この日はバイクで実家に向かいました。
やっぱり師走になって寒くなったなーって。
作業は両親と兄と私。
午前中は、柑橘類の収穫作業、いちじく園2か所の防鳥網はずし、ぶどうの予備剪定。
昼食を挟んでぶどうの予備剪定の続き、最後はメイン農産物の癒合剤塗り。
たぶんこれで年内の私のお手伝い納めです。
ただ、父が昨年よりも体力が落ちているので、もしかしたらまたお手伝いを頼むかも…だそうです。
さて近年問題になっていたメイン農産物の花粉問題。
えーと、普通に暮らしていると分からないと思います。
国産の果物のうち、人工授粉作業が必要な果物は、殆ど輸入花粉が支えています。
ここで注意していただきたいのは、輸入花粉を使っても、輸入花粉の部分は種。
果肉部は純国産、種子の部分が国産+輸入のダブルになります。
で、日本では以前は韓国産が使われていましたが病害のため禁輸になり、以降は主に中国産が使われていました。
で、その中国産が病害で禁輸に。
私の実家も輸入花粉一部で使っていましたが、これも一長一短なので、自家採取の花粉も併用してきました。
よって、自家採取で使う道具類一式は現役で使ってきたのです。
ところが産地や農家によっては省略化のため全量輸入に頼っていた方もいらっしゃって。
ゆえに今年は花粉採取用の道具類一式が爆売れだそうです。
そのためもし、今、故障すると入手できないのだそう。
さて、この道具類一式は、1年のうちでたった10日程度しか使わないのです。
試運転を入れても2週間も使うのか?と。
そのくせ業務用冷蔵庫並みの大きさなので保管場所に困るンです。
兄の予測では、闇取引をするヤツが絶対出てくる、とのこと。
しかも国産花粉にヤミ輸入花粉をブレンドした粗悪品が出回るはず、そして病害蔓延コースだな、と。
そうなると治癒農薬はない病害なので、青梅のウメみたいに地域全量切り倒しが目前まで迫っているのかー、と。
ただでさえ都市部の農業は風前の灯火。
都市部では果樹と野菜が栽培しやすいのですが、私の実家では果樹。
メイン農産物がもしこの病害で切り倒し対象になったら、もう農業はできないだろうな、と。
輸入花粉問題はもう何年も前から出ていたことと、都市部の農業ではリスクヘッジのために複数の作物を栽培するのが普通です。
私の実家でも人工授粉を必要としない作物も栽培しているから…とはいえ、サブ農産物は所詮サブですからね。
これからどうなるのか、はホントに五里霧中です。
この秋、もう年を取った(収量が落ちた)果樹を2本切り倒して、その後に花粉採取用の品種を植えたそうです。
本来、栽培品種の苗を植えるべき場所に花粉用品種か…。
これは単純に売上が減っちゃうンです。
花粉用品種を植えてもこれは食用に向きませんから、果実としての収穫はゼロです。
まぁ、いつまでも当地で農業ができる環境でもありませんからねぇ。
いつかは畑じまいをするでしょうし、それは私が思っていたよりも早くて、私の寿命が来る前になりそうだ、ということです。
実家の農業が終わる日を見届けることになるんだなぁ、としみじみと感じ入ったお手伝いとなりました。