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処理水をめぐって

2023年08月31日 23時00分00秒 | 様々な話題

東京電力福島第一原子力発電所の処理水海洋放出を巡り、
中国からのいやがらせが続いている。
日本からの海産物の輸入禁止という中国政府の措置だけでなく、
中国在住の日本人や日本の施設への攻撃、
日本製品の不買運動、
更に、国際電話での日本への抗議、
と国をあげての反日キャンペーンだ。

福島第一原発の原子炉建屋では1号機から3号機の
溶け落ちた核燃料を冷やすための
注水と建屋への雨水や地下水の流入が続き、
1日140トンのペースで放射性物質を含む汚染水が発生。
この段階は、まさしく「汚染水」

この汚染水は専用の浄化設備に送られ
多核種除去設備(ALPS、アルプス) 吸着剤で
大半の放射性物質が取り除かれる。
これが「処理水」
各国の原発でも常に処理水は生成している。
水で原子炉を冷却する関係上、必要不可欠な過程だ。
ただ、セシウム、ストロンチウム、ヨウ素、コバルトなど、
ほとんどが除去できるが、
トリチウム(三重水素)という放射性物質だけは除去できない。
だが、トリチウムは毒性が弱いので、
世界中の原子力施設から、
各国の基準に基づいて希釈した上で、
日常的に放出されているのだ。

例えばカナダのブルース原発では1年間で1971兆ベクレル、
フランスのラ・アーグ再処理施設では
年間1京3700兆ベクレルが海中や大気中に放出されている。
中国も原発の処理水を海洋放出しているが、
その中のトリチウムの量は、
日本の6.5倍にものぼる。
年間の処理水の量を見ると、
中国の紅沿河原発が90兆ベクレル(2021年) 、
泰山第三原発が143兆ベクレル(2020年) 、
寧徳原発が102兆ベクレル(2021年) である。
韓国の月城原発からは液体、気体合わせて
約143兆ベクレル(2016年)ものトリチウムが
排出されている。
トリチウムを薄めて放出すれば安全であること、
今までも放出されていたことをお分かりいただけただろうか。

日本国内の原発では、
1リットル当たり6万ベクレルという
基準以下であることを確認した上で
海に放出している。
今回の日本の放出計画は年間22兆ベクレル。
ケタが違う上に、放出先は太平洋。
それが回り回って朝鮮半島や中国沿岸に届く頃には、
充分希釈されている。

福島原発の処理水は、約1000基の貯蔵タンクに保管されるが、
全容量は137万立方メートル。
2023年2月現在で、
既に132万立方メートルトまで埋まっており、
今年の夏~秋頃には満杯になるので、
今、海洋放出を開始したのだ。

放出にあたっては、トリチウムの濃度を
WHO(世界保健機関)が示す飲料水の基準で、
7分の1程度に薄めるようにしている。
そして、IAEA(国際原子力機関)の査察を経て、
処理水が人間や環境に与える影響は「無視できる程度」だとし、
処理水の海洋放出について
「科学的に妥当」という見解を受けている。
つまり、科学的には安全性が認められている。

なのに、中国と韓国の一部野党はこれを認めようとしない。
というか、認めたくない。
政争の具としたいからだ。
IAEAの科学的見解を無視するのだから、
お話にならない。

トリチウムの放射線は紙1枚も透過出来ないほど弱いこと、
体内に入ってもすぐに排出されること、
韓国含め世界中の原子力発現所から
日常的に自然界に放出されるなど
安全なことは一切触れられていない。
なにより、処理水のことを「汚染水」として報道している。
悪意があるとしか思えない。
自国の処理水については沈黙し、
日本のだけを非難しているのだ。

「説明が足りない」という批判もあるが、
外務省は、科学データに基づき、説明している。
しないはずがない。
要するに、「聞く耳を持たない」のだ。
又は、「理解したくない」。

水産物禁輸だけではなく、
中国・韓国では、塩の買い占めが行われているという。
しかし、中国で流通している塩は岩塩と湖塩がほとんどで、
海洋汚染の影響を受けないのだ。


