大阪市の橋下徹市長が、市議会本会議場で壇上に並ぶ局長級の幹部らに対し、議場での着席時や答弁に立つ際に、国旗への敬礼を徹底するよう指示したことが読売新聞で報じられています。市長は昨年6月に大阪府で成立したのと同様の「君が代」起立強制条例案を2月議会に提出しようとしており、提出前から幹部に「範」を示させようというのです。
報道によると、橋下市長は今月中旬、「議場における国旗への礼」というタイトルで幹部らにメールを送信し、
「議場の席に着く時には国旗に礼をしてください」
「答弁に立つときだけではなく、席につくときに1段あがるときにも」
「休憩後も」
などと、敬礼の仕方を細かく指示を出したといいます。
おそるべき時代錯誤と言わざるを得ません。開始、着席、答弁、休憩後と、何かをするごとに「国旗への敬礼」が要求されるとは、たえず自分が「臣民」であることを行動で示し続けなければならないかのようです。
今回は「局長級の幹部」にとどまっていますが、次は「日の丸」が掲げられている庁舎にいる全職員、さらには府庁舎や市庁舎に入る一般市民へと「敬礼強制」が拡大するのではないかという危惧さえ抱かせます。
「日の丸」を背景に威圧的に壇上に立つ橋下市長の写真が掲載されています。
天皇の写真=「ご真影」に対して最敬礼を強制された戦前を想起させる危険な動きです。
※議場では国旗に敬礼、大阪市長が幹部らに指示(読売新聞)
「席に着く時」「答弁に立つ時」「休憩後も」
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120122-OYO1T00187.htm
写真 市議会で演説する橋下市長(中央)。後ろには国旗が掲揚されている(昨年12月)
http://osaka.yomiuri.co.jp/photo/20120122-613438-1-L.jpg
(ハンマー)
一人一人の人権を尊重しようというこの時代に、市長という立場から部下にこのような命令を出すなんて、「本気で言ってんの?」と言いたくなるような思いです。