モンスター
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原題:Monster
制作:2003年 アメリカ ドイツ
制作:シャーリーズ・セロン、マーク・デーモン、クラーク・ピーターソン、ドナルド・クシュナー、ブラッド・ワイマン
監督・脚本:パティ・ジェイキンス
出演:シャーリーズ・セロン クリスティーナ・リッチ ブルース・ダーン リー・ターゲセン アニー・コーレイ プルイット・テイラー・ヴィンス
実録系つながりで「モンスター」です。アメリカ初の女性による連続殺人事件を映画化した作品です。アイリーンが残した手記や取材を元にガールフレンドのセルビーとの関係を中心にほぼ忠実に再現されています。
娼婦を生業としているアイリーン・ウォーノス(シャーリーズ・セロン)は、生きていく事に疲れきっていました。ある日、立ち寄ったバーで同性愛者セルビー(クリスティーナ・リッチ)に出会います。自分を慕うセルビーに対してアイリーンは生きていく希望を見出していくのです。
そんな彼女はセルビーの為に真っ当な職を探します。しかし、どこも雇ってもらえず仕方なくまた娼婦の仕事に戻る事になります。そんなある日最初の悲劇が起こります。車の中で客の男から激しい暴力を受けたアイリーンは、抵抗した拍子にその男を射殺してしまうのです。その事件を機に次々に客引きをした男たちを殺害し金品を奪い生活をするようになります。すべてはセルビーとの生活を守る為に。
主演のシャーリーズ・セロンは13キロ体重を増やしてアイリーン役に臨み、見事な熱演ぶりです。アイリーンのタフさと内面の繊細さを演じ上げた豊かな表現力は一見です。私はこの事件を詳しく知らなかったのですが、観ていてとっても悲しくなりました。
モンスターとは?アイリーン自身のことでしょうか?それともこんな事件が起こってしまう社会の歪みのことなのでしょうか?はたまた人の心の闇のこと…?などなど、考え始めたら、止まらなくなりました。
多分彼女にはもっと別の「生きていく方法」があったと思います。本当は生活を立て直すチャンスもあったはずです。この悲惨な結末は、そのチャンスを生かさず、ある意味生きたいように生きた結果なんだと思います。
社会は決して甘くないです。同じ女性として考えさせられるテーマでした。
女性による連続殺人事件というのは犯罪史上でもかなり珍しいケースだそうです。興味のある方はこちらをどうぞ。彼女の生い立ちから事件に至るまでのことが詳しく記してあります。<アイリーン・ウォーノス>
彼女のドキュメンタリー映画もあるそうなので、機会があれば観てみたいと思います。
・モンスター@映画生活