魔術の教えには 弟子たちに一年に一度 もしくは必要に応じて週末になると
家のなかの物と対話させるというものがある
彼らは ひとつひとつに手を触れて声に出して問うのだ
「本当にこれが必要だろうか?」と
本棚の本に触れる
「この本をまたいつか読むだろうか?」
しまっておいた思い出の品々を眺める
「これを見て思い出すあの瞬間は 今でもわたしにとって大事なものだろうか?」
家中の棚を開ける
「もうどれくらいこれを持っていて 使わないままでいるだろう?本当にこれからも必要なのだろうか?」
物にはそれぞれのエネルギーがある
使わないままでいると エネルギーは淀んだ水のように家にたまる
ボウフラが湧き 濁りを作るにはうってつけの場所だ
よく気をつけて エネルギーの流れをよくしておかねばならない
古びたものをいつまでも持っていると
新しい物が その力を発揮する余地がなくなってしまう
わたしたちの天使はいつでもそばにいて
多くの場合 だれかほかの人間の唇を借りてなにかを伝えようとしてくる
だが 天使の答えは思いがけないときに示されるものだ
そしてたいてい そういう時には どんなに氣をつけていたつもりでも
心配事のせいで目が曇り 人生の奇跡を見逃してしまう
天使には 天使が慣れ親しんだやり方で
そして 天使が必要だと感じたときに 話しをさせたほうがいい