最近運動不足なので、MIFさんが足柄平野に行くついでに足柄平野の扇端をウロウロすることにしました。
厳密には扇端よりもちょいと外側の縁っぽいところです。
※扇端…扇状地の末端のこと。足柄平野は扇状地なので海岸に近い所と思ってください。
なお写真は多く長文です。何日かに分けてのご紹介になりますので、お暇な時にお読みください。
そして一番重要な注意書き。
1.車で訪れる場所ではありません。
軽自動車がすれ違えない細い道で待避所も少ないです。
ハイキングコースですが大人数グループで行くような道ではありません。
2.野生の猿被害が報告されています。
散歩中に何度も空砲を聞きました。餌付けは絶対にダメ!
3.ごみは持ち帰りましょう。
今回の出発地点は、JR鴨宮駅(かものみやえき)。
神奈川県小田原市の海岸に近い所にある駅です。
私は初めて訪れました。
この駅は東海道本線の駅で、この近くには神奈川県で初めて稲作が伝わったとされる中里遺跡があります。
足柄平野の扇端の真ん中あたり、小田原駅より1つ東京寄りの駅です。
ここから各駅電車で3つ下りの駅、根府川駅(ねぶかわえき)で下車しました。
ここまで来ると足柄平野の扇端の外側です。
駅ホームから僅かに海が見えます。
この駅にも私は初めて降り立ちました。
改札内(改札のすぐ脇)に関東大震災関連碑があります。
1923年9月1日の関東大震災では、この根府川駅で機関車と客車が転落事故があり、この震災での一番の鉄道災害がありました。
この辺りは片浦(かたうら)と呼ばれていて、近年では「片浦レモン」というレモンのブランド化を進めています。
なお根府川駅は無人駅。
お手洗いは途中にもありますが、駅で済ませるのが無難です。
また駅前には自動販売機はありますが商店はありません。必要な食料は事前準備しましょう。
駅前の歩道橋を渡ってハイキングコースを進みます。
当初予定では国道135号線という海岸沿いの道を歩くつもりでしが、トンガでの海中噴火で観測史上データのない津波(空中波動による海水面の上昇波?)予測がありました。
神奈川県だけは夜中に20回も緊急エリアメールが来ていたけれど(苦笑)
よってなるべく海抜10メートル以下の場所に行かないように注意しながらの散歩です。
国道135号線だと海岸線沿いなので海抜7~10メートルくらいですが、相模湾を見渡せるので、小田原市、二宮、大磯、平塚、茅ヶ崎、藤沢、江ノ島、鎌倉、逗子、葉山、横須賀、三浦と神奈川県の湘南の海岸線をずっと見渡せる上に、遠くは房総半島の先(南房総市や館山など)まで見えます。
ここに来るまでにすでに道間違えをしながら到着。
ここから先は人影どころか、気配も感じられなくなります。
そして暫くは海抜30メートルから100メートルくらいのアップダウンの繰り返しです。
よう壁にペンキで道案内。
さっきの壁の道案内はこの道の行き先標記でした。右側に進みました。
轍はありますが、舗装道路に落ち葉が積もっている場所が多いので足元注意。
高台から、海、足柄平野の扇端の海岸線、国府津松田断層の崖線、丹沢山地の大山を望みました。
この辺りは急斜面が多く、なおかつ石垣に適した岩の産地なので、石垣がたくさんありました。
石垣好きには堪らなく楽しいです。
岩を砕いて小さい岩が積んであるほど、重機で運べない時代のものかと思われます。
この辺りはあまりもう人の手入れが入らなくなりつつあることを感じました。
ここは柑橘栽培をしていたみたいですが、もう手入れはされていないみたいてます。
石垣も少し風化していました。
階段状の石積みがありましたが、暫く使われていないご様子。
この石垣の上段は茶畑だったみたいです。
茶畑は手入れがされなくなると、木が次第に大きくなってくるので徐々に森へ帰っていく様相に感じました。
この橋を渡りました。
橋を渡らずに川沿いに登るコースは、ヒルトン小田原リゾート&スパに到着するそうです。
でも現在は豪雨災害の倒木が多くて通行不可だそうです。
地図付案内板は今回のコースでは、駅前の他にはここだけでした。
あとは要所要所に地図看板下の方向指示の茶色に白文字の看板がありました。
でもハイキングですからせめて地図かGPS機能がある地図アプリは持参しましょう。
ここは薄板状の石垣がたくさん見られました。
しかも上の方まで何段も。
これが完成した頃はいつなのでしょう?
