韓国における
元(自称)徴用工裁判の判決に基づく「現金化」が
最終局面を迎えている。
2018年、韓国最高裁(大法院)は
日本統治時代に日本企業で働かされた韓国人の
元(自称)徴用工らへの賠償を命じた判決を確定させた。
その後、敗訴した日本企業が韓国国内に持つ資産を差し押さえ、
これを売って、原告への賠償に充てる「現金化」に向けた
裁判所の手続きが着々と進み、
8~9月にも現金化が実施されようとしている。
これに対して、
日本政府は、元徴用工への損害賠償を含む戦後補償問題は
1965年の日韓請求権協定で解決されているので、
対応しない、というのが基本姿勢だ。
日韓請求権協定には、請求権は、
「完全かつ最終的に解決された」と記載されており、
協議の際、日本政府が未払い給与について
支払う意向を示したところ、
「それは韓国政府がする」として、
その額を含めて経済協力を受けた。
そのことは、記録に残っている。
従って、元徴用工に対する補償は、
韓国がすべきことであって、
日本や日本企業に請求することは、
全く筋違いのことなのだ。
現金化が具体的になされて、
原告である元(自称)徴用工に渡されれば、
もう後戻りはできない。
日本企業に実質的な被害が生ずれば、
日韓関係に重大な影響を及ぼすことは必至だ。
1965年の日韓正常化に際しての日韓基本条約を否定することになるからだ。
だから、日本は、そうなった場合、
韓国に対する制裁措置を準備している。
そうなれば、再び「NO JAPAN」が再燃し、
日韓は修復不可能な事態に陥るだろう。
そうしないために日韓の歩み寄りが模索されているが、
元々一度決着した問題を蒸し返しているのだから、
日本側の譲歩は考えられない。
もしそうしたなら、
日本自ら日韓基本条約を破棄することになるからだ。
日韓基本条約は、
戦前の36年に渡る日本統治時代を清算して
国交を正常化するために結ばれたものだ。
通常戦争をした国同士は、
平和条約を結ぶことで、
過去の歴史を清算する。
しかし、韓国は日本と戦争したわけではないので、
平和条約ではなく、
それに代わるものとして
日韓基本条約が締結されたのだ。
その際、日本は韓国に対して、有償・無償計5億ドルの経済協力を行った。
当時の韓国の国家予算の2倍以上で、
それで韓国は復興することができた。
そういう経緯を忘れて、
あるいは忘れたふりをして
日本企業に賠償を求める裁判を起こし、
それを認める判決を下したのだから、
国際法違反である。
そうした異常な進展は、
5年間にわたる
文在寅前大統領の時になされたことだ。
尹錫悦新大統領は、その修復に追われている。
しかし、「三権分立」を楯に取って、
判決の履行が迫られているのだから、
対応策は困難だ。
韓国政府は7月4日、
解決策を模索する「官民協議会」を発足させた。
韓国政府が日本企業の賠償金をいったん肩代わりする案や、
日韓両国の企業や個人による寄付で基金を作って、
原告への賠償に充てる案が浮上している。
しかし、実現が困難だと予測される。
困難の最大の理由は、
原告たちが、その案を拒否していることだ。
原告たちはあくまでも三菱重工業による賠償と、更に謝罪を求めているからだ。
もし日韓が政府間で妥協案を強引に締結したとしても、
「被害者本人の同意を得ていない」
として、反故にされる可能性が高い。
それは、2015年の「慰安婦合意」が反故にされたことで実証されている。
このままいけば、妥協案は間に合わず、
現金化は実行され、日韓関係は完全に破綻するだろう。
「現金化」の手続きが進む韓国大法院(最高裁)に対し、
韓国外交省が政府の取り組みを説明する意見書を提出したという。
つまり、これだけ外交努力をしているのだから、
司法判断を先延ばしし、現金化を回避してくれと要望しているのだ。
このように、現金化で日韓関係が破綻しないために、
日韓双方は解決策を模索しているわけだが、
その根底には、
「戦後最悪と言われる日韓関係を良好にしたい」
という思いがある。
しかし、なぜ「日韓関係を良好にし」なければいけないのか。
根本に立ち返って考える必要がある。
韓国は、反日を「国是」としている国だ。
子どもの頃から教科書で
日本統治時代にひどい目にったという
「捏造された記憶」が刷り込まれている。
だから、日韓関係で起こることといえば、
全て韓国側から仕掛けたものだ。
竹島の不法占拠、慰安婦問題、
旭日旗問題、レーダー照射問題、
ことごとく、韓国側が仕掛けたことで、
日本はその一方的な被害者だ。
そんな国を相手に友好的関係を、どうして築く必要があるのか。
もう無視するしかないのではないか。
元(自称)徴用工が求める謝罪は、
はるか70年以上前のことだ。
そんな過去に拘って「謝罪せよ」と言う
暗いメンタリティを持ち続ける民族とは関係を断っていい。
それに、慰安婦問題では、何回も謝罪しているのに、
それを無視する。
あるいは、意図的に忘れたふりをする。
それは、謝罪を受け入れる気持ちがないからだ。
最初から許す気がないのだ。
あれほど激しく殺し合ったアメリカと日本さえ、
安倍元首相が真珠湾を訪ね、
オバマ大統領が広島を訪問して、
許し合い、未来に目を向けた。
キリスト教徒が多いはずの韓国で、
なぜ許すことができないのか、
不思議でならない。
国交断絶は、今の時代でできないなら、
韓国と日本の交流を最小限のものとし、
人の交流、物の交流、文化の交流を最小にした、
「静かなる国交断絶」をすべきだと、
私は、このブログで何度も訴えている。
尹政権の支持率は恐るべき低下をしている。
ここで日本に妥協したような案を出せば、
へたをすれば大統領弾劾運動につながり兼ねない。
支持率が落ちた時のいつもの方策として、
尹大統領が「反日」に舵を切ることも考えられる。
だからといって日本は困らない。
困るのは、韓流にはまって、
韓国に行きたがる一部の人だけだ。
一般の日本人は、
韓国が何を言おうと、全く困ることはない。
本当なら、元(自称)徴用工問題も
竹島問題も、国際司法裁判所に提訴することもしたらいい。
相手は応じないだろうが、
その理由を説明しなければならない。
いや、それ以前に、
相手国が応じなくても裁判ができる制度に
国際司法裁判所を改革する必要があるだろう。
尹氏に近い関係者は
「韓国の世論が納得してくれる解決案を作るには、
日本側の協力が必要だ」
とこぼしていたというが、
勝手に問題化して、騒いでいるのは、韓国側だ。
自分たちのことは自分で解決したらいい。
どうも政治家というのは、
起きた問題を解決するために、
足して2で割る方法を取りたがる。
しかし、不当な要求には、耳を貸す必要はない。
岸田政権には、変な妥協案に乗って、また裏切られる、
という愚かなことを繰り返してほしくない。