空飛ぶ自由人・2

旅・映画・本 その他、人生を楽しくするもの、沢山

あゝ総選挙 2

2024年11月01日 23時00分00秒 | 政治関係

衆議院議員選挙が終わり、5日。
投票翌日だけでは分からなかった
主権者・国民の投票行動が明らかになってきた。


個人の当選者については、
地元での諸事情があったり、
個人的な恩義があったりして、
必ずしも直接国民の投票行動は明確ではないが、
比例区の投票結果を見れば、
国民がどの政党に期待したか、
どの政党を忌避したかが判明する。

前回2021年衆議院選挙の得票数と比較すると、
結果は、次のとおり。

自由民主党 1991万→1458万 -533万票
公明党    711万→ 596万 -115万票
日本維新の会 805万→ 509万 -296万票
共産党    416万→ 336万 - 80万票
社民党    101万→  93万 -  8万票

立憲民主党 1149万→1155万 +  6万票
国民民主党  259万→ 616万 +357万票
れいわ新選組 221万→ 380万 +159万票
参政党      0 → 187万 +187万票
日本保守党    0 → 114万 +114万票

公明党の減少は、基礎となる創価学会員の高齢化のせい、
維新の減少は、万博問題のせい、
共産党、社民党の減少は時代の反映だが、
自民党の激減は、
石破自民党に対する「NO」の表明と見て、間違いない。

自民党政権が長く続いた理由は、
「他に入れる党がない」からだ
と言われて来たが、
その自民党票が、
総裁選を経ての自民党への見限りで、
ついに決壊したというのが実情だろう。

では、失った533万票がどこに流れたのか
立憲民主党の増加はわずか6万票。
いくら自民党から離れた支持層も
さすがに立憲民主党には入れなかった。
であれば、その票の受け皿として、
国民民主党、れいわ新選組、
そして、初めて衆議院議員選挙に参加した参政党と
立党したばかりの日本保守党に流れた
と見るのが当然だ。

長年の政権維持で腐敗した自民と公明党には投票せず、
かといって立憲民主党を比較第1党にはせず、
自公政権が政策を立てるにおいて、
野党の政策を取り入れざるを得ない状況を生んだ、
いつもながら、
国民は絶妙な匙加減を発揮したのである。

一番主導権を握っているのは国民民主党で、
さっそく103万円の「年収の壁」
178万円への引き上げが検討されている。
これは、給与生活者の妻がパートなどで働く場合、
103万円を越えると、所得税が発生し、
夫や両親の扶養家族からも外れるので、
世帯の住民税や社会保険料にも影響が出る。
そのため、11月や12月になると、
収入総額が越えないように、働くのを調整するので、
人手不足に陥るため、企業が困る。
つまり、国民の勤労意欲を著しく損なう制度なのだ。
今の103万円が決まったのは1995年だから、
30年近く経っていて、
物価水準、給与位水準が上昇したにもかかわらず、
据え置かれている、時代遅れの制度
178万円に引き上げれば、
サラリーマンの妻やアルバイト学生たちも安心して働ける。

財務省は「7から8兆円の税収減になる」と脅しているが、
これに対して玉木雄一郎国民民主党代表の切り返しが見事だ。


「この試算は素晴らしい。
 つまりは、7兆円の国民の手取りが増えるということでしょ」。
ああ、そうなのか、と思う国民も多いだろう。
まさに「手取りを増やす」こと。
そうなれば、国内需要が増加し、
景気浮揚にもなるし、
結果として税収も上がる。
GDPも上昇する。
こういう、先を見通した政策が議論されるのは、
喜ばしいことだ。
財務省の圧力で
自公独裁政権では決して出来ないことが、
今度の自公過半数割れで実現する。

ところで、「自公で過半数」という勝敗ラインを自ら設けた石破氏は、
辞任せず、政権に居座るという。
4日前の本ブログで、
数々の判断ミスを明らかにしたが、
このような重大な判断ミスを連発する人物には、
国の運営を任せることは出来ない
というのが選挙結果というものだ。