神奈川県での柑橘栽培の最盛期は昭和40年代か50年代初頭だったはず。
その頃の石垣の姿も見たかったな、と思いました。
この先ずっと石垣を見上げながらの散歩です。
写真画面の場所は7段目までは肉眼で確認できましたが、もっと上まであるかも、今、地震が起きたら私は生きて帰れる?と怖いくらいでした。
ここは左側の上り坂を進みました。
左側はコンクリート壁になっていて、これまでの石垣とはちょっと違う雰囲気です。
これまで歩いてきた道は道路に落ち葉が積もっていたり、人の気配を感じられない放置された印象を持ちましたが、ここから先は人影は無くても手入れがされている畑と感じることができました。
柑橘栽培と石垣と海。
私がイメージする「小田原のみかん畑」そのものの風景です。
たぶんこちら方面に富士山があるはずですが、山が近すぎて見えません(苦笑)
もし尾根に出たとしても、箱根の外輪山が近いからやっぱり富士山は見えないでしょう。
遠くの尾根から見たとき、あの大きな白い岩がスゴいな、と思っていたら、防鳥ネットを被せたみかんの木でした。
電柱の奥にほんの少しだけ見える山は、箱根の外輪山の一部じゃあないかな?
電柱は真っ直ぐですが、手前の柵が斜めでしょう?
上り坂がきつくて息があがります。
急登を歩いてきて、やっと尾根道だと喜んだのもつかの間、右側に進んですぐに下り坂でした。
この道を下ります。
上り坂もきつかったのですが、下り坂もきつくて膝が少しガクガクしました。
真ん中から左下に向かっている線路は東海道新幹線。
右端にカーブして僅かに見えるのは東海道本線で貨物車も通過します。
右上が白飛びしていますが、海です。
ここから少し下った所が撮影スポットらしく、鉄道写真愛好家の方を見かけました。
そして駅前から、ここで初めて人と遭遇。
今回、撮影者がいらっしゃった場所のすぐ近くで、柑橘とお茶以外の作物を初めて発見!
これはキウイフルーツです。
昭和50年代後半、神奈川県ではみかんに代わる作物として、キウイフルーツ栽培を奨励していた時期があったのでその名残かと思います。
キウイフルーツって、剪定が他の落葉果樹と違って分かりにくいンです。
慣れれば簡単だそうですが、私が見慣れている梨やブドウに比べると剪定しても樹形が整っていないように感じてしまいます。
ここからさらに下り坂を下りていきます。
続きは明日以降になります。
ここに至るまでの間、何度も空砲を聞きました。
また猿のイタズラか、道路に柑橘の皮の一部がめくれた状態のモノがいくつもの落ちていて、しかも道路に積もった落ち葉や柑橘くずに足跡があり、もしかしたらイノシシ?シカ?と思うような場所がいくつもありました。
正直、ハイカーがもう少し歩いているものだと思っていただけに、未踏感がある狭くて暗い道は少し怖かったです。
6枚目の写真(根府川駅近く)まではまだ人家があるので何かあったら助けを求められるのですが、7枚目の近くにある学生寮らしき建物を過ぎると、農作業小屋しか殆ど見かけません。
野生動物に襲われるかも、と思ったら、リュックを下ろして休憩しようとも思えず。
途中で軽トラに2度遭遇したものの、すれ違う場所を探すのに難儀しました。
お相手は軽トラなので、地元の農家の方と思われます。
農道をハイキングコースとして使わせてもらっている、というハイカーマナーを守ることを強くお勧めします。