ウィスキー
おすすめ度
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原題:WHISKY
製作:2004年 ウルグアイ アルゼンチン ドイツ スペイン
製作:フェルナンド・エプスタイン クリストフ・フリーデル ヘルナン・ムザルッピ
監督:ファン・パブロ・レベッラ パブロ・ストール
脚本:ゴンサロ・デルターロ ファン・パブロ・レベッラ パブロ・ストール
出演:アンドレス・パソス ホルヘ・ボラーニ ミレッラ・パスカル ダニエル・ヘンドラー アナ・カッツ アルフォンソ・トルト
キャッチコピー:“ウィスキー”は幸せの合言葉
「ウルグアイの映画って・・・」という単純な好奇心で手にした「ウィスキー」です。
ウルグアイの町で寂れた靴下工場を営むハコボ(アンドレス・パソス)は、規則的な日々を淡々と送っています。ある日ハコボは、1年前に亡くなった母親の墓石建立式のため、ブラジルで暮らす弟、エルマン(ホルヘ・ボラーニ)を呼びます。そこでハコボは、従業員のマルタ(ミレージャ・パスクアル)に、数日間、彼の妻を演じて欲しいと願い出るのでした。ぎごちなくも偽装夫婦を繕いエルマンを迎え、建立式は無事に終了・・・と思いきや、エルマンは2人を旅行へ行こうと提案します。
恥ずかしながら私、ウルグアイについての知識がありません。だから、この作品が初めての「ウルグアイ体験」でした。
ウルグアイって、この作品ができるまで60本しか長編映画が存在しなかったらしいです。なので基本的に映画産業自体が国内に存在してなかった・・・。ビックリですねえ。
人生も半ばを過ぎた中年(ってか初老?)を描いた本作。さぞかし人生経験豊富な監督なんだろうな、と思っていたら、なんと二人は当時30歳。いろんな意味でビックリさせられっぱなしです。
さて、肝心な映画の感想ですが。
素直に「良かったです」。
説明的な描写や無駄なものを排除した、必要最小限の台詞。
絶妙な間。
独特の空気感。
それらの中に何ともいえない「可笑しさ」がある作品でした。
終始無口なハコボのサッカー観戦でのまさかの野次。
だんだん艶っぽくなっていくマルタ。
エルマンとハコボのプレゼント交換(×2回)。
などなど、小さい「ふっ」とした笑いがちりばめられています。
疎遠になっていた兄弟と偽装夫婦の旅。
ぎこちない空気が流れる中、写真を撮る時の「ウィスキー」と言う瞬間だけ、笑顔になる3人。その瞬間一緒に幸せなキモチになっている自分に気づいて、また「ふっ」と笑ってしまいました。
観る人によっていろいろな捉え方が出来る薄ぼんやりしたラストも好きです。
・ウィスキー@映画生活
・前田有一の超映画批評
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