さかのぼれば、石破氏は、
2007年、参議院選挙に敗北した安倍総理に退陣を迫ったことがある。
2008年、支持率の低迷を理由に麻生内閣にも退陣を迫った。
その同じ人物が
衆議院議員選挙の惨敗、
支持率の低下にもかかわらず、
政権に固執するとは不思議な話だ。
そういう人間だったのだ。


安倍さんは、石破氏について、
「あいつだけは駄目だ」と言っていたという。
それは、石破氏の人間性を見抜いてのことだっただろう。
総裁選、その後の変節、敗北の責任回避で、
その人間性は明らかになった。
「史上最短の政権」となるのがいやなら、
それが過ぎた適切な時期に
自ら辞任するのが筋というものだが。
はて。

不思議なのは、
石破氏の「国民的人気」というやつ。
それが虚構だったことは、
今度の選挙で明らかになったが、
もしかして、
架空の「国民的人気」を書きたて、
総裁選で石破氏を選ばせ、
衆議院議員選挙で敗北させる、
それはマスメディアが描いた陰謀だったのではないか。
そうとさえ思える。
うがった見方だとは思うが。

 


あゝ総選挙

2024年10月28日 23時00分00秒 | 政治関係

衆議院議員選挙が終わり、
自民、公明両党合わせて過半数を割り込んだ。
政権与党の大敗北である。

この結果の予兆として、
9月の自民党総裁選があった。
1回目の投票で過半数に達した候補者がいなかったため、
2回目の投票で石破茂氏が自民党総裁に就任し、
首相に選ばれた。

その後、わずかな時間で、
石破氏の変節が明らかになった。
総裁選の間、
就任してすぐには解散はせず、
国会での論戦をした上で、
信を問うと言っていたのに、
直ちに解散総選挙を行うと
路線変更をした。
自民党総裁選や新内閣発足の勢いを
衆院選にそのまま持ち込んだ方が有利だと、
森山幹事長、小泉選対委員長の説得に
石破氏が折れたためだと言われる。
首相就任から8日後の衆院解散、
26日後の投開票という
「戦後最短日程」での決戦。
「総裁選での石破人気があるうちに」
という目論みだったのだろうが、
それは第一の判断ミスだった。

そして、派閥パーティーのノルマ達成分以上の
金銭還元を受けて、
それを報告書に記載しなかったという
政治資金規正法違反事件を巡る
国民の怒りは、自民党内の処分では
到底収まるものではなかったのに、
それが分からなかった。
これが第二のミス
国民は、国会議員たちが
こんなに姑息な手段で金銭を取得していたことに、
なんと品性下劣な人たちだと、あきれ、嘆き、
これに鉄槌を打たなければならないと決心していたのだ。

自民党は政治資金問題があった前議員らを
非公認にする対応をとったものの、
その裏には、旧安部派の勢力を削ごうという
目論みのあったことを
賢い国民はちゃんと見抜いていた。
それにしても、10人を公認せず、
34人を比例区との重複立候補を認めない、
とすることで、
貴重な自分の党の議席をなくそうというのだから、
まともではない。
これが第三のミス

そして、極め付きは、
非公認候補が代表を務める党支部に
党本部が2000万円を支出したことが判明し、
非公認がまやかしであることが明らかになってしまった。
これが第四のミス

こうした数々の判断ミスを重ねた末が
自民党65議席減の191議席という結果だった。

そもそも、石破氏を総裁に選んだ時点で、
自民党支持者の中の
強固な保守層は、
石破自民党から心が離れていた。
その証拠に、史上3番目の低投票率で、
低投票率は組織票のある自民有利、
という定説が成り立たなかった。
それを見抜けなかったのも
判断ミスの一つだろう。

