高田博厚の思想と芸術

芸術家の示してくれる哲学について書きます。

人間はめったに他者の幸福を望まない

2023-03-10 18:41:21 | 日記

人間はめったに他者の幸福を望まない



 
振り返って気づくことは、人間はめったに、友人として接している恰好になっている他者の幸福すら、むしろそれだからこそ、望まず、かえって、その幸福な状態を毀損する方向に言動する、ということだ。それで、全く一面識も無い未知の他者たちの幸福のほうが、その極度の漠然さのゆえに、望みやすいくらいなのだ。その他者たちの具体的な容貌がすこしでも感知できるようになるに応じて、その幸福を望む気持は消えてゆくだろう。
 
愛によって接していないかぎり、すべては蜃気楼である。情には、じぶんより相手は幸福であってはならないという条件がある。施しの地位にじぶんはあるべきなのだ。
 
まあ、人間の実体はおどろくべきものだ。自足していない生き方をしているかぎり。
 
 






[哲学的反省は根源への潜心を前提する]

2023-03-10 16:07:48 | 接続録
きょう5接続 

哲学的反省は根源への潜心を前提する
日記
2022-12-27 18:25:39



単に抽象的なもの、あるいは表象的なものへの没入においては、精神は根こぎにされている。だから、その状態において、人間はあれほど敏感に、怒りやすく、あるいは高慢になっているのである。余裕が無くなっている状態なのである。

真なる哲学的思索の状態は、そういうものではない。根源に沈潜し、根源に捉えられている。