汗かきの私は、夏に着物を着ることなど、そもそも想定していません。
まだ若かりし二十代前半に、先生が7月に持たれたお茶会のお手伝いと、8月にして下さった朝茶事の為に、母が見立てて初めて絽の着物と帯を求めましたが、それすら、もう何年も箪笥に仕舞われたままになっていました。その着物は、二十代らしく、薄ピンク色で萩の柄のかわいらしいものでした。
7月の初めに、先生が創始された勉強グループの茶会が催されるとのことで、先生から試しに行ってきたらとの思いがけないお誘いを頂きました。そのグループは、準教授を取得すると入会でき、自分たちなりにお茶に関する研究や勉強を進めていくという、もう30-40年位続いている格式のある会なのです。
以前から先生には茶名取得から2年が過ぎた時点ですぐに準教授の取得申請をしたいとお願いしており、私がゆくゆくはその会にも入りたいと思っていることはご存じなので、前段階として機会を与えて下さったものとありがたく思いました。
しかし、そこで問題になったのが、着物。その会では、無地の一つ紋の着物がお約束というではありませんか。
「この先お茶を続けるなら絽の無地の着物は必要よ、これを機会に買っておけば。」
紋が入ってなくても最低限、無地の着物でないと、ということで、早速探しにいきました。お茶会まではもう2週間しかなく、しかも、絽の着物は7-8月にしか着ないため、既に呉服屋さんでも仕立ての正絹では残っているのは暖色系ばかりで好みの色もなく、紋を入れると最低でも3週間は必要との話。どうせなら正式なものを仕立ててしまおうと思ったのですが、今回は難しそうだったので、仕立て上がっているものを探してみると、奇跡的に見つかり、ほっと一息。
そして、先日、無事お茶会に行ってきました。暑い一日でしたが、二畳半台目の小間で名水と濃茶を堪能し、広間に移って、夏の海を思わせる磯尽くしのお道具とお菓子で薄茶を楽しみました。じんわりと暑さが伝わる小間での名水と濃茶はとてもおいしく、お道具も名品揃いでした。
一番驚いたのは、薄茶席でのお菓子。涼しげな竹籠に青々とした葉がひかれ、その上に、蛤がコロコロとのっていたのです。
「貝殻をあけて、片方の貝殻で掬って召し上がって下さい。」
皆驚きながら一つずつ蛤を懐紙にとり、慎重に二つに開くと、中から大徳寺納豆が仕込まれた見事な琥珀が現れました。まさか生の蛤の甘煮とかじゃないよね?と思っていましたが、このお菓子には驚きました。貝殻を匙のように使って頂くというのも一考です。
これまで大寄せのお茶会に伺う機会は多かったのですが、こうして、小間で濃茶を頂くのは久しぶりで、心尽くしのお席でおもてなしを受けたなあと嬉しくなりました。これが本来の姿なのでしょうが、改めて少人数でのんびりとお茶を頂くっていいものだと感じました。茶会というと、春や秋といった、過ごしやすい季節に多いものですが、夏に涼しさを感じる趣向で席を設けるというのも素敵です。この日の為に準備した方々の御苦労を思いながら、充実感を胸に席をあとにしました。
それにしても、夏の着物は薄くできているとはいえ、びっしょり汗をかいており、家に帰ってすぐ脱ぎすて、ほっと一息。やっぱり夏に着物を涼しげに着る女性って理想だけど、私には無理だ。。。と思ったのでした。
まだ若かりし二十代前半に、先生が7月に持たれたお茶会のお手伝いと、8月にして下さった朝茶事の為に、母が見立てて初めて絽の着物と帯を求めましたが、それすら、もう何年も箪笥に仕舞われたままになっていました。その着物は、二十代らしく、薄ピンク色で萩の柄のかわいらしいものでした。
7月の初めに、先生が創始された勉強グループの茶会が催されるとのことで、先生から試しに行ってきたらとの思いがけないお誘いを頂きました。そのグループは、準教授を取得すると入会でき、自分たちなりにお茶に関する研究や勉強を進めていくという、もう30-40年位続いている格式のある会なのです。
以前から先生には茶名取得から2年が過ぎた時点ですぐに準教授の取得申請をしたいとお願いしており、私がゆくゆくはその会にも入りたいと思っていることはご存じなので、前段階として機会を与えて下さったものとありがたく思いました。
しかし、そこで問題になったのが、着物。その会では、無地の一つ紋の着物がお約束というではありませんか。
「この先お茶を続けるなら絽の無地の着物は必要よ、これを機会に買っておけば。」
紋が入ってなくても最低限、無地の着物でないと、ということで、早速探しにいきました。お茶会まではもう2週間しかなく、しかも、絽の着物は7-8月にしか着ないため、既に呉服屋さんでも仕立ての正絹では残っているのは暖色系ばかりで好みの色もなく、紋を入れると最低でも3週間は必要との話。どうせなら正式なものを仕立ててしまおうと思ったのですが、今回は難しそうだったので、仕立て上がっているものを探してみると、奇跡的に見つかり、ほっと一息。
