徳川広和氏の講座。これまた人気講座のため抽選でしたが、強運な息子その1また引き当てました。小田先生と同じく解剖学的な解説から入るかと思いきや、先生がおもむろに取り出されたのは竜脚類とおぼしきパペット人形。
『これがなん(の恐竜)だかわかる人〜?』
にこやかな先生のお声と裏腹にどよめく受講者たち(この講座は受講者参加型なので、受け身だと焦ります。)。が、やはり子どもの順応は大人より早いもので、ちらほら手が挙がります。
「アパトサウルス」
「ディプロドクス」
「ブラキオサウルス」
「丹波竜」
正解出ました。ディプロドクスです。その理由は鼻の位置、目の位置、背中の棘でほぼ種を特定できるから。今まで骨学的な目でぬいぐるみを見たことなどないくらげびと、ほえ〜っと声が出てしまいます。(ちなみにカーネギー自然史博物館※1のミュージアムグッズだとか。さもありなん。)緊張がほぐれたところで講師紹介や作製実例のスライドがあり、いよいよ実技編のティラノサウルス頭骨が登場です。・・・これ、見たことあります。恐竜展に行くと出口でよく売ってる、アレですよね?
『消しゴムと侮ることなかれ。これは某先生が監修しておられる、実物を忠実に摸した消しゴムなのです。そこらで売られている安価な骨格レプリカよりよっぽど出来がいいんですよ!』
見かけるたびに買いたがっていた〇〇さん、見る目あったんだ。。。買いだすとキリがないから買わないですけどね(色が白か黒なら買っていたかもしれないけれど)。ともあれ目・鼻・耳の位置を確認して色つきの紙粘土を貼り付けていきます。粘土遊びのようですごく楽しそう、と思いながら見ていると、何やら息子が思案顔。???近寄って尋ねてみると、
「上唇はどうしよう。」
どうやら小田先生の講義以来上唇が気になってしようがないらしいので、徳川先生に聞いてみたら?と水を向けてみました。息子がおっかなびっくり聞いてみると、徳川先生、少し黙考なさった後、息子にわかるように丁寧に丁寧に話してくださいました。乾燥から口腔内を守るために上下の唇は閉じているのが陸生生物の基本なこと、ただし現生動物(例えばある種のワニ)を見てもわかるように生息する環境によっては口がぴったり閉じずに歯が出ていてもなんら不思議はないこと、つまり恐竜の種類によって唇部の形状は異なっていてもおかしくないということ、実際に研究者の間でも見解が分かれているものはあること、などなど。講座内容とは直接関係ない事柄なのに、ほんとうに真摯に答えていただきました。ありがとうございます。
↑弟たちにもみくちゃにされ、罅々&欠けてしまったT-rex。かなりかわいそうなことになっております。
↑結局歯がむき出しなのは息子その1に唇を後付けする技術がなかったため。上の歯は隠したかったらしいです。
※1 アメリカの実業家アンドリュー・カーネギーの援助の下に発見されたDiplodocus carnegii(ディプロドクス・カルネギイイ)を展示している博物館。カーネギー研究所が運営する博物館の一つ。
参考:岐阜県博物館
徳川広和氏公式サイト 徳川広和 恐竜・古生物模型作品ギャラリー
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