今晩は!
「縁切った」と思っとった。京都がまだそこに在(お)った。今日が嵯峨野の個展の最終日。お盆に入ったのやケド、午前はやたらと彼方此方に注意報、電車・高速道路の通行止めなんて出たいた早朝だけに。出足は鈍かった。でも流石嵐山、徐々に観光客の流れが普段通りに。私にとって「何で京都に来るのや?」と思いがあるのです。観光都市を標榜しているのに、私にとって…縁切り状の項目は数々あるのですケド。午後の3時頃、ムンムン茹だるような暑さの嵯峨野道のギャラリー外を、とことこ歩む方の姿。カンカン帽に、白き襦袢の上に櫨染め色の絽の着物、白き足袋・草履。手首に信玄袋。わたしがギャラリーの始末を終え車に乗り込んだ横をその方の戻られる姿。舞妓さん姿でもない、浴衣でもない、ましてや万国共通の夏のファッションでもない、その姿に「ああ!京は…」と