出張先の尾道から帰って直ぐ支度して、近場で一番雲の少なそうな臼田へ今年二回目の遠征に行ってきました。
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【↑南東に昇り始めたからす座と撮影機材】
この日は、6時半頃に自宅を出て、現地に8時前に到着。月が沈むまでに約3時間有るので、コリメート撮影と星野撮影の準備を同時に進めて、11時頃にほぼスタンバイOK。
コリメートは、今日は7cm鏡筒で大きめの対象を撮影。しかし、1時間もしないうちに、レンズに霜が降りて点々と氷滴が付く!レンズ周りには一応ヒータを巻いてあるのだが、レンズセルまでの熱伝導が悪く、またレンズフードも短いのが災いしているようだ。
思わず傷つくと思いながらも、軽くウエスで拭き取る。しばらくそれで使っていたが、ふっと思いたって、レンズクリーナー液とレンズペーパーを出してレンズを清掃しようと思った。
、、、が、これが運の尽き!
クリーナー液を掛けたとたんにレンズの上で凍り付いて、ペーパーで拭ける代物では無くなってしまった(汗)
これはいかん!と思った物の、後の祭り。今撮ってる対象は、ここまでで、あきらめて鏡筒を13cmに入れ替える羽目に、、、、
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この日の気温は、到着時で氷点下13度、夜中には氷点下15度まで下がっていた!
と言う事で、途中から13cm反射での撮影に強制的に切り替えざるを得なくなってしまった。
この日は、カタリナ彗星がM101回転花火銀河にかなり近づくらしかったので、広画角で同一視野に納めたかったのだが、今日は無理っぽい。
しかしながら、もう一天体を撮影して、3時をすぎた所で雲がわき出てきた。
なんとか、彗星を写すべく、北斗七星の柄杓の柄の先っぽ、アルカイドに鏡筒を向けてピントを再調整したところで、本格的に曇りだしてきた。薄明までに残り2時間を切ってしまっている。
しばらく車に入ったり出たりして寒さをしのぎながら、再び晴れるのを待つ。
あんまり寒いので、4時半までに晴れなかったら諦めて撤収しようと思っていたら、4時20分頃に再び晴れてきた。アルカイドから、ツルぷらフリーで彗星の座標を入力するが、何度やっても彗星が入ってこない。
おかしい?試しにステラリウムの座標を入れてみるが、これでも駄目。何が悪いのか判らない!
時計はどんどん周り、5時が近づいてくる。もう駄目だと、諦めてせめて眼視しようと、カメラを外して、ファインダーで探すが、良く判らない。アルカイドから、適当に鏡筒を振ってみると、なにやら銀河が見える。う~ん?これはM101かと思いつつよく見るとなにやら芯が二つある。ファインダーから全体の位置を確認すると、これはどうもM51だな。
実は、追尾時のスリップ対策で、赤経軸はクラッチをつけていないので、赤経・赤緯ともクランプをフリーにして手で適当に鏡筒を振っているので、あんまり系統立って探索が出来ないのだ。
再びアルカイドから、さっきのM51が見えた方とは反対側を探す。またまたなにやら銀河のような物が見える。今度はM101かな?
と思うのだが、どうも微妙に形がおかしいような??試しにカメラを取り付けて、1分ぐらい露光してみると、なんとカタリナ彗星だった。
20mm36倍の低倍率なのに、こんなに大きく見えているのか、、、、
慌てて、撮影を始めたが、いかん!仮取り付けなのでピントが合ってない!大あわてで、ピントを再調整。と言ってもバーティノフマスクを付けられるほど明るい星が画角中に見えないので、見えている星を使って背面液晶だけでピント合わせ。
薄明まで残り9分の所で撮影開始。薄明が始まってからも画面に影響が出始めるまで撮影して、ぎりぎり使えたのが5枚。
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【↑C2013US10 カタリナ彗星】
Vixen SM-R125S/D:130 f:720 UW20mm 36倍 GPD赤道儀+HAL110+SS2
コリメート法 PowerShotS90+CHDK ISO:3200 F:2.0 f=6mm S:128秒x5枚
Noise減算:On 撮影場所:長野県臼田 撮影日:2016/1/17 05:19~41
Registaxでコンポジット、Flataideでフラット補正、
GIMPで回転、トーン、サイズ調整
太いダストテールと細いイオンテールは健在のようであるが、画角が稼げなかったので、M101との競演も、長くのびていそうなイオンテールも完全にはとらえきれなかった。これならカメラレンズで撮るべきだったか?
2016.1.16-17(1/18)