夏です。ぼくの拙いブログをお読みくださる 多くもない、けれど毎日数名は確実に
ご覧いただいている愛する読者の方に、のみ
暑中お見舞い申し上げます。
2013年夏
石郷岡 まさを
さて、夏が来れば思い出す、花火フォトに夢中になっていた頃。今からそうですねえ
25年以上も前の頃になりましょうか。
ある海辺の町を旅していて、その町の今夜は花火大会らしいことが分かりました。
当時、カメラマンになったといっても、そんなに仕事があるわけじゃあない、当たり前の話で、無名のものにわざわざ撮影を依頼したり、仕事をくださるという奇特な方は世界にそんなにいらっしゃるわけでもなく、ないならばこちらから出かけていくしかない、出かけていくといっても、カメラマンがプレゼン、いわば売り込みに行くといっても、お見せするべき作品がなければどうしようもない。だから自分の作品を数多くつくっていこうと夢に燃えていた頃のお話です。
ある海辺の町を旅していて、偶然花火の夜に出合ったこと、まで書きましたね。
当時、今から25年以上も前のことですが、当時車の中にカメラのセットを積んでぶらりと気ままに旅をしていたのですね。三脚からレンズを数本、カメラはCONTAX。もちろんフィルムもたっぷりと。ホンの試し撮りのつもりで、湘南の海辺の町の小さな花火を撮って、家に帰ったのです。コダクローム というポジフィルムの濃い色が好みでこれを使っていましたが、現像所から上がってきたポジを見ながら、うん、これはもう少し撮ってみようと思ったのですね。手ごたえがありました、自分の作品としていけるテーマであると思いました。ツアイスのレンズが夜空の光、色の描写にぴったりとはまったのです。
さあそれから、十年、夏と言えば花火を追いかけてしまうことになろうとは思いもしないきっかけがこのときはじまったのですね。
フィルムをなん百本使ったでしょうか?のちに、某デパートで、大きな写真展となって実現されそれはそれは大きな花を開くことになったのですが、声をかけていただいた担当の青年はその後どうされているのかなあ?そんなことを思い出す夏です。
エッセイ 石郷岡まさを