まして、処理水が太平洋から黒潮に乗って北上し、
津軽海峡を通過して日本海に入り、
対馬海流に逆行して、
韓国・中国の沿岸まで到達すると仮定して、
その時間を考えれば、
今の時点で塩の買い占めに走る理由が分からない。
ほとんど笑い話だ。

福建省泉州市のガイドラインには
「泳いだり海に潜る時間をなるだけ短くしよう」
「野菜や果物、穀物の摂取量を増やすなど、
口に入れるものを多様化して汚染リスクを下げよう」
「雨に濡れないように注意し、
汚染エリアの天気予報や風向きをチェックしよう」
と、科学的根拠が疑わしい文言が並ぶ。
前述したように、海流を通じて中国沿岸に届くには時間がかかるし、
風に乗って放射能が中国に届くことなどありえない。
中国から日本には偏西風が吹いている。
それより黄砂やPM2.5の塵の方が問題だろう。

中国から日本人への電話で、
「汚染された水道水が出てくる可能性があるから飲まないほうがいい」
と、(善意の)アドバイスが入ったりしているという。
海洋流出と水道水にどんな関係があるというのか。
中国の科学教育はどうなっているのか。

あまりにも幼稚な反応に、
中国の民衆には、正確な処理水の情報が伝わっていないことが分かる。
政府とメディアが意図的に伝えていないからだ。
いや、歪曲報道の異常性が分かる。

処理水海洋流出は、
今後30年以上も続く話であり、
中国は、日本産の水産物の禁輸を
これから30年以上も続けるのであろうか。
輸入再開には理由がいる。
今更日本の処理水が安全とは言えないだろう。
つまり、30年間、禁輸は続く

日本の海産物を輸入するのは、
日本製品が良いからであり、
中国人が求めているからだろう。
それを拒絶するというなら、
日本製の質の高い海産物を
中国の民衆は口に出来ないということだ。
かわいそうに。

こうした中国政府の異常ともいえる過剰反応については、
不動産市況が悪く、失業率も高く、
中国の経済がガタガタなので、
中国政府は日本という仮想敵をつくることで
国民の不満をそらそうとしているのでは、
という指摘が定説になっている。

今回のことで、
「脱中国を」という冷静な声が沢山あるのはたのもしい。

○日本はこの機会に本気で脱中国に取り組むべきだと思います。
こんな非常識な国に依存している今の状態は極めて危険です。

○中国はリスクが高いので日本も脱中国の流れになってほしい。
中国へ進出など出店や工場や支社など、
いつどうなるか分からない。

○中国政府はもう落としどころを見つける手立てを失っており、
当面の間は禁輸政策は撤回しないでしょう。
数年は続くとみられ、日本食を扱う商社、メーカーは
事業の縮小、徹底を本気で検討すべきステージに入ったと思います。
中国人は、美味しくない自国の水産物を食べればいいですし、
そのおかげで日本産が適正価格で日本国内に流通するなら、
これほど喜ばしいことはありません。

○これを機会に毅然とした態度で中国離れを推進する
よい機会ではないでしょうか。
日本の各種メディア、マスコミこそ政府を批判するのではなく、
この恥ずべき中国と人民の行いを世界に大々的に報道をしたほうがよいのでは。

○中国進出企業よ。
こんな中国にいつまで未練たらしくしがみつくつもりだ。
中国の没落は既に始まっており、
恒大の破綻を口火にこれから巨大バブル崩壊で大変なことになる。
民衆の暴徒化が迫るなか、不満の吐口として
日本企業叩きが本格化するぞ。
株主からの突き上げが本格化する前に撤退の英断を下すのは今しかない。 

                                            中国からの観光客のキャンセルも相次いでいるという。
これについても、「歓迎」の声が多い。
観光地を傍若無人な中国人に「汚染」されるくらいなら、
来ないでくれた方がいい、
という意見が多いのだ。

科学的根拠を無視して、
しゃにむに反日に利用する中国政府と人民。
国際電話の料金をわざわざ負担して、
日本にいやがらせの電話をかける人々。
これだから、中国は嫌われることを
世界は理解するだろう。