御陵印(ごりょういん)、または陵墓印(りょうぼいん)集めが昨日で終わりました。
御陵印は、全国5か所を回れば集めることができる天皇陵にまつわる印です。
天皇陵は、天皇のお墓(御陵、ごりょう、みささぎ)のことです。
御朱印(ごしゅいん)とも似ていますが、違う点はいくつもあります。
1、全国5か所でしか受領できません。
2、受領に料金はかかりません。
3、御陵印を押す用紙は自分で用意します(御朱印と同じ)が、印を押すのは自分、そこに添える文字が必要なら自分で記入します。
御陵印帳も市販されていますが、用紙は決まっていません。
掛け軸に押印することもできますが、自分で押すので失敗したときは自己責任です。
さて、全国5か所の御陵印を受けられるのは次の通りです。
順番は私が訪れた日や、その時の様子です。
またいずれもMIFさんと同行しています。
私もMIFさんも、整形外科関係の症状等があり普段は歩行に支障はありませんが、砂利道や登山道等は少々苦手です。
2019年2月3日
宮内庁書陵部桃山陵墓監区事務所
最寄駅:JR奈良線桃山駅
御陵印数:29印
用意してあるもの:陵墓のしおり(多摩を除く4か所)、多摩・武蔵野陵墓の地図、朱肉3種類、ゴムの下敷き、ティッシュペーパー
場所:事務所入口すぐの事務机に用具を用意していただきました。
椅子は1つですが、2人で押印できるスペースがあります。
事務所のすぐ隣に伏見桃山陵(ふしみももやまのみささぎ、明治天皇陵)があります。駅から坂道(途中までアスファルト舗装、坂道の大半は砂利道の参道)または長い石の階段(私たちは石段は不使用)。
私は電車で行きましたが、専用駐車場は見かけませんでした。
坂道、砂利道、先が見えないカーブで駅からはとても遠く感じましたが、帰りはあっという間でした。
砂利道の距離は1番長く、足への負担は大きかったです。
2019年2月3日
宮内庁書陵部月輪(つきのわ)陵墓監区事務所。
最寄駅:JR奈良線東福寺駅
御陵印数:18印
用意してあるもの:陵墓のしおり(多摩を除く4か所)、多摩・武蔵野陵墓の地図、一般参賀のパンフレット(日本語版、英語版)、朱肉2種、ゴムの下敷き
場所:事務所入口すぐに事務机があります。桃山の事務所よりも狭いスペースですが2人で押印ができました。
この事務所は、山の中腹にあり、駅からアスファルト舗装の狭い道のりです。
桃山駅と東福寺駅の間には、伏見稲荷大社がありますので、そちらに参拝してから稲荷駅前でタクシーに乗車しました。
タクシーの運転手さんに月輪陵墓監区事務所と言っても場所が分からなかったので「泉涌寺(せんゆうじ)の手前の分かれ道の所」と指定しました。
近くに後月輪東山陵(孝明天皇陵)があり、泉涌寺は天皇家と深い縁がある寺院です。
2019年3月28日
宮内庁書陵部多摩陵墓監区事務所
最寄駅:JR中央線高尾駅
御陵印数:2印
用意してあるもの:朱肉2種、ゴムの下敷き。
※パンフレットなし。なお「多摩御陵のパンフレットがほしいです」と係の方に伝えたら「ありません」とのことでした。以前訪問した桃山や月輪の事務所に置いてあったものと同じ地図を渡されました。
場所:事務所の窓口のようなとても小さなスペースです。事務所入口もとても分かりにくく、見落としてしまうような細い通路の先に事務所入口があります。
その他:係の方から「どの用紙に押しますか?」と尋ねられ、用紙を見せました。係の方から「それならいいです」と言われました。私の場合、はがき大の白いケント紙でしたが、どの用紙なら可で、どの用紙だと不可なのかは明確な基準が分かりませんでした。私が訪れた5か所の事務所のうち、用紙のチェックを受けたのはこの事務所だけです。
ここには駐車場スペースが他の事務所よりも多く30台分くらいありますので自家用車で訪れました。
駐車場には誘導員がいませんでした。
多摩御陵(大正天皇陵)、武蔵野御陵(昭和天皇陵)までは事務所から緩やかなカーブと上り坂の砂利道を進みます一部車椅子用に狭いのですが舗装された部分があります。
そして今まで訪れた御陵でもっとも警備員が多かった印象でした。
2019年9月30日
宮内庁書陵部畝傍(うねび)陵墓監区事務所
最寄駅:近鉄橿原線畝傍御陵前駅
御陵印数:30印
用意してあるもの:朱肉2種、竹べら、歯ブラシ、ティッシュペーパー、ゴムの下敷き、陵墓のしおり(多摩を除く)
※竹べらは練りタイプの朱肉を練ることができ、歯ブラシは印掃除用です。この2つのアイテムはこの事務所でしか見かけませんでした。
