LiveInPeace☆9+25

「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」

グールドから、またまたエンゲルスへ~姿勢がヒトを作った

2009-10-13 | 脳死臓器移植問題
この記事で書いた、「サルが人間になるにあたっての労働の役割」というエンゲルスの論文については、http://blog.goo.ne.jp/liveinpeace_925/e/4c6726c27d136d52124b0f581b3579ae
これ以降もずっと私の頭の中で、ますます大きな位置を占め、この話題で私の脳みそが占拠されつつある。

先日友人から、スティーブン・グールドが書いた「ダーウィン以来」という本を紹介された。ここでもエンゲルスの
人間が二足歩行を始め、手足が自由になりその手足が労働することから、脳が発達していったという論文が紹介され、実際の考古学的な見地にも触れられている。
ダーウィンの進化論に立ち返って、そしてエンゲルスのこの説をもう一度考えていく途中に、化石での証明というところにまで辿り着いた。かつて、脳が身体を支配しているのだということを証明しようとした人々が、現在の人間の脳とチンパンジーの化石を使って、脳が発達したサルの化石を発見したとするねつ造の事実まであったのだと知って、ますますエンゲルスの指摘の重要性を思い知らされた。

このようなことを考え巡らしているところに、つい最近、こんな発見があったことを知る。
◆世界最古の全身骨格、440万年前のラミダス猿人発見、身長120センチの女性(2009年10月02日 19:40更新)
http://www.zaikei.co.jp/article.html#40591
このニュースによると、400万年前の最古の女性の全身の化石を発見し、その特徴として、脳の容量はチンパンジーと同等の300グラム程度で、二足歩行に適した骨盤の形、そして二足歩行には非効率な土踏まずのない足を併せ持つという。二足歩行もするが木登りもするという生活をしていたと考えられる化石。まさしく、二足歩行を始めた頃の人間ではないか。

そして、これこそまさに、ダーウィンとエンゲルスの説の証明であり、脳が中心的な役割をする臓器ではなく、二足歩行によって結果的に脳が発達するという経過を辿ったことを明らかにするものだ。

「脳死は人の死ではない」という確信から、最古の人類の化石にまでつながっていく。
そして最古の人類の化石が、絶妙のタイミングで発見され、何故か私たちに多くのことを教えてくれようと今、顕れたのではないかという気がしてきた。

さらには、臓器移植や遺伝子操作による人間の誕生などについて、どう考えるのかを問うような、実話に基づいた映画が上映中である。
「わたしのなかのあなた」

脳死法案改悪に反対というところから、エンゲルス~ダーウィンとつながり、そしてグールドに出会い、そこからまたエンゲルスに舞い戻り、そしてつい先日、この映画「わたしのなかのあなた」とエチオピアの最古の女性の骨格発見のニュースに出会うという、何か不思議でもあり、私に大きな勇気を与えてくれる、つながりの「輪」。


── By あゆむ



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3 コメント

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Unknown (ウナイ)
2009-10-13 20:19:28
ちなみにこの話は、ソウル・フラワー・ユニオンの歌『ルーシーの子どもたち』にもつながってます。
http://www.breast.co.jp/soulflower/special/lucy-s_children/

今回440万年前のラミダス猿人(「アルディ」と名づけられた)が発見される前、最古とされていたのは、1974年にエチオピアで発見された約350万年前の化石人骨。それに付けられた名前が「ルーシー」。

中川敬は、Twitterで、こうつぶやいてる。
「発見がもう半年早かったら、「ルーシーの子どもたち」は「アルディの子どもたち」になっていた…。」
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Unknown ()
2009-10-16 08:47:25
興味深い指摘です。
紹介されている映画もぜひ見に行ってみたいと想いました。
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すこし訂正 (ハンマー)
2009-10-18 09:41:19
「現在の人間の脳とチンパンジーの化石を使って」
 ここは不正確でした。正しくは、「現在のヒトの頭蓋骨とオランウータンのアゴのの骨を組み合わせて」でした。当時、もともと人間の脳は大きかったのか、歩行と手の発達が脳の肥大化をもたらしたのかという大論争があったようです。なぜこのようなねつ造がやられたのかというと、元々ヒトの脳が大きかったとすれば、人間は他の動物とは違い、思考し心を持つ特別な存在だということになりますが、歩行と手の発達が先ということになれば、生物界の進化の中で出現した動物の一種だということになってしまうからでしょう。つまり進化論を否定し、創造説を証明するためにやられたのです。
 また、脳は決定的に重要な一器官であることは否定されるべきではありませんが、それでも、生体としてのヒトの統一的な運動と生命をつかさどる一器官でしかないということになると思います。
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