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「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」

『私の中のあなた』

2009-10-24 | 脳死臓器移植問題
 11歳のアナは姉のドナーになるべく「作られた」少女です。
 彼女の姉ケイトは2歳の時に白血病になり、彼女の両親も兄も白血球の型が一致せず、治療は絶望的と思われていました。しかし、そこで医者がささやきました。「表向きにはできない話ですが…」と。こうして、ケイトの白血球の型と一致する遺伝子情報をもつ受精卵が試験管の中で生み出され、アナは生まれてきました。
 このアナがある日、敏腕で知られる弁護士の所を訪れ、病気の姉のためにこれまでに何度も血を採られ手術を受けさせられてきたのだが、今度は腎臓の移植までを強いる両親を訴えたいと言ってきたのです。「自分の身体は自分で守りたい」と。

 『私の中のあなた』公式サイトで、ここまでの話を読んだ時、私はアナの家族に対する恨みや憎しみが彼女を両親を訴えるという行動に駆り立てているのだろうかと思いました。しかし、実際に映画を見てみると、そうではないことがわかりました。彼女の原動力は愛だったのです。
 愛はこの登場人物の全ての行動を支配する力です。アナもケイトも両親も兄のジェシーも叔母もみな家族を愛しています。憎みあっている人々はいません。しかしながら、愛は束縛に転化することがあります。この映画を見て一番強く感じたのは、親の子どもに対する束縛の力がいかに強力なものであるのかということです。それが愛という形を取ったときにはとりわけそうです。子どもが自分より先に死んでしまうなどということは、親にとっては最も受け入れがたいことです。子どもの命のためにはどんなことだってします。そんな親の思いに逆らうことは誰にもできそうにありません。しかし、アナはあえてそれに逆らい、訴訟をその手段としたのです。どうしてアナはそこまでして親に逆らったのでしょうか。それは映画を見てのお楽しみに…。
 
(鈴)

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