重大な判断ミスを重ねたのだ。
その責任は取らざるを得ない。
森山幹事長や小泉進次郎選挙対策委員長らの辞任に加え、
「首相の責任は重大で、続投は難しい」
という声が沸き起こるのを止めることは出来ないだろう。

いや、自分が最高指揮官で負けたのだから、
誰に言われるまでもなく、
自分から潔く辞任するのが筋だと思うが。
それとも、「史上最短の内閣」と言われたくないのか。

石破氏は選挙前の勝敗ライン
自公合わせて過半数確保、としていた。
それが達成されなかったのだから、
進退を問われるのは当たり前。
かじりつく方が筋が通らない。

選挙の結果は、
石破氏の「国民的人気」というものが、
マスコミが作り上げた虚構であったことが明らかになってしまった。
顔のことを言っては恐縮だが、
颯爽としたイケメンの小泉進次郎氏ならまだしも、
あんな陰気な顔で三白眼の人に
人気があると考える方がどうかしている。


総裁選の第2回投票で、
石破氏に投票した自民党議員たちも、
その架空の「石破人気」に乗ったのだ。
そのことは、総裁選後の本ブログで、
今回の総裁は、
国会議員が選んだものだ。
その選択の結果は、
議員たち自身が受け止めなければならない。
仮に落選したとしても、
それは自身の選択の結果だ。
と書いたとおりだ。

結局、石破氏は「党内野党」の人だったのだ。
自民党執行部への批判をしていただけの人物だ。
それがいざ責任ある立場に立った時、
その重さに愕然としたのではないか。
それは、2009年の総選挙で
政権交代を成し遂げた当時の民主党が
野党時代の主張をことごとく反故にしたのに似ている。

来年7月の参院選を考えると、
改選対象の自民党参議院議員たちは
内心おだやかではないだろう。
「石破では闘えない」
それが今回の衆議院議員選挙で明らかになってしまったのだから、
「石破降ろし」の声は起きるに違いない。
なにしろ、先の自民党総裁選が
「岸田では衆院選を闘えない」という
声の高まりで岸田氏が立候補を辞退したことで始まったのだから。

では、これから日本の政治はどうなるのか。
他の政党を組み込んでの連立の再編をするのか、
それとも、「少数与党」として、
他の党と政策ごとに協力する「部分連合」
政権運営を継続するのか、
あるいは、野党側が連合して、政権を奪取するのか、

1993年の衆院選では、
宮沢首相率いる自民が過半数割れし、
野党の新生党や日本新党が躍進し、
その後の連立協議で、
「非自民」勢力が
日本新党の細川護熙代表をかついで新内閣を樹立した。
自民党は下野したのだ。
その後、自民党と社会党とさきがけで
「自社さ連立政権」として自民党は政権に復帰した。

2009年の衆院選では、
民主党が過半数を制し、
政権交代が実現した。

日本維新の会、国民民主党が
今、連立に参加したら、
裏切り行為と見られる。
立憲民主党を中心とした野党連合は
事実上考えにくい。
まさか自民党と立憲民主党の「与野党大連立」などはあるまい。
それこそ、政権交代を標榜していた
立憲民主党が国民を裏切ることになる。

今後、日本の政治は揺れ動く。
衆院選後30日以内に特別国会が召集され、
首相指名選挙が行われる。(11月7日の公算大)
与党が過半数割れしたことで、
維新や国民を含めて与野党の駆け引きが活発化する。

混乱は続くが、
しかし、この選挙結果をよしとする人もいる。
長かった自民党独裁体制が終焉、
自民の政権が続いたとしても、
少数与党のために、
他党の意見を取り入れざるを得ないという形で
良い政策が進むのではないか、
国民民主党や日本維新の会の主張が受け入れられて
自民党の古い体質ではできなかったことが
改善されるというのだ。
たとえば、政治資金パーティーの禁止、
企業団体献金の禁止、
政策活動費の廃止など、
すぐにでも立法化できるものがある。
それだけでも日本の政治は変わる

