマの耳から見た東尾根
西黒尾根途中から谷川岳を振り返る
この悪天は当然、谷川だけでなく北アでも影響があったようで、今年もまたいくつかの遭難救助があったようだ。
壮大で魅力的なルートですねぇ。
私はスキーなのでちょっと違いますが、三国川ダムから入ってネコブ山~国境稜線越え~利根川横断~平ケ岳~尾瀬というルートが夢です。雪付きの関係で黒部横断よりチャンスが限られるので夢のまま終わると思っていますけれど。
来年の再チャレンジを期待しています。
PS
ソロで5+2泊で16kgはすごいですね!
機会があったら装備を語ってください。
ロープもギアもなくて16kgは私には重過ぎです。(^.^;
まだまだ軽くしますよ。