見て散々悩んだ挙句に豊川まで遠征することにした。三鷹を
3時半に出発。ギリギリ第一接触に間に合うかどうかの距離だ。
三鷹から東名は、用賀ICが一番近く、夜中だった事も有り、
途中GSでガソリンを入れても、4時に高速に乗れた。
豊川まで260km、3時間あれば何とかなるか！
少しでも時間を稼ぐ為に御殿場からは新東名を使う。
知り合いの話では多少距離が短いのと、走りやすい道だとか。
さすがに新しい道だけあって、アップダウンやカーブも緩やかで、
ちょっと急ぎのスピードでもストレス無く走れる。ラリータイヤの
バランスが悪いのが唯一のストレスだったりする。
新東名も終わり、東名と合流した直後に豊川ICはあるのだが、
まだ空は一面曇っている。
これで見えるのだろうか？と言っても、これから更に走るには、
もうタイムリミット！
ＳＡでガソリンを入れ、6時30分頃に豊川ＩＣをおり、コンビニで
買い物とトイレを済ませて、日食同様、近くの大きめの川の、
土手沿いの道に沿って観望地を探す。
途中で都合良さそうな少し広くなった所が合ったので、そこに車を
止めて機材の準備。
『除草作業中』の看板があり、ちょっと気にはなったのだが、、、
とりあえずの機材設置を終えると7時5分頃。ぎりぎり第一接触には
間に合ったが、依然として曇り空で、太陽の位置が判らない（泣）
結局第一接触、第二接触の時間を過ぎて少ししてから雲に明るい所が
見え始め。とりあえず望遠鏡をそちらに向けて準備。今回は撮影用の
他に眼視用の9cmをもう一本用意した。
8時過ぎに、やっと雲の切れ間から雲越しに太陽が見えた。
急いで望遠鏡のピントをあわせて、カメラをセット。
最初の一枚は、雲の流れる中での画像となった。
【↑雲越しの初めの写真】08：08
Vixen Custom-80M/D:80 f:910 EP:UW20mm 46倍 Mizar SP赤道儀
コリメート法 Canon IXY 30S F:5 f=4.9mm ISO:125
S:1/60秒 アストロソーラーフィルター（眼視用）使用
撮影場所：愛知県豊川市 撮影日：2012/6/6
jpegでJTrimにて反転、北を上に回転、トリミング、リサイズ
眼視鏡筒でも覗いたが、カメラの液晶越しじゃないので、こちらの
方が、雲があっても太陽がハッキリ見える！
太陽面の金星は、太陽表面の黒点と比較するとかなり大きい。
『おお、金星ってこんなに大きかったっけ！』と思いながら、見る。
太陽表面の黒点と比べて、金星はハッキリと太陽の手前にあるのが判り
片目で見ているにもかかわらず、妙な立体感がある。
やっぱり眼視で直接見ると結構感動するもんだ！特にくっしーは、
初心者なので、この辺を望遠鏡で見る事もあまり無かった事も有り
眼視で見ると『すごい！』って感覚だ。
8:17分頃、再び太陽は雲の中に隠れて又暫く、空を眺めて晴れ待ち。
再び雲が切れ掛かり見え始めたのは9時前。雲が掛かったり切れたり
していたので、しばらくカメラに付いていて、なるべく雲の少ない
カットを撮っていたのだが、9時20分頃から太陽方向の雲はほとんど
なくなり、ピーカン状態の空になった。と言う事で途中から撮影は、
10分間隔で、+/-1EVずつ撮影していった。
【↑雲が無くなったあたりの写真】09：20 S:1/100秒 F:5 ISO:125
撮影が始って暫くすると、『除草作業』の人達が道路の向こう側の
似た様なスペースに車を止めて、エンジン付き草刈機で作業を始めた。
向こうが終ったら、こちらも作業するとか。とりあえず機材と車を
邪魔にならない様に真ん中のほうに寄せておく。
そこからは、淡々と撮影と眼視を言ったり来たりしながら通過を見守る。
ちなみに、観望場所は、土手沿いの道と橋からの道の交差点にあり、
思ったより交通量が有り、止まる車から結構視線を感じる。
（写真はまだ曇っている7:53頃の物）
時々散歩のおじさんやおばさん、或いは車で通りすがりに見つけた
人達が寄ってきて見せてくださいと言われることがしばしば。
今回は眼視用の鏡筒も準備しているので、声を掛けてくれた人達
にも見てもらった。
なんでも、豊川辺りでは、先日の金環日食は曇りで見られなかった
から、日面通過が見られて良かったと喜んで貰えた。
日面通過も後半、お昼休みの後に、草刈の作業が、こちらの
スペースに及ぶ。『うわ～、第三接触にからむか？』
ちょっと心配したが、20分程で作業は終わり、第三接触前に作業は完了。
良かった。ここまではピーカンのまま撮影が続いたので、画像に、雲が
無く、比較暗合成で概ね30分おきに並べてみた。
【↑金星の日面通過 比較暗合成】09:15-13:10
日面通過も残すところあと少し。第三接触を目前に、なんと雲が
太陽周りに出てきた。『げげ！マジか～！！』『これが、日ごろの
行いが悪い！ってやつか！』と運の悪さを嘆きつつ、眼視とカメラの
間を行ったり来たりしながら、撮影を続けた。
雲越しに、何とか第三接触はかろうじて撮れた。
【第三接触のあたり】13：30 S:1/250秒 F:2 ISO:640
雲越しではあるが、一応、第三接触～第四接触に掛けての写真を
切り出して並べてみた。雲で見えないカットも有り、各画像の
撮影間隔と露出がばらばらなのは、ご愛嬌と言う事で。
【↑第三～第四接触近辺の等倍切出し】13:29-13:47
本当は眼視でも第三接触の前後をしっかり見たかったのだが、撮影と
両方は出来なくて、眼視では、接触前後は見逃した。ちょっと
残念だが、そりゃ計画に無理が有るという物。撮影のほうを自動追尾
＋連射モードで勝手に撮影できるように準備しておかないと、、、、
そんなこんなで、薄雲の中、第4接触も終わり、今日の日面通過は終了。
【第四接触あたり】13：46 S:1/250秒 F:6.3 ISO:125
9時過ぎから13時半ごろまで殆ど雲無しだったので、非常に暑くて、
かなり日焼けしてしまった。誰かのサイトに日食観察には日焼け止め
クリームって書かれていたのを思い出したが、今回は帽子すら持って
きてなくて、腕と顔が頭のてっぺんから真っ赤に日焼けしてしまった。
とりあえず機材を撤収して、2時半過ぎに豊川から東名に乗り、
再び東京へ向かう。途中、浜松でうなぎパイをお土産に買って、
新東名をひた走る。
【↑新東名で見つけた白黒パトカーと違反車両？】
道路は、用賀からの下道も含めて、それ程渋滞はなく、自宅には、
6時15分ごろ帰り着いた。
色々と運の良し悪しや、見極めの甘さ等もあったが、遠征して
それなりに観測出来たので、概ね満足の行く結果と言った所か。
しかし疲れた。日焼けの顔がまだ痛い、、、、
2012.6.6(6/7)