そう期待したいが、
さて、どうなるか。


あゝ総裁選

2024年09月30日 23時00分00秒 | 政治関係

自由民主党の総裁選挙が終わった。


現職の岸田総裁が出馬を見合わせたため、
史上最多の9名が立候補。
テレビ出演や討論会を繰り返す間に、
小泉進次郎氏のメッキがはがれ
逆に政策通の高市早苗氏の株が急上昇となった。

第1回投票では過半数を取った候補がいなかったため、
高市氏と石破氏との決戦投票となった。
第1回投票では、高市氏が党員・議員票ともにリードし、
一時は「日本初の女性総理」への期待が高まったが、
第2回投票では、
石破氏215票、高市氏194票
石破氏の当選となった。

10月1日の臨時国会で首班指名を受けて、
石破氏は日本国総理大臣になり、
10月27日には、
衆議院選挙が予定されている。(時期について、野党は反発)

第1回投票は国会議員票と党員票(都道府県票)の比率は1対1だが、
第2回投票は国会議員票が8に対し、都道府県票1になるから、
実質、国会議員が石破氏を選んだことになる。

近く解散総選挙が行われる公算が大きいことから、
国会議員が「選挙の顔」を選ぶ総裁選であり、
保守色の強い高市氏より、
リベラル色の強い石破氏の方が
穏健派の保守層の票が獲得出来るという目算が働いたのだろう。
落選すれば「ただの人」になってしまう議員にとっては、
少しでも自分の当選に有利になる総裁を選んだということだ。
また、高市氏は靖国神社への参拝を公言しており、
もしそれをしたら中国・韓国との関係が悪化する、
という懸念があった。

いずれにせよ、国会議員の選択の結果であるが、
第1回投票で国会議員票がわずか46票だった石破氏が
72票だった高市氏を逆転したのは、
それなりの理由があったと思われる。
第1回投票で2位以内に入れなかった候補の支持者の
票の行方を分析する向きもあるが、
私は勝敗の分かれ目は、
第2回投票前の
それぞれ5分間の演説にあったと見ている。

石破氏は、最初の方で、
「私は至らぬ者であります。
 多くの足らざるところがあり、
 多くの方々の気持ちを傷つけたり、
 いろんないやな思いをされたりした方が多かったと思います。
 自らの至らぬ点を心からおわび申し上げます」
と述べた。

石破氏には、「裏切りの歴史」がある。
1993年に細川護熙政権が誕生して
自民党が野党に転落した時、
自民党に離党届を出し、
新生党へ参加したのだ。
その後はあっさりと自民党に復党
2002年の小泉純一郎政権で
防衛大臣に抜擢された時も裏切った。
伊吹文明氏から目をかけられ伊吹派にいたにもかかわらず、
初入閣後に「閣僚は派閥に属するべきではない」「派閥は旧態依然」として、
派閥を離脱
麻生太郎政権では、閣僚を務めていながら
“麻生おろし”に加担するなど、
常に恩義のある人を裏切り続けていた。
だから、いわゆる「国民的人気」がありながら、
自民党内での支持者は少なかった。

その事実を暗に認め、謝罪したことで、
「そうか、本人も自覚しているのか。
 そして、謝罪している、そろそろ許してやろうか」
という心境になった議員もいるのではないか。

そして、石破氏は、
後半、
「日本を守りたい。
 地方を守りたい。
 国を守りたい」
愛国の心情を吐露し、
最後に、決定的な言葉を口にする。
「来たる国政選挙において、
 同志が、一人残らず
 議席を得ることができるように」と。
自分の当選を願う、議員心理の琴線に触れたのだ。

