門前の小僧になりたいくらげ

学究的な空気に憧れて専門家の周りに出没しては雑感を綴るブログ。化石鉱物系がやや多し、の予定。

卵や玉子じゃないタマゴ〜たまご話その7〜

2017年12月28日 | 生物

二黄玉子(二つ黄身が入っているタマゴ)の話から始まり、『卵』と『玉子』の違いなどを書いてまいりましたたまご話、本日は『卵』でも『玉子』でもないタマゴについて書こうかと思います。例えば前回記事にも載っていました「魚のタマゴ」などがそうです。

鱈のタマゴは『たらこ』

飛魚のタマゴは『とびこ』

鰊のタマゴは『かずのこ(数の子)』

鮭・鱒などのタマゴは『いくら』

有名どころはこんな感じでしょうか?このうち『いくら』はロシア語の"икраikra)"が語源だそうで、"икраikra)"は魚卵全般を指し、特に鮭のタマゴのみを示す言葉ではないそうです。なんとなく英語の"roe"と似ています。この"roe"は魚の体内にあるタマゴもしくは白子を指しており、産みおとされたタマゴには"spawn"という語が使われます。

 なお、英語の"egg"は日本語の『卵』と同じくタマゴ全般を指す言葉のようですが、"roe"や"spawn"で表すタマゴの時にはあまり使われません。ざっくり分けると硬い外殻を持つ陸生生物のタマゴ=egg、外膜を持つ水生生物のタマゴ=spawn(or roe)のイメージでしょうか。ちなみに昆虫の卵鞘なんかにはootheca(or egg-case)という語が使われるようです。英語ではタマゴの形状によって単語が変わっているように見受けられます。

 さらに中国語を見てみると鶏や鶉・家鴨などのタマゴは『蛋』という字で表されます。日本も『皮蛋』は輸入しているのだから、鳥のタマゴを『蛋』で表してくれれば、わざわざ『玉子』という表現を作らなくても良かったのでは?とも思うのですが・・・でも、今定着しているのは『玉子』で、『蛋』ではないんですよね。。。

↑日本で言うところのキャビアはフランス語のcaviar(魚卵)、英語でもcaviar(チョウザメの卵)。ロシア語だとчёрная икра(黒い魚卵)。



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