徒然映画日記。

食わず嫌いは卒業し何でも観よう。思い切りネタバレありの「観た帳」です。

ミルク

2010年04月22日 | ★★★★★
ミルク
おすすめ度
原題:MILK
監督:ガス・ヴァン・サント
製作総指揮:ダスティン・ランス・ブラック マイケル・ロンドン バーバラ・A・ホール
製作:ダン・ジンクス ブルース・コーエン
脚本:ダスティン・ランス・ブラック
出演:ショーン・ペン ジェームズ・フランコ エミール・ハーシュ ジョシュ・ブローリン ディエゴ・ルナ
キャッチコピー:「ミルク」は、希望のはじまりだった。


ショーン・ペンの良~い笑顔のジャケに誘われてなんとなく手にした『ミルク』です。
「タイム誌が選ぶ20世紀の100人の英雄」に選出された人物・・・自らゲイであることを公表したアメリカ初の政治家だそうで。
いつものことながら、私この方のこと全く知りませんでした(恥)。


1972年のニューヨーク、一企業に勤める42歳のハーヴィー・ミルク(ショーン・ペン)は、20歳年下のスコット・スミス(ジェームズ・フランコ)と出会い恋に落ちます。二人は新しい生活を求め、同性愛者やヒッピーが多く住むサンフランシスコのカストロ地区に新居を構え、小さなカメラ屋「カストロカメラ」をオープンさせます。魅力あふれるミルクの人柄を慕って店は連日多くの「同胞」たちで大賑わい。そんな中、ミルクはゲイに差別的な商工会に対抗し、自ら新たな組織を設立。その活動を通じ様々な問題にかかわる事となり、いつしか彼は「カストロ地区の市長」と呼ばれるように・・・・。


1973年に市政執行委員に初立候補。
その後3度の落選を重ねますが、1977年ようやく4度目の挑戦にして見事当選!
この瞬間、同性愛者であることを公表したアメリカ初の議員が誕生しました。


しかし、恋人であるスコットはミルクの選挙活動で心身共にくたくたでした。
3度目の選挙を最後に政治活動を辞めると約束していたにもかかわらず
再度挑戦をしたミルク。結果、スコットはミルクの元を去ってしまいます。

悲しい別れはあったものの、政治家ミルクの快進撃は続きます。
犬の糞の放置に罰金を科した条例や、ブリッグス議員(デニス・オヘア)の支援していた
同性愛者の教職員を解雇できるという「条例6」の破棄にも見事成功。



一方、同僚であるダン・ホワイト(ジョシュ・ブローリン)。
生真面目で敬虔なクリスチャンです。


「協力しあおう」と一旦今日協定を結んだミルクとホワイト。



しかし、お互いの政治方針が合わず決裂。
以来対峙する関係となっていきます。



ミルクの華々しい活躍とは裏腹に
ホワイトはマニフェストも実現できず次第に精神的に追い込まれ・・・。
ミルクが劇的な勝利を収めた翌日、彼は辞表を提出し、その直後撤回するも市長に拒否されてまいます。


そして運命の日1978年11月27日

ホワイトによってマスコーニ市長とともに射殺されてしまいます。
ミルクの在職期間はわずか11ヶ月。48歳でその人生に幕を閉じました。


ミルクの葬儀の夜。
キャンドルライトを手にした3万人以上の市民たちが、カストロ地区から市庁舎まで行進し、その死を惜しみました。






見ごたえのある伝記映画でした。
70年代を意識した独特な映像も楽しめましたし、作品の最後に
ミルクを支えた人物たちのその後がきちんと描かれていたのがとてもよかったですね。
近々ミルクのドキュメンタリーも観たいな。


ミルクはさることながら、私ダン・ホワイトがすんごい気になりまして・・・。




ダン・ホワイトのその後。

彼の弁護士は、「ゲイに賛成的」とみなした者が陪審員になることを阻止して裁判に臨んだそうです。
また、ホワイトが鬱状態であったとし、彼が正常な精神状態ではなかったと主張。
結局ホワイトはたった5年間の服役で、仮釈。その翌年にはサンフランシスコに戻ります。

が。

風当たりは強く彼は家庭内でも孤立。1985年にはとうとう自殺されたんだそうです。
うーん。しょっぱい。

生真面目で不器用なホワイト。華やかで人の目を引くミルク。
この2人の関係ってどことなく『アマデウス』のサリエリとモーツァルトみたい・・・・。

うーん。

監督は誰?と思い最後にガス・ヴァン・サントと知る私・・・(すげー間抜け)。
いや~。
まさかあのガス・ヴァン・サントとは・・・・。
『ラストデイズ』で迷走していた(←失礼)あのガス・ヴァン・サントとは・・・・。
いやぁ。恐れ入りました。





おまけ。
 
ショーン・ペンとハーヴィー・ミルク。

 
ジョシュ・ブローリンとダン・ホワイト。


激似です。



前田有一の超映画批評



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