対して高市氏の演説。
岸田総理への思い、                               総裁選で多くのことを学ばせていだいたこと、
など述べたが、
石破氏と内容が同じで、後追いの印象を与えた。
そして、何回かミスを犯す。
冒頭、女性として決戦投票に残ったことを強調し、
「女性総理」への期待をにじませたが、
そんなことはわざわざ強調しなくても、見ていれば分かる。
女性の進出を望まない男性議員心理を逆撫でした。
そして、最後に公明党の新代表への思いなどを述べたが、
こんな場で持ち出す話ではない。
自公連立政権で
公明党が政策の足かせになっていることを
快く思っていない議員もいたことだろうから
逆効果だった。
しかも時間オーバー
そんな枝葉に触れずに、
得意の経済を持ち出し、
経済の建て直しをして、
日本列島を豊かにし、
かつての栄光を取り戻しましょう、
と訴えるだけでよかったのだ。
最終決戦に残ったら、
どんな演説をしようと、
検討する時間が無かったのだろうか。
そういう助言をするスタッフもいなかったか。

この二人の演説が勝敗の分かれ目だったと私は思っている。
「最終演説を聞いて決断する」
と言っていた議員もいた。
21票差といえば、
11人の票が動くだけで逆転する僅差だ。
二人の演説を聞いて、
石破氏に投票することに決め議員は少なからずいたはずだ。

政治家は言葉の力を持っていなければならない。
随分前の、総裁選で、
複数の候補の演説を聞く機会を得たが、
他の候補が空疎な言葉を繰り返す中、
石破氏の演説が一番心に届いたことを覚えている。

私は以前から高市さんを強く推しており、
アメリカも女性大統領が誕生するかもしれない中、
日本も初の女性総理、という光景を見たいと思っていたが、残念だ。
しかし、選挙の結果は、神聖なものと受け止めなければならないだろう。

そして、今後のこと。
石破氏は総裁選に当たって、
金融所得への課税強化
法人税の増税を言っている。
そんなことをすれば、
国民の投資意欲を削ぎ、
会社が内部留保に走り、
賃上げもせず、
せっかく終わりかけたデフレ経済が元に戻ってしまうのに、
何を言っているのだろうか。
増税し、緊縮財政をしたら、景気が冷え込んでしまう。
それが分からないとしたら、
石破氏は本物の経済オンチだ。
選挙翌週の株価下落がその懸念を見せている。

国会では野田佳彦代表の立憲民主党と対峙することになる。
立憲民主党で最も保守的な野田氏と
自由民主党で最もリベラルな石破氏との対決、
という不思議な構図が興味深い。

既に書いたとおり、
今回の総裁は、
国会議員が選んだものだ。
その選択の結果は、
議員たち自身が受け止めなければならない。
仮に落選したとしても、
それは自身の選択の結果だ。

顔のことを言っては悪いが、
石破さんの顔は陰気だ。
しゃべり方も陰々滅々としている。
とても先頭に立って国民を引っ張る個性ではない。
政治家になると人相が悪くなる、という説があるが、
初当選当時の写真と比べて愕然とした。
日本の政界の汚濁を生き延びて来た悪相だ。
今後、外国首脳との会談でも、
見るからにさっそうとした外国首脳に対して、
日本の首相が陰気な表情で対する光景は、
予想しただけで暗くなる。
通訳を介しては、言葉の力は通じない。
特に、トランプ氏などは毛嫌いするだろう。

衆議院選挙、来年の参議院議員選挙がヤマだ。
リベラルな石破氏を選んだことで、
穏健な保守層や無党派層の票の流出は食い止めたかもしれないが、
自民党の岩盤支持層は、確実に離れるだろう。
もし連敗するようなことがあれば、
そこで石破氏の自民党総裁は終わりだ。
その時どうなるか。
小泉氏は選挙対策委員長になるというから、
その場合、小泉氏も共倒れだ。
もしかして、そこまで見通した布陣なのか?

