くっしーの徒然日記

新月の長い夜 その3(M105/M102/M101)

さて、新月の長い夜も既に時刻は4時頃。残すところ1時間ちょっとと
成った。この日も、IXY30Sでの撮影と平行して、連続撮影にて北天や南天を
撮影していたのだが、この日はかなり明るい流星を捉えた↓

【北天を駆ける流星↑】IXY910is ISO1600/S:32秒 F2.8 F=4.9mm
11/25 21:34
上の写真は流星部分の等倍切り出しなので、明るさや位置関係が判らない。
撮影した画面をノートリミングでリサイズとバックグランド補正、コント
ラスト調整のみしたのが下の絵↓


【ノートリミングの撮影画面上の流星】11/25 21:34 

タイミングよく、構えたカメラの中央、少し下に見事な流星が飛び込んで
いる。

ちなみに星見に詳しくない方の為に、星座線を追加してみた↓

【ペルセウス・カシオペアの下を駆け抜ける流星】

ペルセウス・カシオペアの下から、北極星方向へ向かって飛んでいる。
右上側から、突入してきて、表面の温度が上がりながら燃え、途中で
大きく爆散して一気に燃上がり、その後、短時間で燃え尽きるといった
一連の状況を連想させる様な軌跡である。

最大時の明るさは、0等星のカペラを遥かに凌ぐ明るさで、いったい
マイナス何等級なのだろうか?肉眼で確認していないのが悔しい。
待ち時間を、ずっと外でサマーベッドに寝転がっていれば見れたかも
知れないが、寒くてずっと外は無理だ、、、、

ちなみにこの日の収穫は、これ一つ。川にドジョウ取りの篭を仕掛けたら
大うなぎが捕れたと言ったイメージか?

補足:天ガ2月号の121Pの表2と160Pの写真でレポートされてましたね。
 北杜市と鳴沢村でだいぶ見える方角が違うと言う事を実感しました。

さて、撮影のほうは、残すところ1時間あまり。
次の天体は、M95、M96と続いて、そのすぐ近くのM105を撮影した。


【↑M105 しし座の渦巻き銀河】
UW9mm 80倍 S:64秒 17コマ 撮影日:2011/11/26 04:09-04:33
【共通:SM-R125S/D:130 f:720 LPS-P2使用 IXY 30S ISO:3200
 F:2.0 f=4.9mm 撮影場所:静岡県駿東郡 Registaxでコンポジット
 →YIMGでかぶり補正・トリミング・ガンマ・サイズ調整】


ちなみに、いくつかほかの銀河も写っている。↓こんな関係

【↑M105 NGC3384 NGC3389 しし座の銀河たち】

いずれも、明るい中心とその周辺の淡い光芒からなる感じだが、腕の
存在がはっきりと確認できるのは、NGC3389がかろうじて、腕と認識
できるぐらいである。他は、ディスク部分はぼやっとした光芒にしか
見えない写りである。ちなみにM105は9.3等級4分角の見かけの小さな
フェイスオンの銀河である。

さて、しし座のいくつかの銀河を写したあとは、望遠鏡を北斗七星に
向け、M102を撮影してみた。

【↑M102 おおぐま座の紡錘銀河】
UW9mm 80倍 S:64秒 18コマ 撮影日:2011/11/26 04:45-05:06

これまた、10等級、5分角の見かけ上、小さな銀河である。その昔
メシエが正しい記録を残してなかったらしく、該当する場所に、記述の
天体が無くて、いわゆる「行方不明の天体」と言われている物らしい。
たぶんこれが、M102であろうといわれている有力候補の紡錘形の銀河
である。最外周の薄い部分は。これ又、かすかに写ってるかな程度で
ある。もう少し露出できるとこの辺もだいぶ違って見えそうな感じだ。

さて、M102を撮影し終わった時点で、5時を回っているが、この時期
夜が明けるのが遅く、まだ少し暗いので、M102のお隣のM101を22日に
引き続き撮影
してみた。

【↑M101 回転花火銀河と超新星2011fe】
UW9mm 80倍 S:64秒 8コマ 撮影日:2011/11/26 05:12-05:18

22日は風も強く4コマしか使えなかったが、今回も薄明が始まっていて
結局8コマしか使えなかったが、風がないのと、9mmで撮影した分、22日の
画像
よりだいぶはっきりと銀河の腕の様子も、2011fe超新星の減光具合
良く判るようだ。

という事で、薄明を迎えて、長かった夜も終わりを告げる。機材の撤収
を始めるが、ほとんどの機材は、霜が降りて↓バリバリ状態である。

でも主鏡にも斜鏡にも結露しなくて、最後まで使えて良かった。
ヒーターのおかげ?

