makoto's daily handmades

戦争民話「広島の母たち」を読む

山本真理子著。

「広島の姉妹」を読むにあたり、この本が3部作であることを初めて知った。
そこで図書館でこの本を借りてみた。
子どもの私には、「広島の姉妹」がとても恐ろしい原爆投下後の様子に思われたが、大人の私には恐ろしいとともに、もっと凄惨な現場が書かれていたと思ったのに…と思い込んでいた。
8月6日の様子が中心の「広島の姉妹」だったが、この「広島の母たち」は8月7日以降の主人公、秋子さんに起こった話だ。
幼なじみを見つけて助け出したり、お姉さんがお骨になるまで、見知らぬ人の出産に立ち会ったり、母との再会、疎開先でのこと。
ハッキリと敗戦のことは書かれていないが、ソ連侵攻なども噂で知る。
身近な人と再会しても次々と死んでいき、自分も体調が思わしくない。
先日、広島の市街地をほんの少しだけとは言え歩いたので、それが本当にあったことなんだと、小学生の時とは全く違い、もっと身近なことのように感じられた。

お姉さんの遺体が焼かれているシーンでは、祖父の弟(艦砲射撃で戦死)の遺体もこうやって焼かれたのだろうと思わざるを得なかった。

また旅行中、美しい庭園だと感動した縮景園と思われる庭園が出てくるが、ここも凄惨な現場となったことが描かれていた。

遠いどこかで起こったことではなく、この日本で起きたことなのだ。
そう思うと、これまで原爆について私はあまりにも無知すぎると感じざるを得ない。
そして、子なしな私には母の思いを一生分からないのだろう、と心を寄せることもできないのだろうなぁ。

コメント一覧

makoto
縮景園
私が訪れた時、美しい庭園で園内の慰霊碑や案内板を見ても、文字しか追えませんでした。
美しい庭園の風景から、凄惨な現場とは全然思えない…これが正直な感想です。
案内板に64柱のご遺体が見つかったと書かれていました。「広島の母たち」を読んで、やっとその状況を想像することができました。本の中で「泉亭」と表現されていましたが、すぐに縮景園だろうと思いました。
児童書とはいえこの3部作を読んで本当に良かったです。
戦前は泉邸とよばれていました
おはようございます、makotoさん。

縮景園に関する頁を少し編集していますから、よければ時間あるときに見てください。
縮景園・原爆被災説明板
http://masuda901.web.fc2.com/page3hx02.html

縮景園原爆犠牲者慰霊碑
http://masuda901.web.fc2.com/page2bx71.html
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