10月の衆議院議員選挙、
11月のアメリカ大統領選挙、
来年の参議院議員選挙。
日本の命運が決まる。


中国の日本海産物禁輸解除

2024年09月22日 23時00分00秒 | 政治関係

中国が日本産水産物の輸入再開へ、
というニュースが飛び込んで来た。


ご存知のように、
1年前、
東京電力福島第一原子力発電所の処理水海洋放出を巡って、
「核汚染水」とイチャモンを付け、
日本産水産物の輸入を全面禁止していたものを、
方針転換。
あれだけ強固に反対したのだから、
解除するのにも理屈が必要で、
中国政府は苦労するだろう、
と思っていたが、
何てことはない、
国際原子力機関(IAEA)が
海水や魚類の調査といったモニタリング(監視)を拡充することで
日本政府と合意したというのだ。
元々、IAEAは処理水には問題がない、
としていたのだから、
その調査範囲を拡大するだけで
お茶をにごしたようなもの。

こんなことで日本産水産物の禁輸を解除する、
というのだから、理屈にもならない。
中国外務省は
「中国は科学的証拠に基づいて関連措置に変更を加え、
規制要件と基準を満たす、
日本の水産物の輸入を段階的に再開する」
と言っているが、
大使館や外務省に国際電話をかけてきて、
抗議した何万もの中国人民もびっくりだろう。

中国の禁輸措置で大打撃を受けてきたのが北海道のホタテだ。
ただ、輸出先をアメリカに転ずるなど、努力してきた。
かつて日本のホタテは中国で重宝され、
中国沿海部には日本から仕入れて加工する業者も多くいた。
だが禁輸で立ちゆかなくなり、
ベトナムなどの東南アジアへ移転したという。
つまり、日本の良質で新鮮な海産物が中国に行かなくなり、
経済も雇用も失われただけのことだ。
中国は自分で自分の首を締めたのだ。

中国でも人気を博した日本の海鮮は
この1年で中国産や他国産に取って代わられ、
中国市場で築いてきた地位を失った。
その一方で中国自身にも跳ね返り、
海鮮自体の消費低迷や関連産業への悪影響を招いている。
日本産のブリやタイ、アジ、カツオなど大半を中国産に切り替え、
需要が高かった本マグロはスペイン産、アマダイやノドグロは韓国産にした。
中国による禁輸は、皮肉にも“オウンゴール”となったのだ。

結果として、中国の姿勢は
日本の漁業関係者を苦しめただけでなく、
中国の人民をも苦しめたことになる。
その苦境から、とにかく理屈をつけて、
禁輸を解除せざるを得なかったのが真相だろう。

日本にした行為は、
いちゃもんをつけただけなのだ。
それも自国の主張を通すことにより、
中国の力を見せつけるためのものとしか思えない。
中国とは、こういう国なのだ。

先の日本人児童への殺人事件でも、
記者会見で「このような事態はどこの国でも起こりうる」と
言ってのけた。
だから中国人は世界で嫌われる
そのことにいい加減気づいたらどうかと思うが、
無理だろうが。

中国が禁輸するなら、
分かりました、中国には、
今後、日本の美味しい海産物は売りません。
他の国に売ります、
毅然として言う人は出てこないものか。
韓国における「NO JAPAN 」運動の時もそうだが、
「分かりました、嫌だというなら、
 わが社のビールは貴国には輸出しません、
 そのことで困るのは、
 おいしいビールを口に出来なくなる貴方の国の国民ですよ」
という社は出なかった。
そういう行為は、一時的な鬱憤晴らしにはなっても、
長期的には損だという、
商人的発想なのだろうか。

一社でもそういう会社があっても良いと思うが。

 


あゝ東京都知事選・その2

2024年07月08日 23時00分00秒 | 政治関係

悪夢のような東京都知事選挙が終わった。
結果は小池現知事の勝利。
それはそうでしょう。
表に立たないとはいえ、
自民党と公明党の支援を受けたのですから。
小池さんというのは、言葉が空疎
がらんどうの4年間の都政がまた始まる。

