原作:松尾諭、主演:仲野太賀
全10話
いつだったか、俳優の松尾諭さんがトーク番組で、ご自分が「拾われた男」であることをお話しになっていました。
それが物凄いご縁(強運)過ぎて、この方の人生はどうなっているのだろうか?と思ってもみました。
松尾さんが俳優として活躍していたのは時々見ていましたが、ハッキリと意識したのは大河ドラマ「天地人」にご出演してから。
それまでも少し見かける方だったので、劇団出身かな?それにしては滑舌が気になるけれど劇団ではOKだったのかな?と思っていました。
けれど気がついたら朝ドラ「てっぱん」にもご出演。
その役が私には妙にハマってしまって、子役に合わせての配役なのか、父親役に決まって似た風貌の子役を用意したのか、と思うくらいよく似た父子の父親役でした。
気がつけば映画「シン・ゴジラ」、ドラマ「相棒」などでも見かけるし。
ドラマ「拾われた男」は、そんな松尾諭さんのエッセイからドラマ化した物語。
とはいえ、主人公の名前は松戸諭。
ドラマ化に当たっては少しのフィクションを含んでいるのでしょう。
見所は、有名人が本人役で登場すること、NHKが民放ドラマ等を再現していることがちょっとしたパロディにしか見えないこと。
そして主人公を演じる仲野太賀さんが、松尾諭さんにしか見えなくなること。
お二人の顔立ちは決して似ているとは思えないのですが、演じるとどういう訳か松尾さんにしか見えなくなります。
毎回導入部分で松尾諭さんが本人役で登場しますが、そのまま仲野さんに繋がっていくのは演技のためなのか、それとも編集の妙なのか、脚本のおかげなのか、本当に不思議です。
そして草なぎ剛さんが演じる主人公の兄。
原作ではたぶん2~3歳の年齢差。
でも草なぎさんと仲野さんは20歳差くらいなのにそれを感じさせません。
俳優さんの私生活をちょっとのぞさせていただいた、という感じのドラマでした。
とくに薬師丸ひろ子さんが演じる社長さんがとてもコミカルでもあり、この方無くして今の松尾さんは存在しないのかも…と思わせられます。
柄本明さんとのご縁もとても面白くて、ただただ人のご縁とは不思議に思えるドラマでした。
このドラマは、今回はBSPでの放送、ディズニープラスでの配信となりました。NHK総合でも放送すると願っていますが、ディズニープラスでの配信があるのでもしかして総合では放送しないつもりかしら?
俳優さんとはかなり泥臭い仕事でもあるんだな、と思うし、多くの俳優さん達が本人役を演じる面白さも感じさせてくれるし、ぜひ総合でも放送してほしいです。