そして、先日、無事お茶会に行ってきました。暑い一日でしたが、二畳半台目の小間で名水と濃茶を堪能し、広間に移って、夏の海を思わせる磯尽くしのお道具とお菓子で薄茶を楽しみました。じんわりと暑さが伝わる小間での名水と濃茶はとてもおいしく、お道具も名品揃いでした。
一番驚いたのは、薄茶席でのお菓子。涼しげな竹籠に青々とした葉がひかれ、その上に、蛤がコロコロとのっていたのです。
「貝殻をあけて、片方の貝殻で掬って召し上がって下さい。」
皆驚きながら一つずつ蛤を懐紙にとり、慎重に二つに開くと、中から大徳寺納豆が仕込まれた見事な琥珀が現れました。まさか生の蛤の甘煮とかじゃないよね?と思っていましたが、このお菓子には驚きました。貝殻を匙のように使って頂くというのも一考です。
これまで大寄せのお茶会に伺う機会は多かったのですが、こうして、小間で濃茶を頂くのは久しぶりで、心尽くしのお席でおもてなしを受けたなあと嬉しくなりました。これが本来の姿なのでしょうが、改めて少人数でのんびりとお茶を頂くっていいものだと感じました。茶会というと、春や秋といった、過ごしやすい季節に多いものですが、夏に涼しさを感じる趣向で席を設けるというのも素敵です。この日の為に準備した方々の御苦労を思いながら、充実感を胸に席をあとにしました。
それにしても、夏の着物は薄くできているとはいえ、びっしょり汗をかいており、家に帰ってすぐ脱ぎすて、ほっと一息。やっぱり夏に着物を涼しげに着る女性って理想だけど、私には無理だ。。。と思ったのでした。
http://kyogashi.kyoto-np.co.jp/modules/xwords/entry.php?entryID=51
実際にお茶会で出会うととても風情が感じられるでしょうね。
絽の長襦袢を洗えるシルクの生地で仕立てはったら、お家でも洗濯機で洗えます。私も重宝しています。でも、やはり真夏は楽なのが一番ですね。
大徳寺納豆 の前身 というか 元
浜納豆 がはいって 綺麗な琥珀色に納豆の黒が
奥ゆかしい風情のある おかしですね
則克の干菓子も綺麗です
葛焼 もいいですよ
笑い話で 浜土産 差し上げたら
味噌汁に入れ 大失敗 というのを聞いたこと在ります
二畳半台目だと炉の季節はさらに格別なことでしょう。お客様何人だったのでしょう。あまりたくさんは座れませんね?
召し上がられたあとの貝殻は持ち帰られたのでしょうか?
香合として使えますね。(はまづとのではありませんが私も貝香合として使ってます)
名水点の勉強をされたようですが、どちらの名水をいただかれたのでしょう?以前の記事に、お稽古場では「柿田川の名水です」という問答をされると...、富士の湧水がお近いのかなとうらやましく読ませていただきました。
ところで名水を飲み回された時送り礼はされませんでしたか?名水点の紹介で、濃茶の飲み方との違いとして、総礼でなく次礼であること(これはその通りで)、送り礼なし(私共の稽古場では送り礼あり!です)と書かれていたのが、気になっているのですが。
本当に夏の着物には苦労しますね。
汗かきの私はもちろん、洗える着物です。
お菓子、そうでした!まさに添付して下さった浜土産です。ありがとうございます。
山づとというお菓子は秋になると見ますが、浜づともあるなんて、とびっくり。とても驚くとともに楽しみました。
色々な趣向があるものですね~。
本当に琥珀いろの中にポチっと黒が入っているのがまたいいですよね。
実は葛焼は濃茶席で頂きました。もっちりしておいしかったです。
>笑い話で 浜土産 差し上げたら
味噌汁に入れ 大失敗 というのを聞いたこと在ります
なんだか気持はわかりますね。容れ物も籠だし、立派な蛤を下さったのかと思うかも(笑)
今回はお客様は7名でしたので、比較的ゆったりと過ごせました。暑いながらも、時折茶室内を過ぎる風がなんとも風流でした。
>召し上がられたあとの貝殻は持ち帰られたのでしょうか?
もちろん、持ち帰りました。写真がそれです。お雛様の時にも飾れるかしら?
今回の名水は大山あぶり神社の名水で、飲むと長生きするという霊験あらたかなものでした。癖がなくとてもおいしいお水でしたよ。
>ところで名水を飲み回された時送り礼はされませんでしたか?
私は名水では送り礼はなしと習っております。
厚みのある国産蛤ならではのお菓子ですね。
大山阿夫利神社は、昔登ったことがありますが、
雨降り→あぶり で雨乞い神社でもありますし、
蒟蒻も有名ですね~名水もむべなるかなです。
蛤も、中国産やら韓国産やら色々見かけますが、やっぱり国産がいいなー。
大山は義母が大好きで、正月以外にも時々登りに行きます。結構厳しい道のりですが、登りきった時の清々しさは何ともいえませんでした。
雨降り→あぶりですか。。。。なるほど。
蒟蒻は、参道で大きな蒟蒻いもが置かれていて花を咲かせていたのをみて驚いた覚えがあります。
お水は癖がなくとってもおいしかったです!