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リアル大阪姦楽街? --橋下市長と飛田

2012年02月13日 | 大阪
 いつだか焚火派GALゲー戦線さんが、紹介してくれた18禁ゲーム。
 橋下府知事時代の2009年3月発表の「大阪CRISIS ~姦楽街開発プロジェクト~」。

 橋下市長は、「こんな猥雑な街、いやらしい街はない。 ここにカジノを持ってきてどんどんバクチ打ちを集めたらいい。風俗街やホテル街、全部引き受ける」と発言したことがあった。しかしたんに橋下市長個人が風俗好きとか、〈姦楽街〉構想の持ち主というだけではなかったんだね。

 <飛田新地料理組合が、公的機関から「感謝」されてきたというのも妙だが、何より驚いたのは、マントルピースの上に飾られた写真である。料理組合の組合長と茶髪の弁護士が二人でにっこり笑顔で写っている一枚が、そこにあったのだ。

 「あれ? これ橋下知事。『行列のできる法律相談所』に出ていたころの橋下知事ですよね?」
 「そうや。組合の顧問弁護士。一回、講演に来てもろた時に写したやつやな」と幹部。
 耳を疑った。
 「えっ? ほんまに?」
 「そうや。だいぶん前やから、ふたりとも若いわ」
 と得意然としているのだった。
 事務所の壁面に、組合長をはじめとする幹部の名札が並んでいる場所がある。その末尾に、「橋下事務所」と書いた札が確かにかかっているのも、見てしまった。>
井上理津子『さいごの色街 飛田』(筑摩書房)、p.238-239

 まさか橋下が飛田新地料理組合の顧問弁護士だとは! 

 誤解なきようにいえば、私は飛田で生きる人たち働く女の子たちをリスペクトする。明るい西成、楽しい飛田、君と僕との新天地!なのだ。

 男性の言い分では、買春は必要悪かもしれない(通用しないと思うけれどね)。しかしやはり、いけないことにはまちがいない。そして女の子の斡旋には、ヤクザも闇金経由で密接に絡んできた。

 しかし、『さいごの色街 飛田』(すばらしい名著!)のあとがきによると、最近は暴団法対策法の強化で、ヤクザと関係のない新手の周旋屋が増えたという。「経営者4(または5)・女の子5(または4)・おばちゃん1)」の利益配分が、飛田の町の了解事項だった(女の子の「貸し金」の返済分を大きく差し引くケースがあったとしても)。

 この新手の周旋屋から女の子の斡旋を受けると、高額の斡旋料に加えて、斡旋した女の子が稼動する限りは経営者も取り分の3割から半額のマージンを強いられるのだそうだ。しかし、今までのヤクザ系斡旋ルートが断たれて、経営者も泣く泣く受け入れざるをえない。

 暴対法でもう組織に帰属するメリットがなくなった元暴力団員や、ITや法律に強いカタギが、飛田にも「新規参入」してきたようだ。この犯罪者予備軍は「半グレ」と呼ばれるらしい。このグレー層は暴力団ではないというだけで、警察は取り締まらず、目こぼしの対象になっている。

 橋下徹弁護士が飛田の街の顧問になること自体は、問題ないし否定しない。しかしこの女の子の斡旋は、完全に違法な人身売買だ。それが大阪府知事や大阪市長としての公職と、今度の西成特区構想とどう整合性をもつのだろう?

 この本では、女の子のあがりを吸い取るだけの、いまの飛田の経営者のあり方を批判した元経営者が追放された、ごく最近の話も紹介されている。いま飛田で何かが起きている。それは飛田の人たちはもちろん、大阪市民にも歓迎できることではあるまい。

 かつての総会屋潰しのように、警察権力は暴力団をつぶして、その後に座ろうとしている。暴力団追放センターは警察OBの天下り先である。

 橋下徹なんか、警察権力と結託して、風俗利権を独占しようとする「半グレ」群の利権代表者にすぎない。カジノ構想も、市民や府民の利益なんかちっとも眼中にないんだよ、ということで。



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2 コメント

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Unknown (キンピー)
2012-02-13 13:25:51
同級生の中に何人か飛田新地の経営者の子弟がいましたが、人集めは大変そうでしたね。
ドラフトみたいなこともやっていた記憶が。。

あ、以前観た「ポチの告白」を先日レンタルして観たのですが、糞ヤクザも嫌いですがやっぱりケーサツはもっと嫌い。
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Unknown (kuro-mac@osaka)
2012-02-13 14:10:00
同級生! さすが地元だなあ。
やり手経営者が女の子逃すまいと、ホスト遊びやブランドもの贅沢教えて足抜けできなくするとか、結構えぐいです。

実は、飛田に足を踏み入れたのは、例の鯛よし百番の宴会のときだけ。お金落とす目的以外で冷やかしで行ったらいけない場所だなと。お姉さんも悪いことも大好物なんですが、だからこそ。

>ポチの告白 
「交番(ハコ)のウラは闇」の松本均さん、ファンでした。いま何をしているんだろうと思ったら、高砂市議5期めなんだ。消されてなくてひと安心!
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