楽しみにしていた口切茶事が終わりました。茶人にとって招かれれば幸せ至極と言われるほどのお茶事、社中でのお稽古茶事とはいえ、貴重な経験をさせて頂きました。先生はご高齢で足がお悪い為、近年は弟子の為に年に2回、外の場所を借りて茶事をご指導下さいます。
口切(くちきり)
http://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/c55e848eb4c8c1c840ea79ebc21fe79a
朝9時半集合。生憎の雨模様。亭主・半東役は水屋にて準備。茶壷を床の間に飾る。露地の風情が楽しめない分、急遽、炭所望と花所望をすることになりました。10時半、待合に客が揃い、いよいよ茶事の開始。
(ご参考)茶事の流れ
http://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/08741c3fed238c339c3f2bc93588086a
口切茶事で特別な部分の流れをご紹介します。
①客は待合で汲み出しを頂いたら、蹲を使い、席入り。
②挨拶を行い、正客が“茶壷の拝見を”と所望する。
③亭主は壺を床から運んで、炉の下座で網を脱がせ口緒をほどく。
④御茶入日記(茶壷に入っている茶の種類が書かれている)を正客に持ち出す。
⑤亭主は葉茶じょうご(茶壷の口を開け閉める為の道具)を持ち出し、壺の下座におく。
⑥茶壷の口を切る。
⑦亭主は正客に所望の濃茶を尋ねる。
⑧詰め茶(薄茶)を葉茶じょうごにあけ、客に所望された袋に入った濃茶を取り出す。
⑨茶壷の蓋をして、封紙に糊をつけ、茶壷の口に貼り付けてしっかり封をする。綴じ目に印を押す。
⑩茶壷を拝見に出す。
⑪葉茶じょうごと御茶入日記を水屋にひき、亭主は客の茶壷拝見が終わるまで茶道口に控える。
⑫茶壷が戻ったら、壺に関する問答をし、茶壷を水屋へ持ち帰る。
⑬初炭手前
⑭懐石と主菓子
⑮中立
⑯後入して、濃茶点前。
⑰後炭
⑱薄茶点前
⑲最後の挨拶をし、送り礼。
口切の部分は②~⑫までです。私は初座の口切の部分の亭主を務めました。
口切で一番難しかったのは、封紙の糊をつける時。着物の袖が邪魔で、袖の先に糊がべったり。更に封紙にも糊がつきすぎてしまい、茶壷の口が糊でべっとりしてしまい、綴じ目にする印がうまく押せませんでした。こうした所作も慣れていればたいしたことはないのでしょうが、普段使わない糊の具合と箆の使い方、小刀の使い方、着物と洋服とでは動きに違いがあること、勉強になりました。
茶壷の口切は毎年先輩の様子を拝見していましたが、今回の茶事の前に1回先生にご指導頂き、あとは本を見て予習しただけでした。見ているだけと実際やるのとでは随分違うものでした。お茶事ではベテランの正客のご配慮と先生のご指導でなんとか無事終えることができましたが、見たり読んだりするだけでなく体験するということの大切さを感じました。
口切という大役を与えて下さった先生に深く感謝しております。床の間には大亀老師の一字“関”。この掛物の言葉通り、今回の口切茶事を境にして更に精進していきたいと思っています。
口切(くちきり)
http://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/c55e848eb4c8c1c840ea79ebc21fe79a
朝9時半集合。生憎の雨模様。亭主・半東役は水屋にて準備。茶壷を床の間に飾る。露地の風情が楽しめない分、急遽、炭所望と花所望をすることになりました。10時半、待合に客が揃い、いよいよ茶事の開始。
(ご参考)茶事の流れ
http://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/08741c3fed238c339c3f2bc93588086a
口切茶事で特別な部分の流れをご紹介します。
①客は待合で汲み出しを頂いたら、蹲を使い、席入り。
②挨拶を行い、正客が“茶壷の拝見を”と所望する。
③亭主は壺を床から運んで、炉の下座で網を脱がせ口緒をほどく。
④御茶入日記(茶壷に入っている茶の種類が書かれている)を正客に持ち出す。
⑤亭主は葉茶じょうご(茶壷の口を開け閉める為の道具)を持ち出し、壺の下座におく。
⑥茶壷の口を切る。
⑦亭主は正客に所望の濃茶を尋ねる。
