残虐非道の米トランプ政権! (その1)
コロナ禍の真っただ中で
キューバ、ベネズエラ、イランへの 戦争挑発、経済制裁・封鎖を強化
新型コロナウィルス感染症(COVID-19)が世界中に広がり続けている中で、あろうことか、米トランプ政権は自国に逆らうキューバ、ベネズエラ、イランなどに対する戦争挑発を行い、経済・制裁封鎖を一段と強化している。
トランプは度重なるキューバやベネズエラへの脅迫、圧力をさらにエスカレートさせ、4月1日には、米海軍をベネズエラに向けて配備すると発表した。なんとCOVID-19の記者会見の場においてである。何の根拠も証拠もない麻薬取引をでっち上げての軍事行動。この露骨な戦争挑発の目的は、自国のコロナ感染爆発から国民の注意をそらし、コロナ禍をマドゥーロ政権の転覆に利用することである。己の失政を隠し責任転嫁し、世界覇権を維持するためなら何でもありなのだ。
現在、米国の経済制裁下にあるのは39か国以上、世界人口の3分の1以上にも達している。これら反米諸国に対する米国の封鎖の狙いは、経済を破壊し、人民生活を困難に陥れ、クーデターや政権転覆を促進することだ。国際法にも明らかに違反する非人道的な経済制裁・封鎖は、現在のコロナショック以前から、人民の困窮と多数の死者をもたらしてきた。
経済封鎖下の国々では、医薬品、検査器具、ウイルス情報へのアクセスなどが制限されている。そうなれば疾病の発生と流行への対応能力が大幅に制約される。米国の経済封鎖は、意図的にコロナの拡大の下で医療崩壊をもたらすことを狙っている。
制裁・封鎖の主要なターゲットは、キューバ、ベネズエラ、イラン、北朝鮮、シリア、ジンバブエなどである。また、かつてのイラクやリビアなども含まれる。これらの諸国は、革命や社会変革によって人民生活を大きく改善し、医療の国有化・無償化を含め、さまざまな改革をおこなった。それらの改革は、ほとんどが資本主義的企業の利潤獲得をなくしあるいは大きく妨げる。米国による制裁・封鎖は、そうした改革の成果を一貫して掘り崩そうとしてきた。
米国は2017年以降、とりわけベネズエラに苛烈な制裁を科し、電力供給をストップさせるなど国民生活全般への破壊工作を執拗に繰り返し、クーデター策動を主導してきた。ベネズエラ中央銀行をブラックリストに登録し、ベネズエラの国家機関に対する全般的な禁輸措置を講じた。それは、ベネズエラの公共部門と取引する企業はすべて二次制裁に直面する可能性があるということを意味する。
イランには、2018年に経済を窒息させるような新たな制裁を課した。世界の銀行システムへのアクセス制限と、イランと取引した企業への二次制裁は、イランが世界とビジネスをすることをほとんど不可能にした。
両国とも最大の外貨収入は石油である。石油決済はドルで行われ、ドル決済は貿易国同士の銀行を通じて行われる。さらに貿易相手国に二次制裁が課せられると、両国から石油を輸入する世界中の国々は躊躇(ちゅうちょ)せざるをえない。石油収入がなくなると国家財政が窮迫する。それは国有・国営である両国の医療制度を直撃し、医療機器や医薬品などが不足する。医師や看護師など医療従事者への給与を支払えなくなり、医療機関の維持自体が困難になる。また、世界保健機関(WHO)は、ベネズエラとイランへの医薬品輸送で大きく貢献してきたが、輸送機関への米国の締めつけによって多くの航空会社と海運会社がイランとベネズエラへの輸送を停止した。コロナ感染の抑止、感染爆発への対応ができなくなるのである。(H/N) (つづく)