幼いころから何となくテレビ、ラジオ(?)などで見聞きしていた「次郎物語」を今になって読んでみた。
当初、この物語は児童文学と思っていたのだが、こうして原作を読んでみるとそれだけでないことがわかった。
いつのまにか、次郎の世界に引き込まれていき、自分の少年時代と照らし合わせたりもした。
1955年には映画も作られたらしいが、当然私はまだ小さかったしその後も映画は一度も見ることがなかった。
テレビでもやってたらしいが、池田秀一が演じたことは記憶があるがあらすじ等はほとんどわからなかった。
この物語は映画で見るより本を読んでみる方が何倍か作者の考えを理解することができるのではないかと思う。
でも、機会があれば映画も見たい気がするがDVDなどはあるのだろうか?
1部から5部までの大河小説であるが6部を前に途中で終わったのは残念だ。
理由は別にして「路傍の石」と同じパターンである。
映画が原作を超えられないのはいくつかあるが、その中で新田次郎の「八甲田山死の彷徨」が一番思い当たる。
極限の過酷な冬山の状態を映画で表わすには所詮無理があったと思う。
外国映画ではあまりよくわからないが「武器よさらば」もやはり映画の方が期待外れだった。
逆に原作より映画の方が何倍か感動するものがある。敢えて一つあげると松本清張の「砂の器」だ。
この映画が推理小説であることを知ったのは後のことであり、ただ親子の情の物語として涙を流したものである。
それに又、映画音楽がこの物語を盛り上げていた。
何年かしてこの本を読んでみたが、単なる推理小説で感動とかはまったくなかった。
こうしてみると、映画は映画で素晴らしいが本の魅力はなんとも捨て難い。
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