⑧詰め茶(薄茶)を葉茶じょうごにあけ、客に所望された袋に入った濃茶を取り出す。
⑨茶壷の蓋をして、封紙に糊をつけ、茶壷の口に貼り付けてしっかり封をする。綴じ目に印を押す。
⑩茶壷を拝見に出す。
⑪葉茶じょうごと御茶入日記を水屋にひき、亭主は客の茶壷拝見が終わるまで茶道口に控える。
⑫茶壷が戻ったら、壺に関する問答をし、茶壷を水屋へ持ち帰る。
⑬初炭手前
⑭懐石と主菓子
⑮中立
⑯後入して、濃茶点前。
⑰後炭
⑱薄茶点前
⑲最後の挨拶をし、送り礼。
口切の部分は②~⑫までです。私は初座の口切の部分の亭主を務めました。
口切で一番難しかったのは、封紙の糊をつける時。着物の袖が邪魔で、袖の先に糊がべったり。更に封紙にも糊がつきすぎてしまい、茶壷の口が糊でべっとりしてしまい、綴じ目にする印がうまく押せませんでした。こうした所作も慣れていればたいしたことはないのでしょうが、普段使わない糊の具合と箆の使い方、小刀の使い方、着物と洋服とでは動きに違いがあること、勉強になりました。
茶壷の口切は毎年先輩の様子を拝見していましたが、今回の茶事の前に1回先生にご指導頂き、あとは本を見て予習しただけでした。見ているだけと実際やるのとでは随分違うものでした。お茶事ではベテランの正客のご配慮と先生のご指導でなんとか無事終えることができましたが、見たり読んだりするだけでなく体験するということの大切さを感じました。
口切という大役を与えて下さった先生に深く感謝しております。床の間には大亀老師の一字“関”。この掛物の言葉通り、今回の口切茶事を境にして更に精進していきたいと思っています。
私のところは今年は模擬でかわるがわる小刀をいれては封印し順番で体験させるに止まりました。
御茶入日記、どんなお茶が所望されたのでしょう・・・水屋から茶を挽く音が聞こえ、音のご馳走。
茶篩箱でカタカタと風情ある音が席中も響き、いい雰囲気ですよね。
普段本当によく勉強されているたまごさんなのに、大変さが伝わってきました。
私はまだまだ「口切」に呼んでいただけるほどよくできた弟子ではありませんが
いつかはお客様として、勉強したいです。
たまごさんがブログに書いてくださったおかげで、本を読んだだけではわからなかった口切茶事について、とても参考になりました。ありがとうございました。
ホントに貴重な体験ですよね、私もいつか一度は経験したいものです。
お茶がいっぱい詰まった茶壷は重いのでしょうね。
茶壷の拝見の仕方とか教えてもらいましたが、手の体温を伝えないよう持つのは空の茶壷でもなかなか大変でした。
挽きたてのお茶も美味しかったですか?
お茶の感想も楽しみにしています。
お着物が、糊で汚れたそうで大変でしたね。たまごさんの日記を読みながら何事も体験しながら、身に付くものだと改めて思いました。これからも、貴重な体験を読ませてくださいね。
まつ月さんのお菓子の話や、口切りの茶事の成功など、いろいろ貴重な体験をされてますね。
伊勢芋の特製じょうよ饅頭を送ってもらえるなんて、ほんとにうらやまし~い。
私も1月にはお茶会でお点前をする役が当たっているし、3月に開催するお茶会の企画担当でもあるので忙しいです。でもこれがまた楽しいです。
いつの日か拝見したいものです。
飾り緒のむすび形ようやく思い出し床に飾りました。
私は、着物の袖に、のりをつけた経験があります。又、のりを紙につけるのも、むずかしく、のりをつけすぎると、口覆いの裏についてしまうので、気をつけるようになりました。
失敗してから、学んでいます。
あぁ あとどのくらい経てば 私もそんな言葉を口にすることができるのかしらん…
m-tamagoさんの文章を読んでいるだけで
お茶の席にいる気分になれます
ありがとうございます
でも犬猫にかまってばかりいずに
サボっているお稽古 続けなきゃ…
お茶は奥西緑芳園、寿の昔でした。とってもおいしかったです。銘もいいですよね~。
>水屋から茶を挽く音が聞こえ、音のご馳走。
>茶篩箱でカタカタと風情ある音が席中も響き、いい雰囲気ですよね。
本当に!水屋でばたばたしていてゆったり味わうことは出来ませんでしたが、貴重な茶事体験でした。
おかげさまで無事終わりました、ありがとうございます。
ゴマたんさんのところでも「口切」なさっているんですね。きっと近いうちに。
文字だけだとなかなかうまく説明できないので、疑問があったら教えて下さいね。