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第37回 東京国際映画祭~今日の1本 「港に灯がともる」

2024年10月30日 | 映画
©Minato Studio 2025
映画「港に灯がともる」

東京国際映画祭は日比谷を中心に、有楽町・銀座も含めたエリアの映画館で行われています。
本日見たのは日本映画「港に灯がともる」です。

ストーリーの底にあるのは、阪神・淡路大震災。
震災の年に生まれた女性主人公を通して、いろいろな問題が浮かび上がるストーリーになっています。
最初に、主人公が心の叫びを吐露している場面から始まり、何にあてどない怒りなのか悲しみを抱えているのかが、成人式あたりにさかのぼって演じられます。それは、震災に遭った世代とそうでない世代の親子の意識のぶつかりだったり、両親の離婚や国籍の問題だったり、主人公の心を激しく疲弊させていきます。
港の造船所に就職し、一人暮らしをはじめたものの、とうとううつ病になってしまうのです。
通院するがよくならず、勧められた医院のカウンセリングの場で、回復していく主人公。

そして、新たな一歩として、小さな建築設計プランナーの会社に就職し、震災があった町の市場の再建という仕事と向き合っていきます。
ここから本編に入っていきます。
設計士も、あることを抱えているし、コロナ禍もあり、、主人公はどう向き合っていくのか…。

実際の場所映像や、実際にあったであろうことやイベントのようすなども取り込まれています。
単年に取材した上での作品ということで、しっかりした土台の上に、物語がきちんと乗っているといえます。

主人公役はNHK朝の連続小説「ブギウギ」で、主人公・笠木さんの印象的な付き人を演じたあの子(富田望生さん)。
あのときは、押し出しが強く田舎丸出しのブーちゃんな女の子を演じていましたが、本作では同じ顔ではありますが、きれいな年相応の美しさがあり、役によって違う。やはり女優さんなんだなと、思わせてくれました。

心をどこにぶつければいいのか泣きわめいていた彼女が、自分の意志で歩み始めたことがわかるラストは、小さな感動がありました。


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