働き方コンサルタント 椎葉怜子のブログ

株式会社ルシーダ代表。理性と感性のキャリアカウンセラー。
テレワーク、女性の働き方、起業が専門。

大企業で輝く女性リーダーの言葉

2012年02月11日 | 【女性の働き方】
先日、21世紀職業財団主催の「~日本の未来は女性が創る~
第3回 明日のビジネスを担う女性たちの全国交流会
」という
企業で働く女性リーダー、リーダーを目指す女性向けのシンポジウムと
懇親会に参加しました。

会場には250名もの女性がずらり。リーダー層向けということで年齢層も
少し高め。平均年齢は40歳ぐらいに見えました。

パネリストは日本を代表する大企業の役員として活躍する豪華な面々。

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《パネリスト兼コーディネーター》
岩田喜美枝氏 (株)資生堂 代表取締役執行役員副社長
《パネリスト》
江藤尚美氏 (株)ブリヂストン 執行役員
中川順子氏 野村ホールディングス(株) 執行役
永嶋悦子氏 (株)オリエンタルランド 執行役員
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一時間半にわたり、珠玉の言葉が続々と発せられ、メモを取る手が止まりませんでした。
私の両隣、そしてさらにそのお隣の方は話の内容に感極まって泣いていました。

パネリストのみなさんは、女性らしくしなやかな雰囲気で、上から目線な発言は
一つもありません。後輩に優しく語りかけてくれる優しい先輩のように感じられ、
一つ一つのメッセージが、心にすうっと入ってきました。

以下、メモを共有します。

<岩田さん・資生堂>
●これまでの軌跡
 ・学生の頃から、「仕事を通して人の役に立ちたい」という志をもっていた。
  1971年に女性が唯一活躍できる場に思えた労働局(現厚生労働省)に入省。
  2人の子育てや3回の転勤も経験したが「できないことは決してない」という
  信念で乗り切った。32年間労働省で働いた後、56歳で資生堂に転職。

●女性リーダーへのメッセージ
 ・キャリアとは自分の人生を振り返ったときに見えてくるもの。いま上手く
  いかないことがあっても、ムダな経験ではない。大らかに受け止めよう。
 ・ある程度キャリアを積んだ後で自分の「弱点」を克服していくのは難しい。
  女性リーダーには、1.「強み」をさらに磨く。2.あきらめない。3.次の
  世代の力になる。ことを意識してもらいたい。

<江藤さん・ブリヂストン>

●これまでの軌跡
 ・男女雇用機会均等法が制定される前の1979年に入社。キャリア歴33年。
  男女関係なく働きたかったが、会社も女性社員にどうやって接したらよいか
  分からず、最初の7年間は男性の灰皿洗いやお茶汲みなど秘書業務を担当。
 ・その後は度重なる「異動」を経験。自分がこれで大きく成長した、という節目は
  ないが、仕事に誠実に明るく元気に過ごしていたら流されるまま今のポジションに
  たどり着いた。

●女性リーダーへのメッセージ
 ・これまでのキャリアを振り返るとムダなことは何もないと感じている。
  会社にいれば理不尽なことも多いが、長く仕事をしていくのだから
  あまり目くじらを立てず、大らかに受け止めましょう。
 ・女性には会社という組織のなかで、人を動かす経験をしてほしい。

●その他
 ・(会場からスピーチの上手さの秘訣を聞かれて)
  自分の場合は、事前にとにかく練習している。

<中川さん・野村ホールディングス>

●これまでの軌跡
 ・男女雇用機会均等法施行間もない1988年に入社。最初は奈良支店で店頭アドバイス
  を担当。夫の米国転勤に伴い退職。4年ほど働かずに家庭生活を優先。
  日本への帰国をきっかけに野村グループに復帰し、女性初の役員(しかもCFO)に
  なるという異例のキャリア。
 ・女性はライフイベントの影響でキャリアについて悩むことが多いが、
  自分もその時々で一番良いと思う「選択」を行ってきた。

●女性リーダーへのメッセージ
 ・「仕事をつづけるという意志」を持ち続けてほしい。
 ・女性は結婚や出産などで長期の目標を描きにくい面があるが、3年ぐらい
  先の目標をぼんやり考え、具体的な目標を半年単位で設定してみてはどうか。
  半年単位であれば、何か事情が変わったとしても、途中で軌道修正できる。  

●その他
 ・(会場から情報処理について聞かれて)
  役員になって入ってくる情報の質や量が増えてくると、情報処理能力を
  高める必要がある。自分の場合は周りに自分を理解してくれるいいメンバーを
  固めることで仕事がやりやすくなった。(そういった仲間をつくれるようになろう)
  役員になる前は、情報が来てから反応するのではなく、自分から情報を取りに
  行ってスタンバイするようにしていた。

<永嶋さん・オリエンタルランド>
●これまでの軌跡
 ・東京ディズニーランド開園前の1982年に入社。最初の8年間はコスチュームを
  着てアトラクションを担当。キャリアの節目は、東京ディズニーシー開園に伴い
  設置された350名の大型コールセンターのセンター長を4年間経験したこと。
  大変なトラブルを部下と共に必死で乗り越えたことで人として大きくなれた。

●女性リーダーへのメッセージ
 ・「自分にはできない」と最初からあきらめないで欲しい。
 ・失敗を恐れずに行動することが大事。

●その他
 ・(会場から部下のしかり方・フォローの仕方を聞かれて)
  最近は、もっぱら「褒めて育てる」を実践。時代が変わり、
  今までの「叱って育てる」では上手くいかない。
  どんな人に対しても、よい面を探して褒めながら育てている。
  以前は、部下を怒鳴ることもあったが、アフター5でフォローする
  などしていた。最近は、男性でもアフター5を仕事で使いたく
  ない人が増えているので、ランチMTGを利用するなどして部下と
  話をする時間を作るようにしている。
    
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このシンポジウムは今年で3回目の開催だったそうです。来年も参加したいな!