茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

京都紀行2 お勅題「火」

2008-01-16 19:40:50 | 旅先にて
 毎年初釜には先生が花月扇をくださいますが、今年はお勅題の”火”にちなんだものでした。
 五行の中で火に属する方位は南。季節は夏、色は朱(赤)。朱雀はこれをつかさどる守護神。その朱雀を火の鳥に見立てて模し、新年の扇子に仕立てたものだそうです。
 写真の朱雀からは強く明るくしなやかな雰囲気が感じられます。今年はこの花月扇を使って、朱雀のように羽ばたけるよう積極的にお稽古精進したいと思います。
 
 さて、京都に出かけ虎やに立ち寄ったところ、御題羊羹についての説明書が店頭に置かれていました。虎やが毎年お勅題にまつわる羊羹を作っていることは知っており、今年も「火祭」という名の鮮やかな羊羹を東京の店頭でも見かけていました。説明書にはこうあります。
***引用***
「お題」とは「その年のはじまりを寿ぐ言葉」といえるでしょう。
とらやでも、明治40年より「お題」にちなんだ羊羹の記録が残ります。
平成20年の「お題」は「火」。
火柱、ともし火、花火。
「火」は、ときに畏れるこころを生み、ときに儚さを知り、ときに美しさを感じる。そんな言葉のようです。
********
 火から想像するもの。しばし目を閉じて空想してみました。ほのほのと揺れる仏壇のロウソクの火が見えました。揺れる火を見ると亡くなった弟が話しかけているように感じるのです。私にとっては激しい火より儚い火の印象が強かったようです。

 そして、過去40年のお題が羅列されていました。お題は茶道手帳の後ろにも記載されているので見たことがある方もいらっしゃると思います。
川、星、花、家、山、子ども、朝、祭り、坂、海、母、丘、桜、音、橋、島、緑、旅、水、木、車、晴、森、風、空、波、歌、苗、姿、道、青、時、草、春、町、幸、歩み、笑み、月、そして火。
 どの言葉にも想像をかきたてられますね。
 虎やの象った羊羹の図案はどなたが考えているのか、想像力次第で小さな四角の中によくその言葉を表したものだと感心します。自分ならどんな図案にするか、考えてみるのも楽しいかもしれません。毎年、年末になると、和菓子でも茶道具でも干支の他に、お勅題にちなんだものがたくさん出るので、楽しいですね。 

 テレビで歌会始めの様子が放映されていました。今年はこのようなお歌が詠まれたようです。天皇・皇后陛下、皇太子・妃殿下の歌は英訳もされていることに驚きました。
歌会始め 平成20年
http://www.kunaicho.go.jp/utakai/utakai-h20.html

 来年のお勅題は「生」だそう。もう発表とは早いもの、これまた驚きです。
http://www.kunaicho.go.jp/12/d12-08.html
 「生」、これは様々な歌が生まれそうですね。虎やさんはどのような羊羹を作るのでしょうか。また茶道具にはどのように表現されるでしょうか。いきる、なま、せい、しょう、うむ、読み方次第で随分雰囲気の変わる言葉です。
 私が「生」をみて最初に想像したのは、映画「生きてこそ」の題名、生まれたばかりの赤ちゃんでした。

 言葉についてよく考える、空想することなどないので、書きながら楽しみました。最後にお勅題で一句、と出れば最高ですが、そこで思考が固まりました!今日はこれまで。
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