空飛ぶ自由人・2

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ドラマ『ペラパレスの夜更け』

2022年05月14日 22時43分29秒 | 映画関係

 

[映画紹介]

「ペラパレス」とは、
トルコのイスタンブールにある
伝説的ホテル、ペラ・パレス・ホテルのこと。

フランス系トルコ人建築家の
アレクサンドル・ヴァロリが手がけ、
ネオクラシック様式、アールヌーボー様式、
オリエンタル様式のデザインを取り入れて、
1892年に建築。
アガサ・クリスティがここに滞在していた時、
「オリエント急行殺人事件」を書いたことでも有名。

女性記者エスラが、
ペラ・パレス・ホテルを取材中、
アガサが泊まった部屋で深夜、タイムスリップしてしまい、
1919年のイスタンブールに飛んでしまう。


そこで、エスラは、
ムスタファ・ケマル・アタテュルクの暗殺計画が進んでいることを知る。
もし彼が殺されてしまったら、
歴史が変わってしまい、
今のトルコではなくなってしまう。
そこで、エスラは、暗殺計画を阻止するために活躍する。

ムスタファ・ケマル・アタテュルクは、
トルコ人なら誰でも知っている建国の父
オスマン帝国軍の将軍で、
第1次世界大戦後における
トルコの祖国解放運動の指導者。
トルコ独立戦争とトルコ革命を指導して
トルコ共和国を樹立。
スルタン制を廃止して、
イスラム教との政教分離などトルコの近代化を推進した人物。
トルコ共和国の元帥、初代大統領。
トルコ大国民議会から「父なるトルコ人」を意味する
「アタテュルク」の称号を贈られた。

1919年5月16日、ムスタファは、
貨客船「バンドゥルマ」で出航し、
5月19日、サムスンに上陸した。
後にトルコ共和国は、サムスン上陸の日をもって
トルコ祖国解放戦争開始の記念日としている。

エスラがタイムスリップしたのは、
まさにこの時で、
ホテルでムスタファを見たエスラが
「アタテュルクだわ」
と言うが、
この時はまだこの称号が与えられていないので、
ホテルの人が「?」となるシーンがある。
また、アガサ・クリスティにも会い、
「あなたの本は、全部読みました」と言うが、
この時、アガサの本はまだ一冊も出版されていないので、
同様にうろんな目で返される。

エスラがタイムスリップした時、
ペラ・パレス・ホテルの支配人のアーメトも


同時にタイムスリップしてしまう。
その理由は、後で明らかになる。

英国(ドラマの中では英国将校ジョージ)による
暗殺計画は、5月15日に富豪の娘ペリデのお陰で阻止されたことで、
トルコは無事に建国出来た。

エスラは、ホテルでペリデとも遭遇するが、
この二人が瓜二つ
(その理由は、やがて明らかになる)
ペリデは早々に殺されてしまい、
エスラはペリデに成り代わって、
アーメトと共に暗殺阻止に奔走し、
史実と重なる。

これに、クラブのオーナー、ハリト、
亡命貴族の娘ソンヤ、
警察警部のレシャト、
タイムマシンを開発するディミトリなどが絡む。

ただ、第5話までは、
どうでもいいような話が続き、
第6話で突如として面白くなる。
というのは、ここでタイムスリップが頻発するわけで、
銃で撃たれ、感染症を併発したハリトのために
抗生物質を調達する必要が生じ、
ペニシリンが開発される1928年以降に飛ぶ必要が生ずる。
ところが、1917年に飛んでしまい、
そこでエスラ(ペリデ)は、
無頼漢だったハリトと接触し、恋が芽生える。
次に1942年に飛んで、
抗生物質を得るが、
そこは、ジョージが独裁者となり、
トルコ人が抑圧されている世界だった。
そこでエスラ(ペリデ)は、
抵抗運動をしているある人物と会う。

こういうところがタイムスリップものの面白さだ。
その途中で、ペリデ殺害の真相も判明する。
アーメトの出自も明らかになる。
アーメトが持ち込んだスマホが
証拠映像の撮影に使われたりする。
全8話見終わった後に、
もう一度前の回を見直すと、
ああ、そうだったのか、となりそう。

ペラ・パレス・ホテル全体が
タイムマシンだという、奇抜な発想。
しかも、部屋の鍵が重要なアイテムになる。

エスラ(ペリデ)の活躍で、
暗殺計画は無事阻止され、
エスラはアーメトと共に現代に戻ることになるが、
行き着いた先は1995年で、
そこで、エスラはある人物と遭遇し・・・

シーズン2が出来そうな気配。
アガサの11日間の失踪がネタになるのかもしれない。

トルコ製作のNetflixオリジナル・ドラマ
3月3日から配信開始。
8話構成で、全5時間49分。

1世紀前のイスタンブールの造形が見事。

原作はチャールズ・キング
監督はエムレ・シャーヒン
俳優たちはあまり感心できない。

 



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