対抗馬と目されたレンホウさんは
まさかの3位。
かつての民主党政権下での事業仕分けの時
次世代スーパーコンピューター開発についての
「2位じゃダメなんでしょうか?」という発言が
ブーメラントのように飛んで来て、
「2位もダメだったんですか」
「3位じゃダメですよね」
と揶揄されている。
裏金問題で見捨てられた自民のていたらくを受けて、
与野党対立という、都政に関係ない課題を設定して、
勝ちに向かったものの、
都民は騙されなかったということだろう。
しかも、立憲民主党と日本共産党という、
嫌われ野党の支援を前面に押し出したのだから、失敗した。
その結果、2022年の参議院議員選挙の時の
レンホウ票と共産党の得票数135万票よりも票を減らした。
だが、戦略的な失敗もさることながら、
レンホウという「玉」の悪さが票を集めなかった要因だろう。
国会での実績は、ゼロ。
常に他人の批判だけをしている、
という印象が定着した人に、
「レンホウだけは、イヤ」という都民の意識が働いた。
結果として、無党派層の票を取れなかったのだ。

2位に入った石丸伸二さんは、
広島県安芸高田市長だった時の
議会との対立のイメージがあり、
古い政治手法の刷新への期待から、
反小池の受け皿となった。
また、SNSを上手に使ったのが
未来を感じさせるものだった。

小池さんは勝ったとはいえ、291万8015票。
石丸さんとレンホウさんの票を合計すると294万1625票。
このことをどう考えるか。
信任投票として見れば、敗北ではないか。

史上最多の56名の立候補。
ポスター掲示板ジャックなど、
公職選挙法の欠点をあますところなく露呈した。

選挙広報も14ページの大部となり、
政見放送も11時間。
その選挙広報を都内在住の親戚筋から送ってもらった。


選挙が終わったので、ブログに掲載できるが、
「NHKから国民を守る党」(N党)の候補者が同じ体裁で並ぶ。

文章だけは、一つずつ変えられている。


「NHKに受信料を支払う人は馬鹿だと思います」とあるが、
こういう選挙広報を出す人は馬鹿だと思います。

こういったトンデモスローガンを掲げる人もいる。

それでも、投票する人がいて、
2035票を集めた。

こんな使い方もあるのか。

この人は、政見放送でストリップまがいの行為をした人。

後ろの手話通訳の方が気の毒。

自分で「カワイイ」という神経を疑う。
それでも投票する人がいて、20位・2152票。

ポーカー党?

忠臣蔵。

徳政令の主張。借金帳消し。

この人は、匿名で、顔さえ出していない。

この人の主張が一番未来的だった。

15万4638票を獲得、第5位

結構選挙広報は読まれているのか。
                                        同じ石丸姓。

この人の取った9万6222票・第8位のうち、
かなりの票が石丸伸二さんへの票だったのでではないか。

得票結果
                                        1位 小池百合子   291万8015票
2位 石丸伸二    165万8363票
3位 蓮 舫     128万3262票

(以下、供託金没収)

4位 田母神俊     26万7699票
5位 安野貴博     15万4638票
6位 内海 聡     12万1715票
7位 ひまそらあかね  11万 196票
8位 石丸幸人      9万6222票                   9位 桜井 誠      8万3600票
10位 清水国明      3万8054票

11位 ドクター・中松    2万3825票

以下、1万票に満たず。

52位から56位まではN党候補が占め、
最下位は211票
N党公認候補19名の得票数合計は、1万1818票。
関連団体の候補5名と合わせても11万2081票。
(うち、9万6222票は、石丸幸人氏の得票)
金をかけて、無駄なことをしたものだ。

選挙というものは、民主主義の根幹だと思うが、
今回の諸現象、選挙制度そのものを
おちゃらけに汚染された気がする。
日本よ、どこへ行く。