[加計学園問題]
疑惑究明の集中審議に応じよ!
前川前事務次官ら関係者の証人喚問を行え!
安倍首相は自らの責任を明らかにせよ!
6月20日、文科省は加計学園問題について、新たな文書を明らかにした。共有フォルダに保存されていた。19日にNHKクローズアップ現代+で報じ、公表を迫られたものだ。
※波紋広がる“特区選定” ~独占入手 加計学園“新文書”~(NHK)
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3993/
※加計学園問題 逃げ切りを許すな! 「お友達は優遇」「邪魔者は排除」 厚顔の安倍官邸に異議あり(毎日新聞)
https://mainichi.jp/sunday/articles/20170619/org/00m/010/002000d?inb=ys
文書は「10/21 萩生田副長官ご発言概要」の表題。首相の側近中の側近である萩生田光一副官房長官が文科省に対して「総理は「平成30年4月開学」とおしりを切っていた」「工期は24ヶ月」「官邸は絶対やると言っている」などと総理と官邸の意図を明確にした。さらに「文科省だけが怖じ気づいている」「何が問題なのか、書き出してほしい」「渡辺加計学園事務局長を浅野課長のところへいかせる」と恫喝めいたことまで言っている。
これまで明らかになった「総理のご意向」「官邸の最高レベル」などのぼかした表現とは違う。明確に総理が開学時期や工期を指示し、加計学園の獣医学科を作らせる決意を示した文書である。渋る文科省に対する官邸のいらだちさえ伝わる。
萩生田氏はすでに6月15日に公表された文書において、獣医学部新設が加計学園に絞り込まれるよう「獣医師系養成大学等のない地域において獣医学部の新設を可能とする」の文言に手書きで付け加え、「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とする」(11月1日)に変えるよう指示した人物とされている(藤原豊内閣府審議官の発言)。
萩生田氏はこれらの事実について「修正を指示したことはない」「私の名前が省内の調整の為に勝手に使われていた」などと弁明しているが全く信用できない。ここまでの物的証拠を突きつけられてシラをきることなど許されない。
「文書は不正確」などとして葬ろうとする政府に対して、行政の専門家は「紛れもない行政文書である」「政治家のことばを官僚は明確に記録するので、不確かな情報が入ることはない」などとと口をそろえて言う。
文書を真正面から認め、事実関係を究明すべきだ。
※萩生田氏は、内閣官房副長官であり、加計学園が運営する「千葉科学大学」の客員教授でもある。萩生田氏は、安倍首相と加計氏が親密であることを知っているかと問われて「最近、盛んに報道されているから承知している」と答えたが、2013年5月の自身のブログで、首相と加計氏と萩生田氏の三人がバーベキューをして談笑している写真が掲載されている。
http://blog.livedoor.jp/hagiuda1/archives/2013-05.html
安倍首相 加計孝太郎氏 萩生田光一氏
今回公表された文書は、文科省の認可決定において転換点となったといえる重要な文書だ。頻繁に安倍首相と加計氏が会食とゴルフを行っていた。加計学園を認可したいという官邸の意向を和泉首相補佐官や萩生田官房副長官が文科省サイドに再三伝えていた。それでも渋る文科省に対して一喝を加えたものと捉えられる。10/21の文書以降事態は実務的に進む。規制緩和が発表されるのはその日からわずか20日後である。
(前後の流れ)
2016年
7月21日、22日 安倍首相と加計氏らが会食とゴルフ
8月10日、11日 安倍首相と加計氏らが会食とゴルフ
9月5日 和泉首相補佐官が前川次官に「総理のかわりに言う」と手続きを急ぐよう要請
9月26日 「官邸の最高レベル」「総理のご意向」の文書(表題「藤原内閣府審議官との打合せ概要(獣医学部新設)」
10月2日 安倍首相と加計氏らが会食
10月17日 和泉補佐官が前川氏に「早く結論を」と要請
10月21日 萩生田氏が「総理は「平成30年4月開学」とおしりを切っていた」「官邸は絶対やると言っている」などと発言した文書(「10/21 萩生田副長官ご発言概要」)
11月1日 メール送信「広域的」「限って」を付け加えた文書をメール
11月9日 規制緩和発表。「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とする」
12月22日 国家戦略特区の獣医学部設置について特命・文科・農水の3大臣合意
12月24日 安倍首相夫妻と加計氏が会食
「加計学園問題」は、安倍首相が権力行使して、「腹心の友」と言う旧来の親友加計孝太郎氏に便宜を図った事件だ。無償土地提供と補助金を合わせて140億円近くの利益を供与、他大学(京都産業大学)排除を画策した上で、文科省に恫喝をかけて約50年ぶりの獣医学科新設を認めさせた。国家権力の私物化・権力犯罪である。
萩生田氏は内閣官房副長官であるとともに自由民主党総裁特別補佐である。首相としても自民党総裁としても側近中の側近である。同時に萩生田氏は千葉科学大学の名誉客員教授でもある。ちなみに前川前事務次官に要請したとされる内閣官房参与の木曽功氏は加計学園理事である。官邸と加計学園は人的に融合している。官邸・内閣官房自身が「加計学園」の利害関係者に他ならない。
安倍首相の太鼓持ちの自称ジャーナリスト山口敬之の昏睡レイプ事件疑惑を不起訴にしたのは、安倍総理の側近である北村内閣情報官と、かつて官房長官の秘書官でもあった中村格警視庁刑事部長(当時、現警察庁刑事局組織犯罪対策部長)であった。被害者の詩織さんは検察審査会に審査を申し立てている。
※安倍一強支配へ怒り!!安倍首相を絶賛すれば、昏睡レイプでも不起訴なのか!?(リブインピース)
http://blog.goo.ne.jp/liveinpeace_925/e/ec7ef040e7d40edcc968d98dbd1a7917
安倍首相が絶賛する「安倍晋三記念小学校」を異例に厚遇し、土地代8億円値引き=実質タダ、昭恵夫人名誉校長就任、安倍首相からの100万円の贈与などを行った「森友学園問題」の真相も闇の中である。
「お友達」への利益供与は氷山の一角である。
安倍首相は19日に「今後何か指摘があればその都度真摯に説明責任を果たして参ります」とのべている。まだ一切説明していない。側近中の側近が行った行動を何も知らないはずがない。事実を解明するのは安倍首相の責任だ。加計氏と萩生田氏と安倍首相、プライベートでゴルフやバーベキューをする中である。特に獣医学科新設が焦点になった2016年夏、首相と加計氏は頻繁に会食やゴルフをしている。加計氏が数十年のつきあいの親友であれば、萩生田氏を東京都議から衆院議員への転身(2003年)を勧めたのは他ならぬ安倍首相自身だ。疑惑の中心は安倍首相自身だ。
野党は、閉会中の集中審議を要求している。要求に応じない場合は、臨時国会の招集も視野に入れる。
政府与党は、安倍疑惑の徹底究明のため集中審議に応じるべきだ。
(ハンマー)