徒然映画日記。

食わず嫌いは卒業し何でも観よう。思い切りネタバレありの「観た帳」です。

世界でいちばん不運で幸せな私

2008年05月11日 | ★★




世界でいちばん不運で幸せな私
おすすめ度
原題:Jeux D'enfants
製作:2003年 フランス ベルギー
製作 クリストフ・ロシニョン
監督:ヤン・サミュエル
脚本:ヤン・サミュエル ジャッキー・キュキエール
出演:ギヨーム・カネ マリオン・コティヤール チボー・ヴェルアーゲ ジョゼフィーヌ・ルバ=ジョリー  エマニュエル・グリュンヴォルド ジェラール・ワトキンス
キャッチコピー:なぜだか いつも、空回り。

素直になれない二人の恋の行方を描いたファンタジーラブコメディ「世界でいちばん不運で幸せな私」です。ラストまで書きますので今日はバリバリのネタバレです。

重病の母親(エマニュエル・グリュンヴォルド)を持つジュリアン(子供:チボー・ヴェルアーゲ 大人:ギヨーム・カネ )と、ポーランド移民でにいじめられっ子のソフィー(子供:ジョゼフィーヌ・ルバ=ジョリー 大人:マリオン・コティヤール )は二人だけのゲームを始めます。それは、相手に条件を出し、出された条件には絶対にのらなくてはいけないというルール。校長の前でお漏らしをしたり、ソフィーの姉の結婚式を台無しにしたり・・・・、様々な「問題行動」を続けるふたり。そのゲームは、ジュリアンが母親から貰った大切な缶を賭けて大人になるまで続きます。そんな二人の友情はいつしか愛情に変わるのですが、ゲームが障害になりお互いの本当の気持ちを伝えられないまま別々の道を歩み始めることになります。

子供時代のカワイイ悪戯は微笑ましく、ファンタジックな映像と相俟ってとっても素敵でした。ただ、引っ掛かったのはいい大人になったその後の二人の描き方。だって、有り得ない無茶振りなんですもん!(段々うんざりモードに突入。)

お互いパートナーを見つけ別々の人生を歩んだものの、やはり思いを断ち切れないふたり。ナンダカンダ十数年かけ(時間掛けすぎだろ)遠回りしましたが(遠回りしすぎだろ。子供も居るぞ)、ようやくゲームの呪縛から開放されお互いの愛を確認。二人はキスをしながらコンクリートの中へと沈んでいきます(何で??)。最後のシーンは老人になった仲睦まじい二人が登場。そして幼い頃のふたりの回想があり物語は終わります。

最初「・・・ええええええっ?こんなラストなの??(ガマンして)最後まで観たのに~」と正直ちょっとガッカリしたんですが、ラストの受け取り方次第では大きく印象が変わるんですねえ。

当初私は割と「観たまんま」で捉えていたのですが、どうにも釈然としないので、「あのラストどう思う?」っていろんな人に聞きまくりました。そしたらある人に「映画そのものが悪戯になっているっていう解釈があるらしいよ」と教えてもらいました。実は最初からちゃんと二人は結ばれていたんだけど、映画全編を通して観客を騙しているっていう体らしい。なのでもしかしたら、あそこまで波乱万丈ではなかったのかも・・・・?(そう願いたい。)

今までの中で一番スッキリした解釈だったので一応この「観客騙し説」に決定です。

それにしてもフランス人の恋愛に対する半端ないカロリー消費は理解できない・・・。
二人のアグレッシブさはひたすら驚きの連続でした(呆)


謎の伏線や物語の矛盾についてあれこれ考えさせられたこのラストにひとつ追加で星2個です。

世界でいちばん不運で幸せな私@映画生活
前田有一の超映画批評



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