大女優、岸恵子さんの執筆。本日の「横浜空襲」の描写が凄まじい!そして美しい。
空襲の朝、母親が山手公園へ逃げなさいと言って私(岸さん)を置き去りにし、隣の赤ちゃんを助けに行く姿が敏しょうな小動物のようで美しかった。
その後、公園に向かおうとするも兵隊に防空壕へ連れてこられる。が、暗い穴ぐらでひしめく人々をみて「ここにいたら死ぬ」と直感。地獄の地上に飛び出して、母との約束の松の木によじ登る。その時彼女が目にしたのは、なんと超低空飛行で機銃操作してきた米軍機パイロットの青ざめた横顔!!
なんという果敢な少女!まるで映画のような(実話だから凄い!)ミラクルな戦争体験!自粛しかできない自分の境遇に苛立ち、お茶を濁すようにやり過ごすしかないこの今の状況と、つい比べてしまう。本物の戦争なんか決してダメだけど、美化できないけど。防空壕に閉じ込められるより、自宅待機の方がマシ、そうかもしれないけど。怯えたり、助かったと喜んだり、起伏に富む戦争が面白そうに思えるのは、どうしたらいいんだ。
ただ、だらだらと続くこの状況、目に見えない敵とどう前向きに戦っていったらいいのか?
専門家や政治家の顔を見て毒づくことしかできない。ものすごく大変であろうと思われる医療関係者に対してさえも、いいよな、頑張ることあって…と、卑屈になってくる。。
ただ、こうやって文句を言えるのが、まだマシかも知れない。…そうだ、毒づくことを許される世の中であることを喜ばなくてはならないかもしれない。あの戦争の時代では、許されないことだったようだから。
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