
緊急シンポジウム“日韓政府間「合意」で解決になるのか!?”
初めに、3人の研究者による発言がありました。
金昌禄(キムチャンノク)さん(慶北大学法学専門大学院教授)―政府間「合意」の問題点は何か
阿部浩己(あべこうき)さん(神奈川大学大学院教授)― 国際的基準に照らして「合意」を読み解く
李娜榮(イナヨン)さん(中央大学社会学科教授(韓国))― 韓国で広がる「合意」反対運動の現状
イナヨンさんから「今回の日韓政府韓談合は性暴力事件で行為事実の心からのお詫びがなく、再発防止を何も約束しないもとで受け入れろと強要しているものです。
もし自分が被害者だったらどうですか?
法的責任は終わったと再び植民地化しようとしているのです。」
そのあとの質疑応答の発言中心に報告します。
キムチャンノクさん
「憲法裁判所の前に戻った違憲状態に戻ったといいます。法律家として何かしなければとは思います。
両外相の声明が両方違うものです。
電話会談で、安倍首相が何を発言して朴槿恵大統領が何を言ったのか確認する必要があります。
韓国の裁判所で日本政府に対して補償をもとめる裁判。正式な裁判になって審議が始まったばかり。
この声明は曖昧なもの。外務省でも質問したが、政府同士の話が違う。そこを確認したうえで動いていこうと思います」
阿部浩己さん
「今後20年後被害者が一人もいなくなったら後世に政府に要求する人は可能かという質問ですが、可能です。国際的に例があります。アメリカの奴隷の問題では、16世紀17世紀、カリブ、アフリカ、植民地支配に対する責任も問われましたし、イギリスのケニアでの拷問の被害もそうです。歴史的不正義は是正しない限り永遠に続くのです。」
イナヨンさん
「被害者が合意を受け入れたという報道があることについて。
昨日(2/4)外交省が記者発表しました。国内にいる18人に会って説明したというのです。すでに意志を公表していたり、意思疎通できなかったり、身分が明らかになるのが嫌な被害者以外にあたったそうです。そのうち14人肯定的4人否定的だといいます。しかし被害者本人が意思表明したのは3人だけ。それ以外は保護者・家族経由の意思表明です。本人が意思表明した3人のうち1人は「私は絶対許すことは出来ない」とおっしゃった。だとしたら当事者では2人しか「合意」に肯定的な見方を示したというのが真実です。」
「朝日新聞で反対広がらずという記事は本当かということですが、事実と異なります。12月末から毎回水曜デモ参加しているが1000回目の水曜デモ(平和の脾除幕式)と同じ雰囲気を毎回経験しています。正義記憶財団に平凡な市民が寄付しています。韓国政府に対する抵抗運動の意味合いがあるのです。政権打倒の意味もあるので、簡単にこの運動の火は消えません。」
イナヨンさん
「国連事務総長の歓迎発言について。本人が事務総長の地位というのを忘れて国内の保守層で返り咲こうとした発言です。自ら事務総長の資格がないと暴露したようなもの」
「帝国の慰安婦について。学術的な水準はないと考えます。たくさんの歴史的な事実に反し特定の個人が話したものを亡くなってから公開したのです、しかも許可も得ずにです。研究者と呼べません。そのような誤りを隠すために、帝国主義とか言葉を使っています。それが問題です。安倍首相が人身売買だとこの問題の話をしたが、朴裕河氏の業者が連れて行ったというのが類似しています。ナヌムの家の被害者が出版物による名誉棄損で起訴しました。韓国では今回の起訴で朴裕河氏は有名になりましたが、日本のほうでは以前から知られていて、立派な賞もとっています。擁護する研究者は日韓ともにいて養護する声明も出されています。それが問題だと日本軍「慰安婦」研究会を発足しました。知識人の責任を別に考えなければならないからです。私たちは個人同士が事実と違ったら、それに対応しようとします。ところが知識人は表現の自由ということで侮蔑しても守られます。どこまで表現の自由が守られるのか、歴史修正主義者たちの試みを無効にするためにやっていこうと思っています」
阿部浩己さん
「この『合意』は国際法的には条約ではありません。非拘束的合意です。それだけにとどまらず、日韓請求権協定の解釈に紛争があるという話です。秘密裏に日韓局長レベルで協議していたわけです。紛争解決したと政府が言いますが、曖昧です。合意が法的にはっきりしていないのです。」
「日韓請求権協定について日韓政府で紛争になっている個人賠償については曖昧なままなので、次のステージに行けません。安倍首相の言うことを借りれば、このままいけば後世に禍根の残すことになります。」
「性奴隷制について。日本政府は敏感に反応している。国連女性差別撤廃員会審議が始まりますが、今になって政府は日本軍「慰安婦」問題で性奴隷制という表現が不適切だと主張し始めています。人権条約機関、国際的機関に本当に解決したのか働きかけ必要です。」
イナヨンさん
「解決運動というのは恨みを晴らすものではありません。責任感を持って継承していこうという集まりです。単に韓国と日本政府の問題でなく、すべての人が解決しなければいけない問題。だからこそ市民が集まっています。私たちは日本の市民の方を尊敬しています。未来世代が不正義に阻まれないように、一人一人が解決を目指して決意していく必要があります。」
日韓の中での認識差、情報差を共有して、日本の運動をどうすすめていくのか議論しなければなりません。日本の中で植民地主義が継承されているのか、知識人の中でもそうなのでしょうか。そういう壁を打破して、一歩一歩「日本政府への提言」の実現をめざして行動していきましょう。
(さ)
2/5外務省抗議行動、緊急シンポ“日韓政府間「合意」で解決になるのか!?”に参加(2)(外務省交渉)
http://blog.goo.ne.jp/liveinpeace_925/e/2436a92c3df176fe531c5a91e56d92a8
2/5外務省抗議行動、緊急シンポ“日韓政府間「合意」で解決になるのか!?”に参加(1)(外務省抗議行動)
http://blog.goo.ne.jp/liveinpeace_925/e/41843a1609f59a3205985bce02341c45
政府は真摯に事実や日本軍「慰安婦」被害者に向き合い、謝罪・補償・歴史継承などの「提言」を実行しろ(2/5外務省抗議行動、緊急シンポ“日韓政府間「合意」で解決になるのか!?”報告含む)
http://blog.goo.ne.jp/liveinpeace_925/e/d4ad4b1a8fca46fa842e5494968b8823
「慰安婦」問題日韓合意は受け入れられない 安倍政権は真の謝罪と賠償を
http://blog.goo.ne.jp/liveinpeace_925/e/1fde91c2f8c60634046f904848c483ba
「法的責任と真の謝罪」…「日本の良心」の叫び SBSニュース 2016.2.5
http://news.naver.com/main/hotissue/read.nhn?mid=hot&sid1=100&cid=1033188&iid=13
79020&oid=055&aid=0000375287&ptype=052
日本軍「慰安婦」問題解決全国行動ブログ
http://www.restoringhonor1000.info/
日本政府への提言(日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワークブログより)