写し、日本の伝統芸能の世界では古くからなされてきたことでした。西洋美術の世界ではよく、贋作という言葉が使われ、どちらかというと悪いイメージの強い写しですが、日本人はそれを寛容に受け入れてきたように思います。思えば日本人は芸術だけでなく工業分野でも他国のものや文化を工夫してよりよい形にすることに長けています。写しを受け入れることで日本は発展してきたのかもしれません。
三井記念美術館、美術のなかの「写」 -技とかたちの継承-企画展、行くつもりもなかったのだが、友人からチケットをもらい、ふらりと出かけた。私自身、写す=ホンモノとは違うというイメージが強かったせいか、それほどの期待もしていませんでした。ところが、楽しいわ、勉強になるわで気づけば2時間が経過していました。一言に写しといっても色々な種類の写しがあるものです。9月3日まで開催していますので、お時間あればお近くの方にはお勧めします。
企画展ではあらゆる視点から写しについて検証し、ホンモノと写しを並べて展示してありました。美術館がもっているホンモノもすごいのですが、飾り方にも工夫があり、すばらしいなあと感動しました。いらっしゃる方もまだいるかもしれないので、今日はどんな飾り方がされていたか、感想だけ。会期が終了したら茶の写しについて改めて考えてみたいと思います。
写しの種類には以下のものがある。さて、皆さんはどんなものを思いつきますか。
1.そのまま写す
2.変化を加えて写す
①図様を転用して ②変化を加えて ③異なる素材を使って ④装飾を加えて ⑤ 小さくする ⑥画面の形を変えて ⑦異なる技法で ⑧創意を加えて
3.様式を写す 書風を写す
4.自然を写す
5.規範となる形や好みを写す
三井記念美術館には、茶室“如庵”が再現されています。そこにはいつも茶道具が展示されていますが、今回は「盛夏の取合せ」。
掛物は漁村夕照図(村田珠光筆)、面取風炉に紹鴎好みの鶴首釜(浄雪作)、唐物丸壺茶入“淡雪”、織田有楽斎作の竹茶杓、長次郎の黒楽平茶碗、釣瓶水指となっていました。村田珠光のものは初めて目にしました。侘びた漁村風景で味わいがありました。取合せもいずれも夏にふさわしい涼しげなもの、いいものを拝見しました。
見ていて一番感動したのは、書いたばかりの七種建水のうち、利休様が脇差のようにそばにおいて愛用したという黄瀬戸の大脇指建水の写し(旦入作)に出会ったこと。ざらりとした肌に上部に黄色の釉薬がかかっており、大胆で、たくさん入れられそうなざっくりとした建水でした。勉強したばかりのものを拝見できると感動しますね。これなのか、と。
ホンモノと写しが並べてあるとその差がよくわかり面白い。やはり私はホンモノのほうがよいなあと思いました。でも、それはホンモノとわかっているせいであって、隠して置かれていたらホンモノを選べるかどうかは自信がありません。
三井記念美術館では1周年記念特別展として「赤と黒の芸術 楽茶碗」(会期:9/16~11/12)が開催されます。16世紀初代長次郎から現代の十五代吉左衛門までの楽茶碗を時代を追って紹介するもので、重要文化財の“無一物”や“俊寛”も登場するという。90点あまりというからなかなかの数。他歴代の香炉や香合、花入なども出展されるようなので、こちらもお近くの方はお出かけになってはいかがでしょうか。私はもちろん行く予定にしております。
三井記念美術館、美術のなかの「写」 -技とかたちの継承-企画展、行くつもりもなかったのだが、友人からチケットをもらい、ふらりと出かけた。私自身、写す=ホンモノとは違うというイメージが強かったせいか、それほどの期待もしていませんでした。ところが、楽しいわ、勉強になるわで気づけば2時間が経過していました。一言に写しといっても色々な種類の写しがあるものです。9月3日まで開催していますので、お時間あればお近くの方にはお勧めします。
企画展ではあらゆる視点から写しについて検証し、ホンモノと写しを並べて展示してありました。美術館がもっているホンモノもすごいのですが、飾り方にも工夫があり、すばらしいなあと感動しました。いらっしゃる方もまだいるかもしれないので、今日はどんな飾り方がされていたか、感想だけ。会期が終了したら茶の写しについて改めて考えてみたいと思います。
写しの種類には以下のものがある。さて、皆さんはどんなものを思いつきますか。
1.そのまま写す
2.変化を加えて写す
①図様を転用して ②変化を加えて ③異なる素材を使って ④装飾を加えて ⑤ 小さくする ⑥画面の形を変えて ⑦異なる技法で ⑧創意を加えて