駐車場スペースは10台分くらいありました。
近くには神武天皇陵があり、駅前から歩くと、まずは神武天皇陵を参拝してから向かうとすぐ隣の建物が事務所でした。
神武天皇陵側から行くと事務所の表示が分かりにくいのですが、入口に看板が出ています。
場所:事務所カウンターのすぐ隣に机があり、とても狭いので1人で押印しました。
その他:今回初めて押印者の住所と氏名を記入する用紙を渡されました。これまで訪れた3か所では書いたことがありませんでした。
1番印数が多い事務所で1人分の押印スペースなので、少し時間がかかりました。他の事務所とは違い、唯一押印している場所も事務所の方々からよく見える場所なので、私語は慎んだ方が良さそうです。
これまで訪れた3か所と比べて比較的平坦な地形です。
歩いて1キロくらいの場所に橿原神宮があります。
今回は畝傍御陵前駅には戻らず、畝傍御陵前駅→神武天皇陵→畝傍事務所→(神武天皇陵前を通過)→橿原神宮→橿原神宮前駅(畝傍御陵前駅の隣駅)をすべて歩きました。
2019年9月30日
宮内庁書陵部古市(ふるいち)陵墓監区事務所
最寄駅:近鉄南大阪線土師ノ里駅、道明寺駅
用意してあるもの:朱肉2種、陵墓のしおり(5種。ただし多摩のみカラーコピー)、一般参賀のパンフレット(日本語版)、ゴムの下敷き、ティッシュペーパー
御陵印数:17印
場所:事務所の入口の事務机。2人で押印できるくらいのスペースはありましたが、1人で押しました。
その他:畝傍の事務所と同様、御陵印の押印者の住所と氏名の記入を求められました。
応神天皇陵の隣にあります。
私たちは古市駅からタクシーに乗りました。タクシーの運転手さんに「応神天皇陵の隣にある宮内庁の事務所に行きたい」と伝えたら、すぐに分かってもらえました。
ちなみに帰りは道明寺駅(古市駅の隣駅)まで歩きました。
比較的平坦な地形なのと、市道から応神天皇陵までは参道が短く砂利道でもあまり苦になりません。
駐車場スペースは2~3台分くらいです。
この事務所は唯一、多摩御陵のパンフレット(しおり)のコピーがありました。
多摩のしおりは元々数が少なくて、もう印刷しないのでこちらではカラーコピーで対応しているそうです。
私が持参していたもの:御陵印所在地一覧表(ホームページより印刷)、ゴムの下敷き(100均にある捺印台)、ウェットティッシュ、ポケットティッシュ、はがき大のケント紙(押印するための台紙)、はがき大のメモ紙(朱肉写り防止の紙)、鉛筆、パンフレットを保存するためのクリアファイル、ビニール袋3枚(押印前の用紙、メモ紙、押印後に入れる袋)
※私は朱肉を持参しませんでした。
私は平成の終わりから令和の始まり、即位の礼の前という時期に御陵印を集めました。
本来であれば御陵を参拝して、その記念に集めていくものだと思います。
しかしながら、天皇陵はほぼ関西地方以西に集中して存在しているので、関東地方に住まう私には一生かけて参拝してもすべてを参拝できるのかどうか分かりません。
【関東地方からの交通について】
1日で5か所の陵墓監区事務所を回るのはかなり難しいです。
しかしながら、1日がかりで多摩以外の事務所を巡るのは可能です。
2019年10月1日現在のダイヤであれば、新幹線利用で新横浜駅の始発(午前6時)ひかり493号広島行が1番早く京都駅に到着します。
多摩以外の陵墓監区事務所は、午前8時半から午後5時まで。多摩は午前9時から午後4時。
関東地方からなら、効率重視なら新幹線か高速深夜バスを利用することになりますが、ゆっくり古都を楽しみたかったり、古墳巡りをするなら周遊券を利用してもいいかと思います。
そして陵墓を巡るので、途中で道が分からなくなっても周辺に歩いている方は少な目で、道を尋ねることが難しいです。
【何のための御陵印集め】
元々私は不信心ですし、パワースポットとかも「神の依り代ね」と冷めた目で見ているタイプです。
霊感もないし、受験シーズンに神頼みもしません。
神聖な気持ちになるとかもよく分かりません。
でも日本がいい国だな、とは思っていて、日本が世界で1番の長寿国家であるのは、奇跡的だと感じています。
表面的には天皇家を崇拝しているとは言いがたい私ですが、詰まるところ天皇家が続いて来たことがこの国の礎であるのでは?と考えるようになりました。
歴史好きの1人として、私は御陵印を集めたことによってもっと日本史を身近に感じられるきっかけになりました。
そして何よりもMIFさんの協力なくしてこの御陵印集めはできませんでした。
MIFさん、いつもありがとうございます。