地面の目印 -エスワン-

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見えざる宇宙のかたち を読む

2019-12-22 11:36:49 | 
シン=トゥン・ヤウ/スティ-ヴ・ネイディス 水谷淳 訳
岩波書店 2012
 
 カラビ=ヤウ多様体の発見者の一人のヤウによるカラビ=ヤウ多様体とひも理論について
数式を使わずに解説した本。かといって、「宇宙のかたち」がすんなり頭にはいてくるわけではない。1次元のカラビ=ヤウ多様体が楕円曲線、2次元がK3曲面、3次元のカラビ=ヤウ・スリーフォールドが深く宇宙論(ひも理論)と関係しているという。また、トーラスの曲率は0とのこと。などなど、そうなんだという話もいろいろ出てくる。
 かつて「宇宙のランドスケープ」という本を読んだとき、ありうる宇宙の形が10の500乗ぐらいあると書かれていて何のことかと思ったが、その点についてもいろいろ説明があった。といってもよく分かったわけではない。
 著者(ヤン)は、20歳のときに香港からロサンゼルスのバークレーに移り、最初のクリスマス休暇にミルナーの「モース理論」を読みトポロジーと曲率の関係に興味を持ったという。そこでたちまち新たな定理を証明してしまったとのこと。私は久しぶりに本棚の「モース理論」を紐解いてみたが、ビーンとくるものは何もなかった。さすがにフィールズ賞受賞者は違うものだ。
 「13章 真理、美、そして数学」の323ページにラマヌジャンのτ関数とK3曲面の話が出てくる。面白そうな話がたくさん出てくるが、まだ、遠くから眺めているに過ぎない。


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