3.様式を写す 書風を写す
4.自然を写す
5.規範となる形や好みを写す
三井記念美術館には、茶室“如庵”が再現されています。そこにはいつも茶道具が展示されていますが、今回は「盛夏の取合せ」。
掛物は漁村夕照図(村田珠光筆)、面取風炉に紹鴎好みの鶴首釜(浄雪作)、唐物丸壺茶入“淡雪”、織田有楽斎作の竹茶杓、長次郎の黒楽平茶碗、釣瓶水指となっていました。村田珠光のものは初めて目にしました。侘びた漁村風景で味わいがありました。取合せもいずれも夏にふさわしい涼しげなもの、いいものを拝見しました。
見ていて一番感動したのは、書いたばかりの七種建水のうち、利休様が脇差のようにそばにおいて愛用したという黄瀬戸の大脇指建水の写し(旦入作)に出会ったこと。ざらりとした肌に上部に黄色の釉薬がかかっており、大胆で、たくさん入れられそうなざっくりとした建水でした。勉強したばかりのものを拝見できると感動しますね。これなのか、と。
ホンモノと写しが並べてあるとその差がよくわかり面白い。やはり私はホンモノのほうがよいなあと思いました。でも、それはホンモノとわかっているせいであって、隠して置かれていたらホンモノを選べるかどうかは自信がありません。
三井記念美術館では1周年記念特別展として「赤と黒の芸術 楽茶碗」(会期:9/16~11/12)が開催されます。16世紀初代長次郎から現代の十五代吉左衛門までの楽茶碗を時代を追って紹介するもので、重要文化財の“無一物”や“俊寛”も登場するという。90点あまりというからなかなかの数。他歴代の香炉や香合、花入なども出展されるようなので、こちらもお近くの方はお出かけになってはいかがでしょうか。私はもちろん行く予定にしております。
それは写経です・・・
写すという段階はある面での勉強みたいなものですが。。。
それが出来たら、形や模様を写すという事ではなくて、その意匠の中にある
心を受け継いで行くみたいな。
先人達はどうしてこういう模様や形に行き着いたんだろうか?
そういう事を考えて行きたいですね~
写経もそうですね、写すこと、ですね。
写すことで心を鎮め、心を写す。
写すことは実質的でもありますが、精神的なものにも通じていますね。
美術館にも本歌と写しと並べて飾られていましたが、全く同じに作るというのは技術が必要なことなのだなあと思いました。
形や模様を写しながら、その中にある心を受け継いで行く、本当ですね。
”写し”はただ真似するだけでなく、そこから様々なことを考え学び作り出していくことで更にいいものを生みだしていくのでしょうね。素敵なことです。そうして生まれたとくさんの作品をたくさん拝見したいです。
東京に住んでいたら、行きたかったです。
昔は、写し=偽者 で、嫌いでしたが、最近は、本物を入手できない以上、写しで、ちょっとでも、味わいやら、心をわかりたいなって、思うようになりました。
茶入れは、写しを購入すべきでした。上のお稽古には、どうしても必要で、知らないときに買ったものは、失敗ばかりです。
そうなんです、写しもよく出来ているし、やはり写しでもそれを使ってお稽古できたらいいですよね。
先生のお宅には写しの茶入もあって、仕覆など問答のお稽古になります。
日本人は、もともと、正確に写し取ったり、真似る事が得意な民族ですものね。でも、それで終わっては意味が無く、その中の心を汲み取り、感じ、受け継ぐのは、至難の技でしょうね。
私も、実際に見てみたいのですが、そういう機会は、滅多に訪れないのが残念。
写すといってもいろいろあるので驚きました。
おっしゃる通り、日本人は真似ながら、その中に心を汲み取り、感じ、受け継いでいくことを続けてきたのですよね。
会期が終わったら、写しについての説明をご紹介しますね。興味深かったです。
ご案内の「写」、昨日、見て参りました。
時代を経た写しもさることながら、明治期の写し、オーダーのレベルが違いますね。 さすが、三井財閥。 財力があると、こういうことができるのかと感嘆。
庶民は、見立てというか、あり合わせのもので、とmにかく、美味しいお茶を点てようと思ったのでした。
コメントありがとうございます。
三井美術館いらっしゃいましたか!見応えのある写しとホンモノでしたよね!!私もさすが三井と思いました。
でも安くてもいいものはたくさんありますし、庶民の私も自分が好きなお茶碗でおいしいお茶を点てられるようお稽古精進したいと思います。
ブログ、読み応えがありそうなので、お気に入りに追加させて頂きました。徐々に読ませて頂きます。
今後とも宜しくお願い致します。