望遠鏡を持って、東京と神奈川の境の陣馬山に出かけた。
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天体観測初心者のくっしーは、余り良い観望スポットを
知らない。その昔、ハレー彗星が来た時に、陣馬山に見に
行ったら、他にも沢山の人が観望していて、望遠鏡を持った
人も、ちらほら居たのを思い出したので、陣馬山にした訳で
ある。四半世紀も前の話だが、、、、
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さて、どれを持って行こうかと悩む。赤道儀付きの114mm
反射は約10kg弱、経緯台仕様で5kg弱、TL-750は三脚付きで
3k弱、6cmは、微動無しなので候補から外す。
確か陣馬山は、駐車場から少し歩いたはず。重い赤道儀は
止めて、経緯台の114mm反射は決まり。TL-750は、どの程度
見えるか山でも使って見たかったので、これも持って行く。
TL-750の付属のキャリングケースに反射鏡筒と三脚、750の
三脚と詰めたら丁度良いサイズ。でも取っ手を持って持ち上げ
たら『ビリビリ!』って袋が破れてしまった。
う~ん、付属品じゃ、750の3kg分の強度しかなかったか。
結局、適当な袋が無くて、反射のセットを、破れた袋に
詰めて、750のセットは登山リュックから三脚をはみ出さ
せた形で詰めた。
くっしーの車は、ダートラ参戦時代に使っていた、C83Aミラージュ4WD。
↓2名乗車のダートラ仕様なのでリアシートもトランクの内張も無い。
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バスマット2枚をリアシートの有った位置にしいて望遠鏡セットを乗せ
ゴム紐で固定していざ出陣。
準備に手間取り3時出発が4時近くになったので、高速を
使って八王子へ。高速を降りて、陣馬街道へ入る。
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陣馬山への道は、昔KP61時代に、家内と良く林道を探しに
来た事が有る。たぶん子供が出来る前の頃の話だから20年
以上前の話だけど。
懐かしい風景を見ながら、峠道も昔と違って、ゆっくり
望遠鏡に衝撃を与え無い様に和田峠の駐車場まで登る。
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↑和田峠の駐車場に着いた時には5時を過ぎて、もう真っ暗。
反射セットを私が担いで、家内にリュックのTL-750セットを
背負って貰い頂上へ登る。
登り口は、『階段15分』
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と『平坦路25~30分』
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の2本の道があった。30分も歩くのは嫌なので階段の直登ルートで
登る。真っ暗な中での山道は結構大変。実は今日は多少
心臓の調子が悪いのか、すぐ息が上がって疲れる。
↓急な階段
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700mの道を足を滑らしながら5回位休憩しつつ、やっと頂上。
(後で調べたら、駐車場から山頂までの高低差は150mも有った!)
360度全方位、高度5度以上が見える!自宅では全然見えない
天頂の秋の四辺形も凄く綺麗!さすが山!!
でも東の空は都心の光害でちょっと明るくて残念。
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↑昼間の陣馬山山頂
一休みしてから、望遠鏡を組み立てる。が組み上がった
頃には、昼間あんなに晴れてた空に雲が少し出てきた。
取りあえず、家内にプレアデス星団と、ヒアデス星団を
見せた頃には、かなりの雲面積に成ってきた。南の空の
おなじみの木星と、その下のフォーマルハウト位しか見え
なくなってくる。
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せっかく山に来たのだから、自宅で見られない暗い星雲星団が
見たかったが、お天気にはかなわない。
取りあえずいつもの木星に向けてみると、自宅で見るより
かなり縞模様が鮮明!!『ほうほう!やっぱり山の上は、
いつもの木星もひと味違うのね!』
TL-750でも見てもいつもより綺麗に見える。
しかし、天気は更に曇って、木星すら雲に隠れる程に成っ
てきた。しばらく様子を見ていたが、なかなか晴れそうに
無い。時計も8時近くに成ったので、今日は諦めて撤収する。
装備をまとめて下りるのだが、家内が滑るから『平坦路25~
30分』の方から帰りたいと言う。通った事がない道だが、
『和田2.4km』と書かれた案内板も有るので、そちらに
向かって下りて行く事にした。
下り初めて、平坦路と言う割に、上りの時と変わらない
急坂に文句を言いながら下る。下りながらずっと南の木星が
見えている。確か登り口は北東位が見えていた様な気が
するから、ここからぐるっと回り込む形に成るのか?
結構、遠いな、、、、↓南の空の木星
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途中で『和田1.8km』の看板で一休み。30分の道も
結局荷物を担いでいるから、休み休みに成る。
こりゃ時間が掛かるなと家内に文句をブツブツ言いながら
続きを下る。
相変わらず木星が見えていて、いつになったら北側へ
回り込むのかと不安に成りながら更に下る。
こちらの道も結構滑りやすく、結局こっちも滑るから
700mの道と大して変わらないね!とまたまた家内に
ぼやきながら更に下る。
結局途中4回位休憩しながら延々50分位下ると、やっと
『和田0.4km』の看板。下に明かりもチラホラ見えてきた。
いや~良かった。もう少しで駐車場だよ!と思いながら
更に下る。右手にお墓らしき物もある。不気味~と思い
ながら下の光を目指して下りる。
だいぶ街灯が近くなって来た所で良く見ると何やら、
街灯の周りに有る建物は、駐車場の茶屋ではなくて、
普通の民家!!!
来た道を振り返ると、『陣馬山50分』の看板↓
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えっ!!!あちゃ~!こりゃ、駐車場所じゃなくて、はるか
下まで下りて来ちゃったよ~!
昔、良くこの峠を神奈川側から通った記憶を思い起こすと
確か、民家のあるのは峠道の下から1/4位までで、後は
民家は全然なかったはず!
と言う事は、もう一度、下から峠を延々登って駐車場まで
行かなきゃなのだ!!!!
やってしまった!下りる道を間違えて、神奈川のふもと近く
まで下りてしまった。駐車場に車があるから、そこまで
行かないと自宅まで帰れない。荷物をおいて、一人で登って
車を取ってくるか?タクシーを呼んで峠の上まで乗って
いくか?
取りあえず、電気の点いている民家で場所の確認を
しようとすぐ目の前の民家↓の呼び鈴を押した。
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若いお母さんと私より10才位年上の比較的若いおじいさんが
出てきて、場所は私の予想した通りの神奈川側の峠の下の方で
有る事が判明。
『ふ~、参ったな』と思っていると、民家の方が『この
暗い中、登るのは大変だろうから』と親切にも車で駐車場
まで乗せて行ってくれると有り難いお言葉!
いや~!民家のおじいさんと若いお母さんに後光がさして
いるようだ!
民家の方のご親切に、有り難く甘えて、車で駐車場まで
乗せて行って貰う。
車で登っていっても、結構時間が掛かった。こんな距離を
歩いて登った日にゃ、明日疲れてまともに仕事に行けそうも
ない距離であった。本当に親切な人達で良かった。
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↑無事に車のある駐車場に帰り着く
駐車場について、若いお母さんに丁寧にお礼を言って、
やっと帰り支度。望遠鏡を車に積み込んで、どうにか帰路に
就く。駐車場まで乗せて貰ったおかげで、途中晩ご飯を
食べても何とか12時頃には帰宅できた。
いや~!曇りで、あんまり星は見れなかったし、道を間違えて
夜の山道を延々歩いたりでさんざんな遠征であった。
教訓『車から降りて歩く観望スポットはもう止めよう!』
どなたか、東京で手頃な観望スポットを初心者のくっしーに
教えて下さい~!
それにしても、あ~!疲れた!
2010 12 05 (2011.1.16 Upload)