外の温度計を見ると、とうとう、↓氷点下14℃まで下がっていた。


ちなみにエンジンを掛けていない車の中も、氷点下7℃まで下がっていた。
車の中にいても寒い訳だ。

車の窓ガラスについた霜をせっせと削り落とし、最後は、ポットのお湯で
ガラスの霜を取って、やっと帰路に就けた。

しかし富士山の五合目ならともかく、ふもとなのに、こんなに温度が
下がるのね。防寒対策と防霜対策をまた練ってこなければ、、、、

2011.11.25(12/9)

コメント一覧

くっしー
Nikon 8cmさん、こんんちは。(いや、こんばんわ?かな)

なんと、カルフォルニアですか!それも月食まで見られたみたいで(これは、Nikon 8cmさんのブログの方にコメしますね)ビックリというか、凄いです。

鳴沢村の場所をご存じの様で、ひょっとすると今後ご一緒できる事が有るかも知れませんね。雪さえ積もらなければ、これからも行こうかと思ってますので。(雪が積もってもラリースタッドレスで行けるレベルなら行くかも)

S100は気になりますよね。早くCHDKでないかな。まめにチェックしておきますね。
NIkon 8cm
http://nikon8cm.exblog.jp/
くっしーさん

その場所は、私も時々行く場所です。
実は仕事でカリフォルニアに来ています。アメリカは日本より一足先にS100が発売されており、チャンスがあれば見て来ようと思っていましたが、日本でも発売されたようなので、今さらその必要はなくなってしまいました。
そうですねCHDKが出たら、私もS100にしたいなあと思っています。
くっしー
Nikon 8cmさん、こんにちは。

微妙に当たってるような当たってないような?
奥までの東西に横長の道路と、道路の両脇が駐車場になっております。富士山側は砂利のままで車一台分が縦に並べられるぐらいの幅です。
富士山の反対側はアスファルトですが、駐車場の線引きがしてあり、北側のはしの列にも車を止められるようになっています。機材の安定からすると北側のアスファルトに止めたいのですが、北側に止めると、木が迫ってきて北側の仰角が取れないので、南側の富士山側の砂利スペースに止めています。

そうなんです。もう少し露出時間が欲しいんです。
今度パワーショットのS100が発売になったので、(http://magazine.kakaku.com/mag/camera/id=584/ )気になっています。くっしーブログ的には、根性でS90のレンズを直す方がコンセプトに合うのですが、いかんせん、かなり修理のハードルは高いので、なかなか手が着きません。そのうち、S100用のCHDKが公開される頃には、価格も1万ぐらい下がるだろうし、なんと言っても新DIGIC5の耐ノイズ性能の向上と高感度化に、かなり誘惑されそうです。
NIkon 8cm
http://nikon8cm.exblog.jp/
くっしーさん

これは文面から察するに、横長で富士山側が更地に駐車場の場所ですね。あそこも、既に氷点下14度ですか。
さて、私も一心に手動ガイドしていいてふっと頭を上げた瞬間などに立派な火球を見ることはありますが、写真の方向を流れることは稀ですし、ちょうどダーク減算処理中だったりと、こんな立派な火球を捉えた事は、ありません。
それにしてもいろいろな対象を撮影されていて、これからの参考になります。くっしーさんも、こうなると1分以上の長露光が欲しくなりますね!!
くっしー
貧スタさん、こんにちは。

おお、イリジウムフレアですか?実は私、WEBでその名前は聞いた事が有ったのですが、写真も実物も見た事がなかったので、全然頭にありませんでした(汗)
早速、色々調べて、出現予測等のサイト(http://www.heavens-above.com/ )に辿り着いたのですが、過去2日と今後1週間しか出現予測が有りませんでした。他も調べたのですが、残念ながら出現を記録したサイトを見つけられませんでした。でも出現予測を見ると、太陽光を反射するので、当然ながら日の出前と日没後の出現なんですよね。
と言う事で、イリジウムの軌道高度約780kmと地球の半径6400kmで簡単に計算すると、直上でイリジウムが太陽光を受けられる限界が、Acos(6400/(6400+780))で27度、時間にして日没後1時間48分。それがまたぎりぎり水平線際に見える限界点までとして、さらに1時間48分と言う事で、ざっと計算して日没後3時間半位までしか見えない計算になりました。この日の日没は16:30で撮影は21:31なので、イリジウムでは無さそうです。写ってる高度が45度位?なのでもう少し時間は短い筈ですが、面倒なのでそこまでは計算していませんが、、、、

ちなみに、この日、3時20分頃にも天頂からオリオンの足下まで駆け抜ける大きな流星を見ました。残念ながら、丁度電池が切れて、交換してセットする直前でかなり悔しかったです。天頂に現れたので、日出前2時間弱が限界でしょうから、これもイリジウムでは無さそうでした。

でも、イリジウムフレアってWEBの写真を幾つかみましたが、こんなに派手に輝くのなら、三鷹で撮影してみるのも面白そうですね。今度又狙ってみます。
貧スタ
先端と後端がきれいなのでイリジウムの可能性を否定されてから投稿された方が良いのではと思います。イリジウムの軌道は公開されています。
スタパオーナー
http://www.star-party.jp
-14℃の観測お疲れ様です。
コンデジで流星写真はとてもレアですね。
しかもかなり明るい火球!
実はこの流星、私も見ました・・・
というか正確にはその光で照らされた景色と人の影。
観察会の後にお客さんと外で話しているときに流れたんです。
影ができるほどの流星というのは少なくとも金星よりも明るいので-5等星以上だと思います。
コンデジで捉えた流星と言うことで星ナビで取り上げてくれませんかね?(^_^;)
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