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「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」

「朝鮮学校ええじゃないか! すべての子どもたちに学ぶ権利を!」に参加してきました

2013-05-21 | 北朝鮮バッシングに抗して

 5月20日、東成区民センターで開催された「朝鮮学校ええじゃないか! すべての子どもたちに学ぶ権利を!」に参加してきました。
  会館の大ホールがほぼ満席の状態で、参加者の熱い熱気が感じられました。

 最初はコマプレスのドキュメンタリー映画『60万回のトライ』(仮題)の予告編が10分ほど上映されました。大阪朝鮮高校のラグビー部を取材した映画で、試合にかける意気込みが感じられました。部活動だけでなく、高校授業料「無償化」からの排除との闘いや、ありのままの学校生活の様子など、会場からは時に笑いが飛び出していました。この秋には公開予定だということで、ぜひ見に行きたいと思いました。
 
 次に、朝鮮高校声楽部の生徒たちとオモニコーラス<郷音>(ヒャンウム)により、「ウリハッキョヌンウリコヒャンイダ(私たちの学校が私たちの故郷だ)」が歌われました。美しい女性合唱が会場に響き渡りました。
 それから、東大阪朝鮮中級学校の放送口演部による詩の朗読がありました。「私たちにあるもの」という詩の一節に思わず心が痛みました。

「私たちにあるものは
 ないはずの差別である
 私たちにないものは
 あるはずの権利である」

 4月末から5月にかけて国内と国外で二つの大きな活動がありました。
 まずは4月25日におこなわれた文部科学省への要請と院内集会について大阪朝鮮高級学校オモニ会の会長から報告がありました。近畿の「オモニ会」から6名の代表が東京に行き、文部科学省に「無償化」の適用を訴えましたが、文科省はあくまでも事務的な処理に終始し、朝鮮学校差別が国の政策としておこなわれていることにあらためて憤りを感じたと話されていました。その後、全国のオモニ会の保護者たち、関係団体、国会議員ら180名が参加する院内集会に参加しました。

 院内集会で群馬朝鮮初中級学校オモニたちは抗議文を出しました。この群馬のオモニ会は「ウリクム ウリマウム(私たちの夢 私たちの心)プロジェクト」を立ち上げたグループです。そのプロジェクトの一つとして全国で折り鶴を折るという活動がおこなわれました。その鶴の意味が、抗議文にこう書かれてあります。
「そう、この鶴たちは、裁判にまでなり、矢面に立たされている子供達が、どうかこれ以上傷つきませんように…、法的に手厚く保護され、守られなくてはいけない子供達が政治的なことでこれ以上傷つきませんように…
 そんな皆の祈りにも近い願いが込められた鶴たちなのです。」
「日本政府が公開差別を嬉々として行っている間も、心ない人々が子供達に罵詈雑言を有頂天にまくし立ててる間も、私達は鶴に託されたみんなの思いを紡いでいるでしょう。
 一羽一羽ははかなくとも一本の糸に紡がれた鶴たちは逞しく生まれ変わり、世界を飛び回る日が来るまで、粛々と紡いでいるでしょう。」
 このプロジェクトで集まった折り鶴は総勢4万羽になり、そのうち1万5千羽が海を越えてジュネーヴへと飛び立ちました。

 ジュネーヴでの活動については大阪府オモニ連絡会の会長が報告を行いました。
 4月30日に、ジュネーヴの国連人権弁務官事務所で「第50会期社会権規約委員日本政府報告書審査」がおこなわれ、そこに5人のオモニが参加しました。4月28日にジュネーヴに到着し、4月29日にNGOの会議で朝鮮学校の差別の実態を訴えました。
 4月30日の本会議では、最初は会場の隅に席を与えられていたのですが、スタッフに前の方の席に移るように指示され、日本代表のすぐそばに陣取ることができました。チマチョゴリを着た5人の女性を見て、日本代表は驚きを隠すことができない様子だったそうです。
 日本は社会権規約を1979年に批准したにもかかわらず、その第13条(中等教育、高等教育に無償化を導入することを促す)を長きにわたり留保していました。しかし、2010年4月から「高校無償化」制度を実施し、2012年9月にはその留保を撤回したことで、委員の間では教育の権利に関する日本の取り組みに大きな関心が集まっていました。
 審査委員からは、なぜ朝鮮学校だけ「無償化」から排除するのかといった質問が相次ぎましたが、日本政府代表団は、政治的な理由による朝鮮学校排除の正当化に終始しました。しかし、これはまったく筋違いの答弁です。政治的な理由で子どもの学ぶ権利を奪うことはできないのですから。傍聴席に陣取る日本や国際NGOの代表からは「悪質だ」、「朝鮮高校生徒に対する明白な差別」「日本政府は国内世論しか見ていないのではないか」と非難の声が上がりました。
 4月30日は日本でも全国各地で朝鮮学校への「無償化」を求める行動が行われましたが、ジュネーヴのオモニ達も「国連前朝鮮学校ええじゃないかパレード」と称し、5人で横断幕を広げ、折り鶴を持って示威行動をおこないました。道行く人たちから共感と励ましの言葉がかけられたということでした。

 ついで、弁護士の方から、朝鮮学校がかかえている裁判についての報告がありました。これは、この日の午前中にも裁判の法廷がありましたので、その傍聴の報告と併せて別途報告したいと思います。

 それから、「朝鮮高級学校無償化を求める連絡会・大阪」の事務局長、大阪朝鮮学校3年生の女生徒、そして大阪府下10校の朝鮮学校オモニ会の代表10人のオモニたちからのアピールがありました。
 昨年6月に発足したホンギルドン基金はこの1年足らずの間で1100万円を集めました。昨年夏には800万円、今回は300万円が大阪朝鮮学園に贈呈されました。また、「ウリクム ウリマウム プロジェクト」から、ジュネーヴへの派遣費用として集めたカンパの残り46万円が裁判費用として弁護士に手渡されました。
 最後に、集会アピールが城北ウリハッキョを支える会の方から朗読され、会場の大きな拍手で承認され、続けて集会の初めに歌われた「ウリハッキョヌンウリコヒャンイダ」を全員で合唱して、会を締めくくりました。
 歌の力、詩の力、そして事実の力で、取り組みを強めていく新たな気持ちがわいてくる集会でした。(鈴)


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