実家の果樹園のお手伝いに行ってきました。
今回は、摘果(てきか、てっか)=実選りです。
この日の作業は両親、兄、私の4人。私は午前7時半から昼休憩を挟んで午後3時まで手伝いました。
前回、摘果を1時間半ほど経験しましたが少し時間が経って実が大きくなっていたので見分けが簡単になりましたが、葉が大きくなって作業の邪魔になっていました。
↓摘果前:1つの場所から放射状に果実が伸びています。
↓摘果後:一番大きな実を残して他の実を切り落としています。
分かりにくいですよね?
スミマセン(汗)
これ、脚立のてっぺんに乗って作業するのでちょっと不安定な場所です。
棚という番線の間から身体を棚の上に出して、作業するのですが、脚立のてっぺんというのも緊張感ある場所だし、下手に身体を動かすと新芽を丸ごとパキッと折ってしまいます。
しかも風が吹くと簡単に葉と実が揺れて手元が覚束なくなります。
しかも両親や兄は指先で処理しますが、どうにも私にはうまくできなくて、クラフトチョキで切ります。
岡恒の芽切りハサミというハサミもいいのですが、まだ今の時期の小さな実は、クラフトチョキというハサミが一番適していると思います。
ちなみに趣味の園芸のキャスターを務めていた故柳生真吾さんもビギナーにもおすすめのハサミとしてクラフトチョキを取り上げていました。
岡恒の芽切りハサミとクラフトチョキの大きな違いは、形状の違いよりもバネの有無が大きいです。
繊細な作業の場合、バネなしのクラフトチョキの方が使いやすいのです。
5月になってからだと、果実の軸が成長して固くなるのでクラフトチョキよりもバネ有の芽切りハサミの方が使いやすくなります。
さて上記の写真の実の塊部分が1つの枝に5か所くらいあって、この枝がだいたい60センチおきくらいに主枝、亜主枝に生えています。
1本の木を1人で仕上げるのではなく、だいたい2~4人で作業していきますが、1日で果樹園全体の5~10%くらい。
1本の木に対して最低2回は作業をしていきます。
今年は私のような素人を作業に入れているので、3回目どころか4回目が仕上げになるかもしれません。
このような果てしない作業で、私は日焼け止めクリームの厚塗りをしています。だって果樹園には日除けがありませんから。
あまりの白塗りに兄から「歌舞伎みたいだな」と言われました。
いやホントは「バカ殿か?」と兄が言いそうになっていたのを知っています。
それでも日焼けは避けられないのが農作業です。
☆おまけ☆
畑の端からズボッと生えている赤みがある茶色の芽は何でしょうか?
答えはこんにゃくです。
この新芽が伸びて、こんにゃくが実るンですよ~(嘘)
本当は、この新芽から葉が展開して、地中でこんにゃく芋が育ちます。
近年はこんにゃくが芋からできていることを知らない方も随分増えまして。
秋にその芋を収穫して、こんにゃくに加工します。
なお、私の実家では生芋からこんにゃくを作りますが、粗粉(あらこ)という芋を乾燥させてから加工する方が一般的です。
スーパーマーケットなどで見かけるのはたいてい乾燥こんにゃく芋粉末から加工します。
生芋と乾燥粉末との大きな違いは食感です。
生芋はさしみこんにゃくのような柔らかめ食感、乾燥粉末は硬めで歯ごたえ強めです。
ちなみに黒い粒々入りのこんにゃくは、ほぼ乾燥粉末から作ったモノで黒い粒々の正体は不純物(芋の皮の塊)に見立てた海藻です。
今時の生芋から作るこんにゃくには皮の塊なんてそうそう含まれないので、仕上がりは薄いベージュののっぺりした物体です。
私の実家の土壌はこんにゃく芋を育てられますが、知り合いの野菜農家さんの畑では土壌が合わないのか何度も生育に失敗しているそうです。
ゆえに母の知り合いの農家さんにこんにゃく芋を譲ったりもしているみたいです。
母にとっては「こんにゃく外交」というか、農家仲間の方に譲ったりする物々交換アイテムです。
貨幣経済が浸透している現代において、物々交換?…と思われる方も多いと思いますが、農家では物々交換はいまだに行われている原始的な交際術が残っています。